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魔法をレベルアップさせるためには? (改訂済み)

R8/7/5 改訂済み


 初めての出来事だったが、僕は自然と画面を開いた。

 なぜかそこにあると思ったのだ。


『【領域操作レギオンマネージメント】のレベルアップに伴い、支配領域が追加されました』

『追加された領域:【廊下(玉座の間)】』


「ん?」


 画面にはそんなメッセージが届いていた。

 いきなりの内容に頭がついてこなかった。


「どうかされましたか?」


 イスティさんが話しかけてくる。

 僕の反応を見て、心配してくれたのだろう。


「【領域操作レギオンマネージメント】がレベルアップしたので、支配している【領域】が増えたみたいです」

「・・・・・・魔法を使用することで練度が高まったわけですね」


 あっさりと理解してくれる。

 おそらく初めての出来事だろうが、それでも拙い説明と少ない情報から答えを導き出してくれる。

 やはり彼女は頭が良い。


「つくづく規格外の魔法ですね」

「規格外とは?」


 なぜか呆れたような反応をされる。

 予想外の言葉に思わず聞き返してしまった。


「レベルアップの情報はどこで知りましたか?」

「え? 【領域操作レギオンマネージメント】の画面ですけど?」


 質問にあっさりと答える。

 別に隠すようなことでもない。


「私たちの使う魔法にその画面は存在しません」

「そうでしたね」

「そもそもレベルアップの概念もないですね」

「そうなんですか?」


 思わず驚きの声を漏らしてしまう。

 レベルアップの通知が来たので、てっきり他の人も同じだと思っていた。


「私も初めて聞いたわね」


 スクレさんも同じような反応だった。

 二人して僕を謀ろうとしているわけではないようだ。

 そもそも彼女達がそんなことをする理由はない。


「魔法の練度という言葉は存在しますが、あくまで体感の話です。訓練を続けることで使う魔法が増えたり、強くなることを示しています」

「具体的な指標があるわけじゃないんですね」


 具体的な指標がないのであれば、レベルアップの概念がないのも仕方がないだろう。

 レベルという具体的な数値で表わされるのなら、既に指標があるのだから・・・・・・


「しかし、どうして僕の魔法だけこんなことが起こるんでしょうか?」


 純粋な疑問が頭をよぎる。

 あまりにも他の人の魔法と違いすぎる。

 本当に魔法なのかすら心配になってしまう。


「まあ、異世界から召喚された影響でしょうか?」

「今まで異世界から来た人で同じ事があったんですか?」

「私は聞いたことはありませんね。ですが、あり得ない話ではないと思います」

「そういうものですか」


 答えは得られなかったが、ないと言い切ることはできない。

 何事も【ない】と証明することの方が難しいとは聞いたことがある。

 知らないだけで、どこかにある可能性もあるからだ。

 現にここにあるのだから、他にあってもおかしくはない。


「それで増えた領域はどちらですか?」

「【廊下(玉座の間)】ですね」

「それだけですか?」

「はい」

「「・・・・・・」」


 二人はなんとも言えない表情を浮かべる。

 それだけで彼女達が何を言いたいのかわかってしまう。


「すみません」

「いや、謝らないでください。そもそも【領域】という概念の関係でそこまで増えなかった可能性があります」

「というと?」


 謝罪すると、イスティさんが弁明をする。

 一体、どういうことだろうか?


「本来、魔法は使用者と対象の魔力のパスを繋いて発動します。練度を上げることでその対象の数を増やすこともデキます」

「そうですね」

「ですが、タケル様の【領域操作レギオンマネージメント】は支配している【領域】全体が対象となっています。だからこそ、普通の魔法とは違って、一つの対象の比重が重くなっているんです」

「その比重が重いから、レベルアップしてもそこまで支配領域が広がらなかったと?」

「おそらくそうでしょう」

「なるほど」


 彼女の説明に納得することができた。

 たしかに僕の【領域操作レギオンマネージメント】は普通の魔法とは違う。

 そもそもレベルアップの時点で他と違っているし・・・・・・


「訓練によるレベルアップですので、そこまで大きくはなかったのも原因だと思います」

「つまり、実践だともっと大きなレベルアップができるわけですね」

「その通りです。実際に訓練よりも実践で魔法を使うことでより簡単に練度を高めることができます。まあ、危険もその分高まりますが・・・・・・」

「そうでしょうね。そもそもこの魔法は実践で使えるんですか?」

「・・・・・・」


 イスティさんは黙って視線を逸らす。

 スクレさんも同様だった。

 だが、彼女達の反応は当たり前である。

 支配している【領域】を自在にできる魔法はたしかに凄いが、戦闘で使えるかは又別の話である。

 つまり、実践には向いていないのだ。







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