表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
41/67

2-16 勇者が魔王城に襲撃する


(バンッ)

「魔王様っ!」


 勢いよく扉が開かれ、慌てた誰かが入ってきた。

 この前のメイドだった。


「貴女、ここは玉座の間よ。魔王様に失礼──」

「緊急事態です。勇者が現れました」

「っ⁉」


 アズサさんが注意しようとしたが、メイドの発言にこの場は緊迫に包まれる。

 まさかの急展開に頭が回らなかった。


(ダッ)

「あっ⁉」


 僕が反応できていない間にアズサさんが飛び出していった。

 彼女は勇者に恨みがあるという話だった。

 それを晴らすべく、迎撃に向かったのだろう。


「イスティさん」

「はい、どうぞ」


 同じ部屋にいたイスティさんに声を掛ける。

 僕の言いたいことがわかっていたのか、彼女はゴーグルを手渡してくれた。


「勇者は現在どこにいる?」

「おそらくまだ入り口付近です。衛兵たちが対処してくれているはずです」

「わかった」


 メイドから状況を聞き、ゴーグルを着けて魔力を流す。

 入り口あたりに置かれてある水晶につなぐ。


「っ⁉」


 映された光景に言葉を失う。

 城勤めの衛兵達が全員倒れていた。

 命までは取られていないようだが、すぐには起き上がれない。


「あれ、勇者は?」


 確認するが、そこには倒れている衛兵しかいない。

 襲撃してきたはずの勇者の姿はなかった。


「もうすでに進んでいるのか?」


 画面を切り替えていく。

 イスティさんにゴーグルの説明を聞いて、城中に水晶を配置していた。

 そのおかげで、こうやって様々な場所を見ることができた。


「いた」


 三度画面を切り替えると、ようやく勇者の姿を見つけた。

 すでに玉座の間に近い大広間に到着していた。

 年齢は十代後半、僕とさほど違いはなさそうだ。

 自信たっぷりな雰囲気があり、画面越しにも陽キャであることがわかった。

 だが、目に隈があるのが気になる。

 そのせいで陽キャなのにどこか暗い感じもあった。


(ザッ)


 勇者の姿を確認していると、大広間にアズサさんが現れた。

 彼女の視線は勇者に固定されている。

 明らかに仇を見るような目である。

 彼女の立場なら、それも仕方がない。


『まさか再び相まみえるとはな』

『お? あんたは見たことがあるな』


 アズサさんが声を掛けると、勇者の方も答える。

 どこか余裕がある様子だった。


『貴様のその顔、この1年忘れたことはなかった』

『綺麗な女性にそんなことを言われるのは嬉しいな』


 勇者はニヤリと笑みを浮かべる。

 たしかに言葉だけなら、好意を告げられているようにも聞こえる。

 だが、実際にはその真逆である。


『父上とブルート様の仇、討たせてもらう』


 勇者の軽口に反応せず、アズサさんは刀を構える。

 次の瞬間、彼女の姿が消えた。








作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。

★5でも★1でもつけていただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