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STORY10:疑惑

光が目に刺さる・・どうやら気づいたら寝ていたようだ・・・

隣には、寝息を立ててるクロエがいた。

珍しいな、オレより先に起きるはずなんだが・・・。


普段行動している髪型ではなく下ろしている髪を見て、ギャップを感じる。

こうしてみると・・・やっぱり普通の人・・だよな。


昨晩のきっかけを思い出す、オレはクズなんじゃないかって。

求められれば応じるってそれは愛ではない。

自身の以前生きていた日本だってそうじゃないか。

夫婦であっても冷めているとか レスだとか。

そういう光景のSNSなどをみて

不誠実な夫だ!とか騒いでいた生前の自分はどこにいったんだろうか?


ただ関係性が崩れるのを恐れている自分の保身でしかないのか?

ホントにそうだったのか?

朝から憂鬱な思考をしてしまっていた。

大事にされていないのではないか?とクロエが感じ出したら、破綻する。

そうやって相互の不和が生まれたりするって知ってるつもりだ。


そろそろ起こすことにした

「クロエ、もう起きないと・・」

ゆさゆさしてみる。

「ホープ様・・・そんなことまで・・・?」

寝言。どんな夢をみてんだ。

「もう出る時間だよ、起きなよ。」


クロエはブランケットを抱き込んだまま起きた。

「おはよう・・ございます・・・。」

クロエは余韻に浸っていてなんだかぼーっとしている

「着替えるので・・・一応、でてもらえますか・・?」

全てを見ていてもここは譲れないんだろうな。

「わかった、待ってる、ゆっくりでいい。」


思いっきり伸びをして着替え、部屋から出る。

みんなを集めたのち1階のカウンターへチェックアウトのために準備をしていた。

エルとアドーはもう部屋の外で待っていた。

エルは不機嫌そうにジト目でこっちを見て言う。

「クロエは?」

身だしなみに気を使う人っぽいからな・・・

「多分まだだけど、出てくるまで待とう」


エルのやつやっぱりなんか感づいてるだろ。

平静を装ってそれに触れないほうがいいだろう、地雷の予感だ。


アドーは耳打ちしてくる

「昨晩、なんかしてたよね、お兄様。」


ビクゥ!!


「ん・・・まぁ・・そうだな、今日の予定についてだな。」

ごまかしているが多分これも察しているような気がした。

地味にクロエは声がデカくなるからな・・・。


「お兄様・・いいのよ、黙ってるから。わたしも共犯ってことだし・・・」

顔を赤くして俯いてしまった。


「そこ!こそこそ何話してるの?!」

やばい、エルに詮索されたら逆にまずい。


「いや、大したことじゃない。」


エルはこっちに向けて問う

「大したことじゃないのにこそこそするの?ふーん。」

もう勘弁してくれ・・・。


ふいにガチャっと扉が開く。

「お待たせ致しました。お時間を取らせたようです。」


エルは興味を削いだのかクロエに向き直って

「そうね、チェックアウトしましょ。」


ゴングに救われた感じだな。


チェックアウトのために1Fのカウンターへと来た、カギを3つ返したのだが。

ふいにいかにも教団っぽい衣装をまとった3人が押し寄せてきた。


「今日の取り分を徴収しにきた、あとこの連中は客か?」

こちらを品定めするようにじっくり眺める者が1人、あとは取り立てているようだった。


「身なりのいい輩の宿泊だ、さぞいい思いをしただろう。追加徴収するぞ」


なんだって?なんか雰囲気的にはよくないな。

どういうことか今動くのは迂闊だな。こいつらがいなくなってから少し聞いてみたいところだ。

活気がなかったのと関係がありそうだ。


布袋に結構な貨幣が詰まっているようだった、昨晩払った分もあるのだろうか。

「まぁまぁだな、教えを忘れず励めよ。」

踵を返して出ていった、扉が乱暴にバタンと閉まる。


宿の店主は祈りのポーズを組み

「レフラルドの加護をその身に!」


なんだそりゃ?

