1-13 【領域調整】を発動させたが・・・・・・
「第二段階は魔力の集中です」
「そういえば、さっきそんなことを言ってましたね」
言葉の意味が理解できるが、方法はまだわからない。
どうやってやるのだろうか?
「流れている魔力を感じることができますよね」
「はい」
「流れている魔力を集中させたい場所に向けてください」
「集中させたい場所か」
説明を聞いて、少し考えてみる。
やっぱり魔法を使うのなら、手からのイメージがある。
しかし、流れている魔力を集中させる場所に向ける方法がわからない。
とりあえず、筋肉を動かすみたいに・・・・・・
「お?」
魔力の流れが変わったのがわかった。
流石に筋肉で動いたわけではないようだ。
「どうやらできたみたいですね」
「はい」
「では、このまま第三段階にいきましょう。自分が起こしたい現象を想像してください」
「もうですかっ⁉ 起こしたい現象を想像か・・・・・・」
急展開に驚愕するが、すぐに切り替える。
元々、どのような目的だっただろうか?
たしか、画面を通さずに【領域調整】を発動させることだったはずだ。
あの箱を動かそうとしたんだったな。
つまり、箱に意識を向ければ──
(スッ)
「おっ⁉」
箱が浮かび上がり、嬉しげな声が漏れた。
僕と箱の間に何か繋がりを感じた。
「どうやら成功したみたいですね」
「はい」
「では、そのまま箱を動かしてください。壁を越えてね」
「わかりました」
言われた通りに箱を移動させる。
先程とは違い、自分の思い通りに動かすことができた。
「よし・・・・・・(ガクッ)あれ?」
うまく出来たと思った矢先、その場にへたり込んでしまった。
足に力が入らない。
一体、どういうことだ?
「魔力の消耗による一時的な倦怠感でしょうね」
「だから、力が入らないんですね」
こんなことが起こるとは思わなかった。
まあ、自分のエネルギーを消費するわけだから、おかしな話ではないか。
「しかし、少しおかしいですね」
「何がですか?」
「タケル様の魔力量であれば、倦怠感が起こるほどの消耗ではないはずなんです」
「でも、力が入らないんですけど?」
僕の言葉を聞き、イスティさんは考え込む。
僕を見たあと、動かした箱を見つめる。
「なるほど」
「何か分かったんですか?」
「思ったより魔力の消費量が多かったみたいですね。箱の方にかなりの魔力が残っています」
「魔力の使い方に無駄がある感じですか」
思ったよりも魔力を消費していたようだ。
だから、こんなに身体がだるいのか。
しかし、どれぐらい消費したのだろうか?
「そうですね。これだけの魔力があれば、私なら山一つ吹き飛ばせますね」
「はい?」
想像以上の消費量だった。
というか、気になることがさらにでてきた。
「山を吹き飛ばせるんですか?」
「これでも四天王ですよ? 戦闘はそこまで得意ではないですけど、その程度なら可能です」
「山を吹き飛ばすのがその程度扱いか」
想像以上に四天王が凄まじかった。
研究者がこのレベルであれば、他の四天王はもっと凄いのだろう。
そんな人たちの上に立てるのか不安になってしまった。
「おそらくですけど、箱との魔力パスに無駄があるのでしょう」
「魔力パス?」
知らない言葉がでてきた。
首を傾げると、イスティさんが話を進める。
「簡単に言うと、魔力の繋がりです。先程、動かすために箱と魔力で繋がったのがわかったでしょう?」
「そうですね」
「ですが、空間を通してつながったせいで、魔力のロスがかなり出てしまったようです」
「直接繋がっていないから、消耗が激しかったのか」
説明を聞いて、状況を理解できた。
しかし、この距離で魔法を使うだけでこれだけ消耗するとは予想外だった。
思ったより使い勝手は悪いかもしれない。
直接繋がっていないだけで消耗が激しくなるなんて・・・・・・ん?
(スッ)
地面に手をつけ、魔力を集中させる。
そして、起こしたい現象を思い浮かべる。
(ガガガッ)
「よし」
床に敷き詰められた石畳が動き、人が入れるぐらいの穴ができた。
今回は思ったよりも消耗は少ない。
直接繋がっていれば、ここまで楽に発動できるようだ。
「え?」
いきなり起こった出来事にイスティさんは目を丸くしていた。
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