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真実

赤い傘と手紙を持って帰り、コウジくんと私の家で会った。

「俺の元カノから君宛の手紙?」

コウジくんは手紙を読むと、笑っていた。

「まだ、気づいてない?」

私は濃いアイメイクの彼女の正体が、知りたかった。コウジくんはわかってるみたいだった。

「ねぇ、わかってるなら教えてよ」

「俺と君の出会いって覚えてる?」

「今、そんなこと関係ないじゃん」

私は口を尖らせた。私だけが、わからないんだ。早く教えてほしい。

「いいから、言ってみて」

私はマホとコウジくんと3人で飲みに行ったことを思い出す。

「マホと3人で飲みに行ったとき」

「正解」

コウジくんは大きい二重の目が糸になるくらいまで細めて楽しそうに笑った。私は笑えなかった。それが何を意味するのか何もわからない。

「でも実は、俺と君が初めて会ったのはその日じゃないんだよ」

「えっ……何それ?」

ますます頭が混乱した。私は早く真実だけが知りたかった。

「君と初めて会ったのは、君がもう来ないサークルの新歓だよ」

記憶を辿っても、思い出せなかった。彼は話を続ける。

「そこで、俺は君に一目惚れした。そのままなかなか会えなくて、マホの友達だって知って紹介してもらったんだ」

それと濃いアイメイクの彼女となんの共通点があるのか。私の気持ちがわかったように彼は言った。

「マホの髪って何色?」

「黒髪だよ。サラサラで綺麗な」

「マホの好きな色は?」

「赤」

「マホのカラオケ定番曲は?」

「高音が上手な女性シンガーの西尾かな子の曲が多いかな」

私はそれらの質問に答えてハッとした。やっと気がついた。

「もしかして、あの彼女ってマホ?」

「正解!」

コウジくんの満面の笑み。全ての計算が繋がった。濃いアイメイクの彼女と話した後、真っ先に私の変化に気づいたのも、コウジくんと喫茶店で出くわして動揺したのも、名前も連絡先も頑なに教えてくれないのも全部マホだったから。

「ちなみに、マホは元カノじゃないし。あの傘はマホの傘に途中から刺繍しただけだから」

コウジくんはずっと笑っていた。私は体の全ての力が抜けてただ呆然とした。

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