レフラルドの加護なんてあるのか?

霊感0で無宗教だったオレはこれの意味をあまり感じなかった。


「・・・臭うわね、なんか歪みを感じるのよ。」

エルが最初に言った。

この世界の住人でも違和感があるのか、オレはまっさきに搾取の構図そのものにみえたが、迂闊に何も知らずにやるとどうなのかわからんので様子をみてしまった。


「なぁ、店主さん、ちょっとだけ教えてくれない?レフラルドの加護ってなんだ?」

純粋にここの住人のみる宗教観とはなんなのか。


「実はですね、ここの教えは、贅沢をせずに慎ましく利他的であることが美徳とされているんですが、みんな不幸にみえてしまいます。みんなが貧しいんです。」


「どういうことなのですか?」

クロエが問う。

「ウチの場合は利他的ではあるけど、みんな幸福で潤ってたよ?」

アドーが無神経だが矛盾っぽいのを突いた。


エルがドヤ顔で鼻息をふん!と鳴らしている

「そこなのよね、ホントにホープの家って利他的な領主様とね、メイドがいっぱいいるのに主従関係の中でも幸福感のある家よね?この街と何が違うのかしらね。」


たしかに。

多少はあるが、みんなメイドは父に主従があるとしても1人1人にちゃんと分け与えていた。

建前こそ主従で格式をかえるわけではないがみんなメイドは笑っている。

規模の問題だけではないが

じゃあこの利他的なものはどこへ再分配されているのだろうか?

領主がいないとされたものでも屋敷はあった?

教団のあの大きい教会、あれは誰の金だ?


なんか違和感がありまくり。


「よし、決めた。店主、ちょっとおせっかい焼くことにする、店主は何も話していない、オレは何も聞いていない。」


「は・・?」


この時点ではだれも理解していないだろうが。

この搾取っぽいのには既視感がある。


「世話になった、また来る。」


呆然とした店主はホープ一行を見送ったまま

ドアがゆっくりパタンを閉まる。


宿の外、街は相変わらず活気もないしみんな表情が暗い。

なんだろうなこれ。


「エル、クロエ、アドー。」

3人振り返る。

「なにかしら?」

「はい、ホープ様」

「何?お兄様。」


オレは決心した、まずはここの人たちを幸福にする方法を考える。

なんかほっとくのもモヤモヤする、このまま先へいくのはなんだかイヤだ。


違和感の正体をまず語る

「1つ、利他的な教えが反映されているように見えない」

「2つ、教会とそこの屋敷の違和感だ。」

「3つ、あの取り立ては半ば強制、お布施とは違うのか?」


「これは不当に搾取してるものがいるのではないか?まずは教会が怪しいな、さっきのおそらく教会の手のものだろう?なりすましでなければ。」


エルは意見を出す。

「少なくともあたしのわかりうるものであんな歪(いびつ)なものは見たことがないわ、見解が狭いかもしれないから仮定としましょう。」


クロエが体験談のように語る。

「わたしの幼少のころ、ルミネス家にお世話になる前の領主は不当な取り立てと借金を課して女性や子どもをひっぱりあげているのもいましたので。」

初めてきいたぞ、ここでクロエの過去がちょっとだけわかった気がする。


アドーは首をかしげていた

「教本にあった教会ってもっと神秘的な美しいものだときいたんだけど?みんな幸福だから幸福をありがとうってお布施することくらいしかしらない。」


これはやっぱり搾取なのか?

領主が実はいるのだろうか?

教会をみるか?領主を確認するか?


情報を得るところが少し絞れた気がするな。


あと不本意に街人にこれ以上尋ねるのは危険だな。

誰に探られているかもわからない、秘匿しているのであればどこかにダミーが混じっているのも考えられるからだ。


リスクはオレだけでいいつもりだが。


監視されている街なら外で情報さぐることがもうリスク。

さっきは例外で密閉された宿だからであって

あれもホントは危険だろう、もし監視する魔法とかがあったら?

