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2-11 通信機の問題点とは? 2


「とりあえず、城内での問題はこれぐらいですかね」

「城内の?」


 イスティさんの言葉が気になってしまった。

 僕の反応に彼女はさらに話を続ける。


「タケル様の【領域調整】はスティフとの戦闘後に範囲が広がりました。つまり、タケル様の経験によって成長するわけです」

「そういうことだよね」

「つまり、いずれは魔王城の外も【領域調整】の範囲になるわけです。魔族領は魔王の支配下だからです」

「なるほど」


 説明を聞いて、僕は頷いた。

 引きこもりなので、魔王城だけが僕の支配下だと考えていた。

 だが、魔王という立場で考えるのなら、魔族領が支配下であるため領域に組み込まれる可能性もあるだろう。

 その可能性は考えていなかった。


「当然、【領域調整】を使って、色々と良くしていくことになります。ですが、問題点があります」

「問題点?」

「魔王城の外──天井がないということは水晶を吊るせなくなります」

「そういう問題が出てくるのか。じゃあ、台座ではなく、地面に棒をさして水晶を置く場所を作ったらどうかな? 完全ではないけど、下が見えるようにできると思うよ」

「まあ、それが良いでしょうね」


 僕の提案にイスティさんは納得してくれる。

 どうやら良い案だったようだ。


「これも問題なんです」

「通信機が?」


 イスティさんが通信機を示す。

 思わず首を傾げてしまう。

 とても便利な機械だと思うが、一体何が問題なのだろうか?


「この通信機は以前から私が研究していた機械なんです。遠く離れた場所でも会話ができたら便利だろう、って」

「そう思うのが当然だね。話をするためだけにいちいち会いに行くのも面倒だね」


 召喚前は電話があるのが当然だった。

 改めて考えると便利な世の中だったんだな。

 まあ、引きこもりだった僕に電話を使う機会などほとんどなかったけど・・・・・・


「今は隣の部屋なので大丈夫ですが、実際に魔王城の外と連絡を取る際に問題が出てきます」

「どんな問題?」

「この通信機はそれぞれ持っている者の魔力を繋げることで通信を可能にしています。魔力のパスを使って、言葉を繋げているのです」

「なんとなくは理解できたかな。そこから考えられる問題は魔力の消費量かな?」

「その通りです。意外と魔力消費が激しく、城の外になってくると一般的な魔族の魔力量ならすぐに枯渇してしまいます」

「それはまずいね」


 思わずそんな感想を漏らしてしまった。

 便利な反面、使う魔力が段違いのようだ。

 僕やイスティさんなら問題はないのかもしれないが、一般の魔族なら話は別である。

 通信機越しに会話するのが僕たちの場合、イスティさんが魔族領を移動することになる。

 だが、四天王である彼女にそんなことをさせるわけにもいかないので、その役目は一般の魔族に頼むことになる。

 だが、そうなると今度は魔力量の問題が出てくるわけだ。


「というわけで、今はその改善案を考えているところです。ですが、なかなか思い浮かばないんですよね」

「まあ、個人の魔力消費は仕方がないか。どうにか少なくなるようにすべきなんだろうけど」

「遠距離の通信になるとどうしても消費が激しくなりますね」

「難しいなぁ」


 イスティさんの悩みを解決するため、僕もいろいろと考えてみる。

 だが、あまり思いつかない。

 いくら訓練したとしても、魔力に関してはまだまだ素人同然である。

 彼女でも思いつかない解決策が出てくるはずもない。


「まあ、これからも研究を続けていきます。少しでも魔族領の発展が楽になるようにしたいですしね」

「よろしく頼むね」


 僕ができるのは期待することだけである。

 どうにか解決策が見つかれば良いのだけれど・・・・・・







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