2-13 【力】の四天王から報告を受ける
「さて、報告を聞こうか」
玉座の間につき、スティフと向かい合った。
ここからは仕事の話なので、真剣な表情になる。
「この辺りにある村落を回っていったが、特に問題なく運営されていた。害獣などの被害もなかったよ」
「それなら良かった。食糧事情とかもどうだった?」
「しっかりと食べられているようだ。むしろ、先代魔王様の時代より良いぐらいだ」
「そうなの?」
報告を聞いて、思わず聞き返してしまった。
トップがいなくなったのなら、混乱が起きてもおかしくはない。
食糧事情など大変だと思っていたが・・・・・・
「先代魔王様は武闘派だったから、いろんなところと戦争をしていたんだ。そうなったら、一番被害を被るのは国民だ」
「ああ、なるほど。兵役や食糧の徴収とかだね」
よく考えれば分かる話だった。
武闘派ということは戦うことが大好きなのだ。
そんな人が求めるのは戦う日々であり、その相手を求めるために戦争をしていたのだろう。
その割を食うのは国民だったのだ。
トップが変わったおかげで、そんな日々も終わったわけだが・・・・・・
「そういう意味では今の方が良いわな」
「意外だね」
「何がだ?」
僕の呟きにスティフが反応する。
正直に思ったことを口にする。
「スティフって【力】の四天王でしょ? 武闘派の筆頭格なんだから、戦争を望んでいると思っていたよ」
別に悪い奴だと言っているわけじゃない。
戦うことが好きなら、戦争を求めていると思っただけである。
「まあ、戦うことは嫌いじゃねえよ。けど、戦争は国民を不幸にするから、できる限りしない方が良いと思っているよ」
「そりゃそうだけど、戦場とかに行きたくないの?」
「行きたいとは思えないな。親父が殺されたからか、身内を亡くす気持ちがわかるんだよ」
「・・・・・・そうだよね、ごめん」
理由を聞いて、謝罪の言葉が自然と出る。
悪いことを聞いてしまった。
彼も身内を亡くした一人なのにな。
「別に気にしてねえよ。親父も戦いの中で死ねたんだから、【力】の四天王として満足しただろうよ」
「じゃあ、スティフもそんな考えなの?」
「そうだな。強い奴と戦って命を落とすなら満足するだろうな」
「できる限り死なない努力をしようよ」
戦闘狂なのだろうが、その考えはどうなのだろうか?
やはり命を落とすよりは生きる方が大事だと思う。
だが、それはあくまで僕の考え方である。
彼には彼の考え方があるのだろう。
「ああ、そういえば気になることがあった」
「どうしたの?」
スティフが何か思い出したような反応をする。
一体、どうしたのだろうか?
「人間の街に近いいくつかの村落にも寄ったんだが、まったく情報がなかったんだ」
「情報がない? 何の?」
「勇者だよ。先代魔王様や俺の親父を討伐した勇者だ」
「それの何が問題なの?」
思わず聞き返してしまった。
問題の理由がわからなかった。
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