STORY11:調査へ・・
屋敷に近づくのは危険というならば
身近な教団の調査をするべきだろう。
教会に行って雰囲気や様子を見るべきではないか?
身なりを偽装するしかない。
あらかじめあったこのローブ、ボロめのものだ。
フード付きで悪天候のときに使おうとしたもので、全体を覆うような感じで、なおこの状況なら姿を偽装するのには好都合だ。
偽装しない場合服装まんま見られたら間違いなく【例の教え】に反することになるから。
「まずは全員で教会から調査して、そのあとは離れ過ぎないように2組で視察って感じで頼むぞ。」
黙って頷くクロエ、アドー組。エルもドヤ顔で納得した気になってる。
教会の前にはやはり神々しい装飾の鎧着た騎士のようなのが扉を挟んだ左右に立っている。
この姿で違和感なく素通りしようとするも
「待て、みない姿だな?新入りか?」
ここは冷静に
「ええ、礼拝にと、レフラルドの加護をその身に!」
宿屋の主人がやってたマネで切り抜けることにした。
続けて残りの3人も気づいたようにマネをする。
「レフラルド神のご加護を。」
騎士はそう返答し、それを合図に通してくれた。
ビンゴ!こういうとこは形からそれっぽくしてやらんとな。
重厚なドアを開けると
石造りでびっしり石が綺麗に積み重なった構造で
扉だけは金属で重いようだ。
でも不自然に礼拝者の座る長椅子のようなものは木製だったりチグハグではある。
これはそういうしきたりなのか、不自然さはやはり原作の制作者の意思でこういうものとしているのか不明。
礼拝している人間はかなり多いようだった。
座っている者、最前列で祈っている者。
こっちには視線を向けていない。
なんだろうか、本来こういうものなのか?それとも・・・
小声でオレはみんなに言う。
「左右に分かれて何かないか調べてみよう、あいにくこの礼拝者はこっちには興味がないようだからな。」
クロエは無言で承諾、アドーもここでは無言で同じく承諾。
やっぱりエルは鼻息をふん!である。
構造としてはやはりなんか不気味だ、この礼拝者、異常だし。
そもそもの教会関係者っぽいのがいないのだ。
神父っぽいのがここにはいないようだ、どうなってるんだ??
左右に別れ、左右両端の奥には各1つずつ扉がある。
みんな礼拝者は祈っている者は目を瞑っているのでこっちを見ていないようだ。
とりあえず、音を立てずに扉に入ることにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーー左の扉ーーーーーーーーーーーーーーーー
クロエ、アドー組。
本来教会関係者のみが入るようなとこではあるも、人はいないようだ。
周囲にあるものを確認していく。
ベッド、本棚、机と椅子。
普通だ。
アドーは1つの本に気づく。
小声で
「ねね、クロエ、この本、日記?」
「そのようですね?目を通してみますか?」
目を通してみることに。
レフラルド神、それは偽りの神。
わたしはなんてことをしてしまったのだ、この日記でこの街の悲劇を語ろう・・・
最初はただの商人だった者が国に口添えして教会を作ろうと提案してきて
どこのだれでもないわたしが教祖にされた、形だけの。
教祖とはいえど誰も救うことのできない悪神の教祖になってしまう。
街はやせ細り、不幸になっていくこの様をわたしは見てみぬ振りをしてしまう・・逆らえばわたしは用済みで別のものが教祖になるだけ。
せめてなにかできないか考えたが少なくともわたしはお飾りの教祖で、わたし自らは手を下さないだけのことしかできない。
ホントの神がいるなら街をすくいたまえ、こんなことを続けることが許されるはずはないのだ。
搾取、そして足りない分は女、子どもを担保にして売買するなどと・・・
誰か、助けて欲しい。
最初はなにもなく教会なぞなくとも平和でのんびりした街だったのに・・・
閉ざされた世界・・・
あっちはグレイベルンの門が閉ざされているし、助けを求めるには距離がありすぎる。
反対側も距離があるし、望みの薄いことだ。
神頼みのつもりが神をまつりあげて不幸にするとは・・ある意味皮肉としては邪神ではないか・・。
あの商人め・・・。
「なにこれ・・・おぞましいよ・・」
アドーは涙を流してクロエに泣きついた。
頭を撫でて、クロエはこの内容に怒りを覚えた。
「弱者を踏みにじる行為・・この商人は今いるのかしら・・?誰なのこれは。」
「アドー様、一旦この日記を持って報告に合流しましょう。」
そういって右側へと合流することに決めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー右の扉ーーーーーーーーーーーーーーー
オレとエル組だ。
部屋は1~2人分の部屋ではあるのだが・・・
なんだか悪趣味な絵画とか適当な絵の具で描いたような絵だが
これは・・なにかに祈る人を示しているのか?
机と椅子、それとムダにスペースのある床。
ん?違和感を感じた。
スペースのある床のここだけ床の音が違うんだ・・。
このあたり音が軽くない?
「エル、ここ音が軽い」
カンカンとなんか薄い金属のような床の音。
「なによこれ、フタになってるんじゃないの?」
フイにエルがコケた!
バターンといった感じの。
「くっ・・痛ったいわねっ・・・!!」
腹いせなのか床を思いっきり踏みつけたエル。
カーーーーン!!!!
音が響く。
「エル、落ち着け。あまり大きな音を立てるな。」
「うっさいわね!!思いっきりなにかに躓いて(つまづいて)痛かったんだから。」
特に鼻をさすっている、少しうっすらと涙が出ていた。
ん・・?なんか声聞こえないか?
