変な王子様
あの変わり者の王子が女装をしてニコニコしながらブラックコーヒーを飲んでいる。しかもすぐに私がネビール王国の王女だと見破ってしまった。恐るべし王子。
「それで、王女様が何をしにこの国へ?」
「ここへ来たと言うか国を巡っているのです。」
「なるほど、なんのためにです?」
「「クラークを捜すため」」
「やっぱり。」
「なんなのですか?」
「っていうか俺たち同い年だよね。敬語なんて堅苦しいからやめにしようよ。」
「、、、。それはそうね。」
「それで、どうしてクラークを捜してるの?」
「どうしてって、、、。婚約者だからにきまっているじゃない。」
「でも政略結婚でしょ?クラークは男友達みたいだって言ってたし。」
「そ、そうなの?」
「貴方の話はもう呆れるほど聞かされたよ。会うとまず貴方の話から喋りだすんだ。」
「それで私のことがわかったの?」
「そう。写真も家に置いてあるよ。」
「っ?王子の?」
「クラークがくれた貴方の変顔写真。」
「んなっ!!」
「王女様、、、。」
「もちろんそんな小さいことは気にしないわ。でもクラークったらいろいろな人に私の話をしたり写真を配ったりしているのかしらっ!?」
「どうだろ?でもクラークのことを一番知っているのは俺だと思うな。」
「すごい。言い切ったわね?じゃあ今クラークはどこにいるの?」
「それは最初に言ったでしょ。知らないって。」
「今クラークのことを一番知っているのは俺だって言ったじゃない。」
「それで俺が居場所を当てられたら警備隊はいらないよ。」
「そんな決まり文句要らないわよ。」
「まあまあ。でも行きそうだなって思うところはあるよ。」
「なに?知ってるじゃない。」
「そこにずっといるとは限らないから。通りはするんじゃないかっていうたけだよ。」
「なんだ。」
「ただ、そこの人に聞けば何か手がかりになるんじゃない?」
「それで、どこなの?」
「場所を代えよう。」
「どうして?」
「そろそろ王宮の者が俺を拐いにきちゃうんだ。」
「王子が脱走なんてするからでしょう。」
「だってあんなところにずっといたら息が詰まるでしょ。」
「それはわかるけど。」
「あと、さっきから王子王子ってどうにかしてくれない?」
「だってなんて呼んだらいいのよ。アレンっていうのは即位してからつく名でしょ。」
「王子の時は王子の時で名前はあるんだよ。アルクスっていう名前がね。」
「言いにくいわね。」
「そうかな、、、。じゃあアルでいいよ。クラークもそう呼んでる。」
「わかったわ。私のことはニーナって呼んで。それとこっちはクリスよ。」
「使用人のクリスです。」
「オッケー。クリス、君も大変だね、こんな王女様についてるなんて。」
「こんなってなによ?」
「いいえ。ニーナ様は明るくて楽しいお方ですので。」
「それだけが取り柄みたいだもんな。」
「だからさっきからなんなのよ。私に対して酷い言い様じゃない?」
「そんなことないよ。さあ急いで。」
「あ、待ってよ。お金はっ?」
「はいっ。」
アルは3人分のお金をテーブルの上に置いて早々にお店を出ていった。なぜか私の手を掴んだまま――。そして忘れてはいけない、シャルはきちんとクリスが連れて――。




