1-3 魔王の才能があると言われても・・・・・・
「そもそも魔王の才能ってなんですか? 別に残虐性とかは持ち合わせていないと・・・・・・思います」
否定しようとしたが、言葉を濁してしまう。
人を傷つける趣味は持ち合わせていないと思うが、心の奥底まではわからなかった。
知らないだけでそういう気持ちがある可能性も否定できない。
そんな僕の反応を見て、スクレさんは優しい笑みを浮かべる。
「安心してください。まだ出会って間もないですが、タケル様にそのような癖がないことはわかっていますよ」
「そうなんですか?」
フォローしてくれているのはありがたいが、初対面の人にわかるものなのだろうか?
「あくまで女性の勘ですけどね」
「勘だったんですね」
確信していたわけではないようだ。
まあ、それでもフォローしてもらえるだけありがたい話である。
「ラストでしたら、はっきり分かっていたんでしょうけど」
「ラストさん?」
知らない名前が出てきた。
一体、誰なのだろうか?
「先程もいた破廉恥な格好の女性ですよ」
「ああ、あの妖艶な」
「彼女はラスト──【色】を司る四天王です」
「四天王ってことは幹部って事ですか。というか、【色】って」
どうやら彼女はかなり偉い人だったようだ。
雰囲気があったので只者ではないと思っていたが・・・・・・
「色欲──つまり、エロいって事です。サキュバスという種族なので、当然なのですが」
「はっきりと言いますね」
オブラートにすら包まれていない言葉にこっちが恥ずかしくなってしまう。
もう少し言い方を考えて欲しい。
「彼女であれば、相手の深層心理にある性癖ですら読み取ることが可能です。そしたら、タケル様に嗜虐性癖がないかどうかもわかります。一度、調べてみますか?」
「いや、良いです」
提案は断らせてもらう。
何が悲しくて、あんな美人なお姉さんに性癖を暴露されないといけないのだろうか。
恥ずかしくて、顔すら見れなくなりそうだ。
「冗談ですよ。ですが、最低限調べることはあります」
「性癖についてですか?」
性癖は調べることになるのかと恐怖した。
ラストさんほどの妖艶さはないが、スクレさんもかなりの美人である。
そんな彼女に調べられたくはない。
「違います。魔王の才能についてです」
「ああ、そういうことか」
元々はそういう話だった。
なんで性癖を調べると思っていたのだろうか。
安心から安堵の息を吐く。
「そろそろかしら」
(ガラガラ)
「お待たせしました」
一人の女性が部屋に入ってきた。
先程、スクレさんに何か頼まれていた眼鏡の女性である。
彼女は水晶のようなものを抱えていた。
「そういえば、紹介がまだでしたね。彼女はイスティトゥート──【知】を司る四天王です」
「彼女も四天王なんですか?」
思わぬ内容に驚きを隠せなかった。
認識が間違ってなければ、四天王は幹部格のはずだ。
とてもではないが、彼女が幹部になるほどの力を持っているとは思えない。
もしかしたら、隠された力があるのか?
「はじめまして──ではなく、二度目ですね。私のことはイスティと呼んでください。えっと・・・・・・」
「タケルです」
「タケル様ですね。ちなみに私自身に戦闘能力はそこまでないです」
「じゃあ、なんで四天王に?」
彼女自身が力が無いことをわかっていた。
ならば、どうして四天王になれたのだろうか?
「私には魔道具や機械を発明する力があります。その力を買われ、【知】の四天王に任命されました」
「なるほど。そういう力もあるわけですね」
説明を聞き、納得できた。
一言で力と言っても、戦闘能力だけではないわけだ。
彼女には評価される力を持っていたわけだ。
それは素晴らしいことである。
「では、さっそく始めましょう。これに手を置いてください」
「なんですか、これ?」
イスティさんが台の上に置いた球体を見て、俺は首を傾げる。
どこからどう見ても、ただの水晶玉である。
「これは魔力測定を行う水晶玉ですね。魔道具の一種です」
「つまり、僕にどの程度の実力があるのかを調べるわけですね」
「そういうことです」
これから何をすべきか理解できた。
言われたとおりに水晶玉に手を置いた。
魔王の才能があると言われ、どんな結果になるのか純粋に興味が湧いたのだ。
(パアアアッ)
「うっ」
「むっ」
「きゃっ」
手を置いた瞬間、水晶からまばゆい光が放たれる。
いきなりの出来事に三人とも目を覆ってしまった。
純粋な力だけが評価すべきとは限らないでしょう。
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