1-18 【力】の四天王との戦い 2
戦闘シーン2話目です。
「どこだ?」
スティフの姿が見えず、焦って周囲を見渡す。
だが、すぐに発見できた。
「おらあっ!」
「っ⁉」
頭上にスティフが現れ、金棒を勢いよく振り下ろす。
直前に気づいた俺は身体を投げ出し、ゴロゴロと転がった。
(ドオオオオオオオオンッ)
「なっ⁉」
外れた金棒が床をたたき割る。
いや、そんな表現すら生ぬるい。
大の大人が数人は入れるほどのクレーターができていた。
あんなものが直撃したら、即死どころか肉片も残らないのではないだろうか?
「はははっ! いいねぇ、その表情! 俺のことをもっと恐れやがれ!」
僕の反応に気を良くしたのか、さらに攻撃を加えてくる。
【領域調整】で壁をいくつも作り出すが、急ごしらえの壁では簡単に破壊されてしまう。
(このままじゃ、らちがあかない)
逃げ回っていてもじり貧である。
そう思った俺は床に魔力を流す。
(ヒュッ)
「おっと、危ねえ」
足下から巨大な針が現れたが、スティフはあっさりと受け止める。
死角からの攻撃のはずだったのに、簡単に防がれてしまった。
やはり戦闘の経験値が違うようだ。
だが、元より単発で決まるとは思ってもいない。
さらに【領域調整】を発動させる。
背後から2本の針が襲い掛かる。
(ダンッ)
「だから、甘いって言ってるだろ?」
しかし、それすらあっさりと回避される。
地面を抉るほどの力で跳躍する。
「じゃあ、そろそろ終わりにしようか」
スティフが宣言すると、僕が作り出した壁に足をつける。
壁から壁へと飛び回り、どんどんこちらに接近してくる。
先程、宙にいきなり現れたのはこれが原因のようだ。
相手の邪魔になるようにできる限り大きめの壁を作ったが、逆に足場として使われてしまったようだ。
だが──
「かかった」
「なに?」
僕の発言に怪訝そうな表情を浮かべるスティフ。
明らかに自分が有利だと思っていたからだろう。
たしかに攻めているのは相手である。
だが、この状況を待っていた。
床に手をつけ、魔力を流す。
(スカッ)
「なっ⁉」
足場にしようとした壁に隙間ができ、スティフはうまく跳躍できなかった。
宙に投げ出された彼は自由に動くことはできない。
「ここだっ!」
(ガンッ)
「ぐっ⁉」
天井からせり出した壁がスティフの背中に直撃する。
自由に動けない彼はそのまま地面に叩き落とされる。
しかも、そこは先程彼自身が作り出したクレーターの中心だった。
「てめぇ」
地面に叩き落とされたスティフは怒りの表情でこちらを睨み付ける。
先程まで攻めていたのに邪魔をされたのだから、その反応も至極当然だろう。
だが、これ以上は彼に動いてもらえない。
(ガシイッ)
「なっ⁉」
全身を覆われ、驚きの表情を浮かべる。
【領域調整】で床を変形させ、拘束具にしたのだ。
しかも、床と一体化した状態で魔力もつぎ込んだので、かなりの強度のはずだ。
「こんなもの、すぐに外して・・・・・・力が入らない?」
力尽くで逃げようとするが、壊すことができない。
たしかに【身体強化】をした彼の力は脅威である。
しっかりと魔力を込めたこの拘束具もまともに力を加えられれば壊されるはずだ。
「なんのために両手足を出させていると思う?」
「っ⁉ てめぇ・・・・・・」
状況を理解し、こちらを睨み付けてくる。
僕が拘束しているのは、手首と足首から中心にかけての部分である。
別に魔力が足りないわけではない。
手と足を拘束しないことで、逆に力を入れられないようにするためだ。
壁すら掴めない状況では踏ん張ることもできないのだ。
そうなれば、拘束することもさほど難しくはない。
「これでチェックメイトだね」
「く・・・・・・」
僕は真正面から近づき、【領域調整】で作り出した針をスティフの喉元に突きつけた。
悔しげな表情で彼はこちらを見ていた。
筋肉については作者の想像です。
とりあえず、踏ん張りがきかなかったら力が入らないと思うので書きました。
鍛えていたら、話は変わるのかな?
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