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なにか違う王女

今日は安静のために授業はなし。クリスは仕事があるって出ていってしまった。誰もいなくなった自分の部屋を見渡して思った。ほんの2週間で色々なことが変わったな。部屋が全然違う風に変わって、婚約の話を聞いて怒って、迷って、初めての好きって気持ちに気付いて、初めて失恋して――。でも諦めない。初めて好きになったんだもん。どんなことをしても手に入れなくちゃ。いいえ。そもそもクラークは私の婚約者なのよ。取り戻すって言う方が正しいわ。



でも、今思ったんだけど、お母様やお父様になんて言えばいいんだろう。大変、考えてなかったわ。でも、クリスは何も言わなかったからなにか考えがあるのね。ええ、きっとそうだわ。さ、これから何をしようかしら。何も予定がないのも困りものね。


色々と考えて王宮内を散歩することにした。部屋を出ると、

「キャッ」


「あっ、申し訳ありません、王女様。」


「ミルフィ、どうしたの?そんなに慌てて。」


「あ、いえ、ええっと、あの。」


「らしくないわね。落ち着いて?」


「あ、はい。、、、ふう。あの、今実家から手紙がきまして、母が倒れたと。なので今から国王様にお休みをもらえるようにお願いにいくところなのです。」


「そう、それは大変ね。早く戻ってあげてね。」


「はい。ありがとうございます。失礼いたします。」


「ええ。」




私は屋内庭園に行くことにした。屋内庭園はお母様の好きな場所ですごくたくさんのお花が咲いている。


「おや、これはこれは王女様。お珍しいですな。」


「ゼブ、お久しぶりね。私だってたまにはゆっくりお花を見たいと思う時もあるのよ。」


「これは失礼。どうですかな?今はバラ以外にもサツキや、ユリも咲いてきましたよ。」


「ええ。本当にキレイ。ん?どうしたの?」


「いえ、しばらく見ないうちにずいぶんと大人になられたと思いまして。」


「ふふ。そんなことないわ。ゼブもしばらく見ないうちにずいぶんと疲れた顔をするようになったわね。ちゃんと休んでいる?」


「ええ、大丈夫です。年のせいですよ。」


「そんな、まだまだですわ。ゼブのことはお父様もお母様も、もちろん私も頼りにしているのよ。ずっと変わらずこの王宮で、この庭園で、ここに咲いているたくさんのお花と同じように暖かく見守ってくれているんですもの。」


「王女様にそのように言っていただけるなんて、私、先代の王の時より仕えてきて一番嬉しく思います。」


「ふふ。これからも、よろしくね。だから健康第一よ。無理はしないでね。」


「はいっ。」


「じゃあそろそろ失礼するわ。」


「はい。お気を付けて。」





そのあと王宮内をぐるっと歩いているうちに夕食の時間になった。夕食を食べた後部屋に戻ってる途中で前からクリスがすごい勢いで走ってきた。


「クリス、走ってはだめよ。」


「えっ、あ、すみません。」


「どうしたの?」


「それが、私大事なことを忘れていて、、、。」


「なに?あ、とりあえずお部屋に入りましょう?」


「?はい。」




「それで?」


「あの、ニーナ様ですよね?」


「なに言ってるの。私は私よ?」


「えっと、頭でも打ったんですか?」


「どうしてよ。別にいつもとかわらないわよ?」


「色々な人に聞いて、まさかとは思っていたんですが本当に人が変わったみたいです。」


「私はなにも変わっていないわよ。」


「お昼までは確かにいつも通りのニーナ様だったのに、、、。」


「それで、話は?このことではないのでしょう?」


「ああ、そうでした。お昼の話、国王様と王妃様になんと説明すればいいのでしょう?」


「あら、考えてなかったの?」


「すみませんでしたっ!」


「いいのよ。じゃあ一緒に考えましょう?」


「は、はい?」


「どうかした?」


「えっと、いえ、何でもありません。」


「そう。じゃあ、そうね。クリスの実家にいくっていうのはどう?」


「私、実家がないのでここでお世話になっているのですが、、、。」


「ああ、そうだつたわね。さっきミルフィが実家に一度帰ると言っていたからつい。」


「、、、変わったんだか変わってないんだか――。」


「なにか言った?」


「い、いえっ。」


「そう。」


「あっ、これはどうでしょう。社会勉強のために旅に出掛けるというのは。」


「そんな単純なことでいいの?」


「今のニーナ様なら国王様も安心して了承してくださいますよ!!」


「今の私って、、、。」


「普段のニーナ様ではこう言われるのがオチです。『かわいい子には旅をさせよと言うがそうすると、世間に迷惑をかけてしまう、私としては苦労をさせたいところなのだが。』という感じで。」


「あら、クリス。お父様の物まねが上手ね。」


「え、えー!!いつもなら『失礼しちゃう』って言うところじゃないですかっ。」


「だって本当のことだもの。私、そそっかしいから旅先々で色んな人に迷惑をかけてしまうわ。でも、あなたがいるから私は安心しているのよ。」


「嬉しいのですが、とっても違和感があります、、、。」


「でもいいわね。社会勉強のためってことで。」


「いいのですか?」


「ええ、あなたの意見を尊重するわ。」


「は、はあ。」


「さっそく、お父様のところへいってくるわね。」


私が出掛けようとした時



――コンコン



「はい。どうぞ。」


「失礼いたします。」


「ユーリア、どうしたの?」


「王女様。王妃様がお呼びでございます。」


「あら、そうなの?じゃあクリス、先にお母様に話してくるわ。」


「はい。いってらっしゃいませ。」


「ユーリア、私もお母様にお話があったの。すぐに行けるわ。」



ユーリアは少し不思議そうな顔をして、すぐに笑顔に戻って言った。


「かしこまりました。」


そしてクリスと目を合わせて2人揃って首をかしげた。





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