1-12 魔法を使うために魔力の扱いを学ぶ
「しかし、想像力か・・・・・・イマイチわからないな」
説明に納得したが、だからといってできるとは思えなかった。
頭の中で考えるだけかと思ったが、それで魔法が発動できないだろう。
そんなことをすれば、何かを考えるだけで魔法が発動してしまう。
「タケル様はすでに使っていますよ」
「え?」
だが、イスティさんはあっさりと告げる。
その言葉に驚きを隠せなかった。
何故、僕がすでに使っているとはどういうことだろうか?
「【領域調整】の画面ですよ。あの画面は想像力の代わりとなっています。あの画面を通して魔力を変化させ、【領域調整】を発動させたんです」
「そういうことか」
彼女の説明でようやく理解できた。
僕はすでに【領域調整】を発動できており、想像力に関しては問題ない。
それを画面越しではなく、直接できるようになればいいわけだ。
「とりあえず、何事も訓練が大事です。繰り返しやりましょう」
「そうだね」
身につけるために繰り返しの練習が必要なのは理解している。
否定する理由はない。
「では、魔力を集中させてください」
「えっと・・・・・・それって、どうやるんですか?」
いきなり躓いてしまった。
イスティさんは一瞬驚いたが、すぐに納得してくれる。
「そういえば、タケル様は魔法のない世界からやってきたんですよね。当然、魔力の操作も難しいわけですね」
「そういうことだね」
「では、まずは魔力の循環を感じましょう」
「魔力の循環?」
聞き慣れない言葉に首を傾げる。
言葉の意味は理解できるが、どんな内容かはわからなかった。
「魔力は体内で精製され、全身を循環しています。魔法を使うときに循環する魔力を集中させるんです。つまり、魔力の循環と集中ができないと魔法を発動させられません」
「そうだったんだ。でも、僕は画面越しだけど魔法を発動させたよね?」
昨日の時点で僕は【領域調整】を使っていた。
当然、魔力の循環と集中など知らなかった。
それなのに、どうして使えたのだろうか?
「簡単に言うと、その画面が媒体となったのです」
「媒体?」
「魔法を使う者の多くは杖を持っています。杖を媒体とすることで魔法を使いやすくしているのです」
「つまり、画面がその役割を担っているわけか」
「そういうことです。画面を操作することによって、タケル様の魔力を【領域調整】に変化させたのです」
「なるほど」
より簡単な方法を使っていたようだ。
だからこそ、【領域調整】ができていたんだな。
だが、これから画面を介さない方法を身につけないといけない。
より難易度が高くなるわけだ。
「とりあえず、両手を開いて前に出してください」
「こう?」
言われたとおりに両手を前に出す。
一体、何をするのだろうか?
(ギュッ)
「ひゃっ⁉」
いきなり手を握られ、悲鳴を上げてしまった。
まさか女性から手を握られるとは思っていなかった。
そんな僕を見て、イスティさんはクスクスと笑う。
「可愛らしいですね。生娘みたいです」
「生娘って・・・・・・僕は男ですよ?」
「中性的な見た目ですから、間違われてもおかしくないですよ」
「うぐっ」
気にしていることを指摘され、言葉を詰まらせる。
僕に男らしさは無縁なものなのだ。
欲しいものだが、諦めるしかなかった。
「では、魔力を流しますよ」
「はい」
イスティさんの言葉に僕は頷く。
少しして、彼女の手から何かが流れてくるのを感じた。
そこまで多くはないが、それでもわかるぐらいの量である。
手から腕、胸と流れていき、そこから上下に広がっていく。
全体に広がった後、再び中心に戻っていくのを感じた。
「これが魔力の循環か」
思わず呟いてしまった。
たしかに循環をしている。
「感じ取れたようですね。これで第一段階は終了です」
「第一段階?」
予想外の言葉に首を傾げる。
魔力の循環を感じるだけではないのだろうか?
「これはあくまで初歩です。魔法を使うためにはさらに高レベルの技術が必要なんですよ」
「なるほど」
訓練はまだ始まったばかりのようだ。
作者のやる気につながるので、読んでくださった方は是非とも評価やブックマークをお願いします。
★5でも★1でもつけていただけると幸いです。