「・・・!!」
「・・・!!」
うめき声なのか?叫んでいるけど言葉ははっきりしてない。
「下からか?」
エルがしゃがんで何かを見ている。
「これ、さっき躓いたとこよ、取っ手になってるわ。」
「下なにかあるな?、エル、それ引っ張れるか?」
軽いとはいっても1人では引っ張るのはちょっと重いようだった
「アンタ、手伝いなさいよ、ホラ早く!」
エルが左の取っ手を掴んで引っ張る、それを背後から手伝う形で反対側の取っ手を引っ張ることにした。
ゆっくりと持ち上がってバタンと開いた。
勢いが余って倒れ込んだ、その際にオレの倒れた上にエルが倒れ込んでくる形になった。
「・・・?!」
後ろからわかる、エルの耳が真っ赤になっている。
「・・なさいよ・・・」
何を言ってるか聞こえなかった。
「その手離しなさいといってるのよ!!」
気づいたら弾力のあるなにかを掴んでいた。
気づいたときはもう遅かったのだが。
「ばか・・・。」
慌てて手を離す。
「すまん!不可抗力だ。」
いつもの勢いがないがエルはゆっくり立ち上がる
「気をつけてよね・・ばか・・。」
もう1回バカと言われた。まぁバカなのは仕方がない、オレは罪悪感。
ふと開いたところを覗き込むと
・・・階段があるぞ・・・?
さっきの態度がウソのようになったがまだ顔が赤いエルが
「地下、ますますあやしいわね。いくでしょ?!」
焦るとこじゃないと思うのだが、2人が無事かも気になるし。
「まて・・2人が合流してから・・・」
エルはいつものように鼻息をふん!と鳴らした
「まってらんないわよ!こんな状況美味しすぎるでしょ!」
危険すぎるのだがこういう状況だけは脳死してんのかな・・エルって。
1人で行かせるわけにはいかないので、ついていく。
「まてって!迂闊すぎる!!」
地下には牢がいっぱいあった・・・
周囲には手足の自由を奪われた女や子どもが・・
胸糞わりいなこれ。
やっぱこれやべーやつじゃん。
「牢くらい叩っ斬ってやるわよ!!」
「おい、ちょっとまてって!」
なにかが起動した、ガスだ・・・
シュウシュウと吹き出すガス・・明らかにピンク色とか紫のガスが出ている
「なにかわからんガスだ、吸うな!!」
エルは即座にガスを吸わずに引く
「合流してからにしよう、救出は今できる状態じゃなさそうだ。」
オレは制して一回この場を撤退することに決めた。
「とりあえずアドーとクロエ組と合流して出直すしかないかもしれない!」
階段を登り、一旦フタをすることにした。
バタンと割と重い音をたててガスは遮断できたと信じたい。
ーーーーーーーーーーーーーーーー扉の外ーーーーーーーーーーーーーーーー
クロエとアドーが立っていて、視線を追うと・・
神父らしいものが教会出口側のほうに立っていた
「あまり手荒なマネはしたくないのですがね・・大人しくなさい!!」
行け、信者ども!
人間だった姿のものは異形のものへと姿を変える。
「ぐぁぁぁぁぁ!!!」
なんだ・・・これは・・。
人間だったものか?それとも人間の姿にカモフラージュしてたのか?
アドーは何やらなにかを詠唱している
「苦しむとき、もう1度眠りにつける安らぎと、清淨なる世界へ旅立て!!!ターンアンデッド!!!」
全体がまばゆい光で満たされていく・・・。
その光を浴びた一部の人間だったはずの異形のものを全部溶かした。
「命を冒涜・・してるの?これ?」
アドーの拳は強く握られ、ギリギリと音を立てていた。
怯えた様子で神父が
「こ・・・この者らを排除なさい!!!」
入ってきたのは・・・さっきの入口にいた騎士2名と首がない鎧の騎士
「デュラハンロード・・だと?」
原作知識の活きたところだった。
こいつがこんなとこに出てくるとは・・。
原作知識
デュラハンロード
不死族、ターンアンデッド耐性アリ。
ボス属性。
本来はエビルホースという馬に乗っているのだが
最初からこいつのみってオレは初見だな。
ただ、このホープのカラダのオレとこのメンツで・・勝てるのか??
騎士はおそらくもともとはNPCだったはずのものだが戦闘力は未知。
本来殴れないターゲットなわけだからな。
もうこれは原作をはみ出しているのはわかっているが、今後はこういうケースが増えるということか??
神父は逃げるように教会から出ていく。
「あとはまかせる、必ず排除なさい!」
オレは腹から声を出して
「まて!!逃げるな!!!」
そのとおりにするはずがないのだが、つい叫んでしまった。
そもそも、人間と魔物がこんなに協力するのはおかしい。
そんな事を考えるより、まずは戦うべきだな。
ついに初陣ってとこだが
手汗がすごい、喉がカラカラで、心臓が危険とぶつかり合っている音がする。
少し震えているし、深呼吸して平静を保っているも、頭では最悪のケースばかり想像してしまう。怖い。
死ぬかもしれない。
この世界はゲームじゃない、蘇生なんて都合のいいものがあるわけがないのだから・・・。
こんなとこで終わりたくないんだ・・・でも逃げることもできない。
オレに、力を貸してくれ・・みんな。
2度目の幸福は、遠い。
抗え、生きろ、オレ。
初戦闘が次回から始まります。
プロット段階ではこうなるどうなるで短いんですが
実際行動させると長文になりますし自分の場合は特にこういう表現が慣れてない
それでも書くことが楽しいので。




