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2-26 勇者に今後の仕事を頼む


「理由はわかったけど、それは俺で良いのか?」

「というと?」

「俺は人間の国で指名手配されているんだぞ? あくまで貴族とかだけではあるけどな」


 ヒョウゴは心配している様子だった。

 まあ、一部の界隈ではあるが、指名手配されているのは事実なのだ。

 それがいつ広がるかもわからない。


「あんまり心配する必要はないと思うよ」

「どうしてだ?」

「君が先代魔王を討伐したのは事実だろう。そんな人物が国家反逆罪になるようなことをしって話を全員が信じられるわけがない。国としても情報を広げづらいんじゃないかな」

「ふむ」


 僕の説明を聞いて、ヒョウゴは少し考える。

 多少は理解してくれているようだ。

 あくまで推測ではあるが、ネームバリューが彼自身を守っているのだ。


「その状況を利用して、こっそりと味方を増やすべきだと思うんだ。万が一、国が君の指名手配の情報を広げても、捕まえられないようにね」

「一般の民たちを味方にするわけか。だが、魔王と行動したら、国家反逆罪を肯定することにならないか?」

「そうならないために、僕は先代とは違って良い魔王になるつもりだよ」

「良い魔王?」


 変な言葉だったのだろう、ヒョウゴは聞き返してきた。

 魔王=悪者というイメージがあるだろうから、たしかにおかしな感じはする。


「簡単に言うと、人間に危害を加えないことかな。あと、友好的に交流もしたいな」

「具体的には?」

「そこまでは流石に考えられてないよ。君の事情を聞いて、思いついたことなんだから」

「それはそうか。ごめん」


 思いつきなので、具体的なことは思いついていない。

 だが、彼の安全のために人間との交流は必須だろう。

 一部の人間と仲良くすることによって、いざ指名手配の情報が拡大したときにこちらの味方を増やすべきなのだ。


「あと、僕自身が出るわけにもいかないんだよね」

「魔王だから仕方がないか」

「いや、そういうわけじゃなくて、僕って魔王城から出られないんだよ」

「なんで?」


 ヒョウゴが怪訝そうな表情になる。

 まあ、初めてこの話を聞いたら、仕方がないだろう。

 とりあえず、事情を説明する。


「僕の魔法は自分の支配する【領域】を色々と変化させる。自由自在に変化させる反面、その領域から出られないんだよ」

「そんなことがあるのか?」

「信じられないのはわかるけど、実際にそうなっているんだから信じてもらうしかないよ。召喚される前は引きこもりだったから、そのせいかも」

「引きこもりだったのか・・・・・・まあ、こんなことで嘘つく必要はないか」


 彼は納得してくれた。

 もっと疑われるかと思ったが、意外とあっさり信じてもらえて良かった。



「現状、魔王城内しか動けなくて・・・・・・あれ?」

「どうした?」

「【領域】が増えている。あと、隣の赤くなっているのはなんだろう?」


 画面を確認すると、領域が明らかに増えていた。

 今までは魔王城内しかなかったのに、外の情報も追加されていた。

 魔王城を中心にそこそこ広い範囲の情報を得られていた。

 だが、それよりも気になるのが、支配している領域が緑っぽくなっているのに対し、とある場所から赤くなっていることについてだ。

 今までにはなかった情報である。


「支配できていない、って意味じゃないのか? その場所から人間の地域になっている、とか?」

「ああ、そういうことか」


 ヒョウゴの指摘に納得する。

 地図が広がったから、情報も更新されたのだろう。







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