原作にMAPを映すものがあったがこの世界の場合はどう反映するかわからないのだが、少なくともMAPに宝箱とか人がいるくらいしかわからないとおもっているから訊いただけで。


「よし、一回領主の館を観察しよう、エル、アレもってるか?」

エルはやれやれと言った感じでアレを手渡してくる。

そう、グレイベルン要塞で馬車を確認したあの魔法望遠鏡のようなものだ。


遠くの館をこの場から確認してみる。

「・・?!結構でかいな、距離があってもわかるんだから当然か。」


クロエが制した

「直接館にいくのはリスクすぎます、監視しているものがいるならどこから襲ってくるかもわかりませんゆえ。」


アドーは無邪気に

「魔法でぶっとばしたら?」


おいおいおい、やめろって。

「アドー?そんなことしたら大騒ぎになる、そしたらどうなると思う?」


教団ももしかしたら自警団みたいのがあるかもしれないのだ。

神聖騎士みたいなのがいたら捕まって裁判だ。

「物騒な手は控えよう、どうしてもってときだけだ、それもどっちにしても捕まるというときだけならあがくのはやむを得ない。」


エルは物騒代表のようだった。

「暴れるときは・・腕がなるわね!!」

鼻息がいつもよりふんふんしてたし鼻がひくひくしている。


なんでこのコは端正な顔立ちしてんのにこういうときだけ変顔になるんだ・・?


「みんなの約束を何個か決めるぞ」


「1つ、隠密活動、基本騒がない」

「2つ、情報は個人の見解で判断し、街の人から不用意に尋ねない」

「3つ、いつでも質問されたとき最適解を決めておくこと」

「3つ目は、悩むと余計怪しまれる、だから堂々としないといけないんだ。」


オレは提示した3つの約束をみんなに共有した。

「あ、個別に動きすぎると捕まったりすると危険ではある、合図を決めよう、あと離れてもいい距離も決めないと合図も伝わらないし救出も間に合わないぞ?」

そこでオレは魔法の使い方を考えていく

「のろしみたいなものをしたらいい。あと2人2組でいくか。」

そうだ、クロエだけは光魔法が使えないのだからアドーと組ませよう。


クロエとアドーならなんとかなる。

オレはオレのハンディみたいな弱さがある、だからエルと組めば釣り合いがとれそうだな。


「クロエはアドーと、オレはエルと組む。バランス重視だ。のろしも上げれるし、戦闘面でもちょうどいいと思う。」


エルは呆れた顔してこっちを見る

「ホープあんた、あたしを買いかぶりすぎてない?アンタ大丈夫なの?」

いざとなったら、庇うことくらいはできるさ・・。

「オレはエルを信じる。」


なんか顔を真っ赤にしてるエル。

「アンタさぁ・・・そんな顔していわないでよ!何考えてるの?」

何も考えてないんですが、それは。むしろなんでそこで顔赤くするんだよおかしいだろwwww


咳払いをしてオレは作戦開始を宣言した。

「謎解き始めるか!オレのワガママだけど付き合ってくれてさんきゅーだな。」


そう、これはオレのおせっかいとワガママな謎解きなんだ。

自身の幸福に直接関係ないが父と約束した見識を広げることはウソにしたくないから。

自信がないのも最初は机上の空論の口実だったけど

実際ホントの話になってしまった。

こんなクロエと関係を続けながら、エルになんて言えばいいんだろう。


今はまだそのときではない、あとに、あとにする・・。



なんというか

書きたい事が増えてきて文字数が増えてきている。

あとはこの調子で書くと

シーズン1の内容全部だとかなり長い気がしてきます

読んでくれる方いつも感謝。

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