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1-16 四天王同士の確執が・・・・・・


「おい、スティフ。何を言っているんだ!」


 アズサさんがスティフを問い詰める。

 賛成してくれていたが、まさか彼女がそんな行動をするとは思っていなかった。


「文句があるから言って何が悪い。実際、あいつが魔王をやれるとは思えねえよ」

「だが、あの二人が認めているんだぞ。それだけで十分だろう」

「あいつがやるぐらいだったら、俺が魔王をやった方がマシだよ。いや、俺がやるべきだ」

「お前っ! なんてことを・・・・・・」


 スティフの発言にアズサさんは驚愕の表情を浮かべる。

 まあ、反逆の意志を示したのだ。

 当然の反応である。

 他の四天王達も同様・・・・・・かと思ったら、そこまで反応はしていなかった。

 おそらくこうなることはわかっていたのだろう。


「魔王には力が必要だ。だったら、【力】の四天王である俺が適任だろうよ」

「お前には力しかないだろう。しかも、四天王になってまだ1年にも満たない新米のくせに」


 まだ彼は新人だったのか。

 たしかに若そうな雰囲気があったが、実際に若かったようだ。

 アズサさんと並んだらガタイが良いので年上に見えたが、実際は彼女の方が四天王として先輩のようだ。


「力があれば、仲間達を守ることができる。勇者の糞野郎が襲撃してきても、倒すことができるんだ」

「勇者を甘く見過ぎている。お前程度では・・・・・・」

「黙れ。勇者に敗北したくせに、未だに四天王の座にいる恥知らずがっ!」

「っ⁉」


 スティフの暴言に目を見開くアズサさん。

 そんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。

 反論できない彼女にスティフはさらに暴言を続ける。


「俺の親父は勇者と戦って命を落とした。だが、あんたはどうだ? 勇者に負けたくせに大して怪我もしていない。その上、未だに四天王の座に居座っているなんて、俺だったらできないな」

「・・・・・・」


 何も言えないアズサさん。

 おそらく内容は事実なのだろう。


「スティフの父親って?」

「先代【力】の四天王です。屈強なオーガの戦士であり、魔力による【身体強化】で近接戦闘を行う戦士でした」

「先代だったのか。そして、戦闘スタイルとしては同じなのかな?」

「そうですね。そして、息子とは違って人格者であり、部下だけではなく他種族からも人気だったようです」

「そこは違うんだね」


 スクレさんの説明でスティフの父親が素晴らしい人物なのが理解できた。

 おそらく彼も尊敬していたのだろう。

 だからこそ、父親が死んだことに固執しているわけだ。


(ダッ)

「あっ、アズサ」


 その場から逃げ出すように駆け出すアズサ。

 目から涙がこぼれていた。

 ラストが彼女を追いかけていく。


「・・・・・・ふんっ、情けない」


 逃げ出す彼女に悪態をつくスティフ。

 追いかける素振りはまったくなかった。


「二人とも、アズサさんのことを頼めるかな?」

「わかりました」

「タケル様はどうされるのですか?」


 僕の頼みにイスティさんは承諾し、スクレさんが質問してきた。

 この状況で僕ができることは一つだろう。


「悪さをした子供は躾けないといけないだろう?」


 僕はニヤリと笑みを浮かべた。

 だが、その心の奥では怒りの感情が渦巻いていた。







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