王女のイライラは募る
「どうしてこんな舟なのよー!!」
「さっき言ったじゃん。大きい船で移動なんてしたらすぐに王宮に知らされちゃうよ。」
「だからってこれはないわよ。ていうかどうやって進むの?」
「知らないの?このオールで漕ぐんだよ。」
「し、知ってるわよ。知ってるけど、、、初めて見たー。」
「じゃあ漕いでね。」
「は?私が?」
「せっかくだし。」
「なにがせっかくなのよ。」
「社会勉強のために出てきたんでしょ?」
「どうしてアルがそのこと知ってるのよ?」
「クリスから聞いたんだ。」
「まあ、それしかないけど。」
「じゃあ聞くなよ。」
ピキッ
「ニーナ様、、、。」
「なんなの?!」
「落ち着いてください、ニーナ様っ。」
「落ち着いてなんかいられないわよ。だいたいね、あなた王子なんでしよ。言葉遣いくらい気を付けなさいよ。それに私はネビール王国の王女よ?王族同士なんだからもっと高貴な会話をしなさいよ!!」
「高貴な会話、、、?」
「そんなのどうでもいいのよ!!」
「はあ?」
「今ニーナ様はご自分でも何をおっしゃっているのかわかっていないと思います。」
「ひどいなー、、、。どうすればいい?」
「どうしましょ。とりあえず進みましょうか。漕ぐのは私がやりますから。」
「そうだね。じゃあ2人で漕ごう。」
「はい。」
そのまま私は放っておかれ、その間に私のイライラは治まった。
「アルクス様もダリア国にはよく行かれるのですか?」
「いや、めったに行かないよ。まあ、クラークに誘われた時に行くくらいだな。」
「そうなんですか?ではアルクス様は普段どこに逃亡なさるのですか?」
「逃亡って、人聞き悪いなあ。」
「ああっ。すみませんっっ。」
「ま、全然良いけど。そうだなあ、、、。リューク王国やゼノ王国にはよく行くなあ。あ、逃亡じゃなくて。逃亡だったらナムル王国とかキルハ王国なんかに行くよ。知ってる?」
「あ、はい。両方とも工業が盛んな国ですね。」
「そう。」
「ネビール王国でよく貿易が行われますよ。逃亡でということですが外交ではないのですか?」
「貿易じゃなくて遊びにね。ただ工場の中を見るだけ。」
「ばっちり仕事だと思いますが、、、。」
「あはは、気にしない気にしない。」
「、、、ねえ、あれがダリア国なんじゃない?」
「え?ああ、そう。もう着いたんだ。あっという間だなあ。」
「早くっ!」
「はいはーい。」
アルを急かしたおかげで100メートルくらいあった距離から一気に港に着くことができた。
「あっ!!」
クリスが小さく呟いた。




