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45歳社長、転生先でハズレスキル「綻びの目」を武器に没落領地を再建する  作者: アカメノコバチ
第21章 リオン・ハル男爵

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第640話 止まらない発想

新連載もよろしくお願いします!

『平民出身の転生執事、最強王女を育成する』という作品です。

お手すきの際に是非!

https://ncode.syosetu.com/n5173mx/1からご覧いただけます。

 翌朝。


 アルフレッド殿下とセリカさんが、王都へ帰ることになった。


 俺とミラ、ガイル、ナディアは、屋敷の玄関前で二人を見送った。


「リオン。色々とありがとう。とても有意義な時間だったよ」


「こちらこそ、ありがとうございました」


「港の件については、エドガーにも連絡しておくね。王宮の測量資料も、追加で送らせるつもりだよ」


「助かります。こちらも早速検討を始めたいと思います」


 アルフレッド殿下が微笑んだ。


「ははっ。君なら、もう何か考え始めているんじゃないかな?」


「実は、少しだけ」


「やっぱりね」


 殿下が楽しそうに笑った。


 その隣では、セリカさんがミラと話していた。


「ミラ様。昨日は楽しい時間をありがとうございました」


「こちらこそ、ありがとうございました。セリカ殿下」


「四か月後の式典で、またお会いできるのを楽しみにしていますね」


「はい。私も楽しみにしております」


 ミラが一礼する。


 ナディアも二人に別れの挨拶をした。


 やがて、王家の紋章が描かれた馬車がゆっくりと動き始めた。


「リオン。また会おう!」


「はい!お気をつけて!」


 俺たちは、馬車が見えなくなるまで見送った。


 ……さて。


 港か……。


 まずは、どこに造るのがよいか考えないと。


 ◇


 昼食の時間。


 俺はミラ、ガイル、ナディアと一緒に食卓を囲んでいた。


 目の前には、パンとスープ、それに肉料理が並んでいる。


 でも、俺の意識はテーブルの端に置いた一枚の地図へ向いていた。


 王宮から受け取った、レコア川の測量資料だ。


 そこには、川幅や水深、流れの速さなどが記録されている。


 アルフレッド殿下から港の建設を相談されて以来、ずっと気になっていたんだ。


「……うーん」


「リオン?」


 ミラが声をかけてきた。


「うん?」


「スープ、冷めちゃうよ?」


「あっ。そうだね」


 俺は慌ててスープを口に運んだ。


 ……うん。おいしい。


 美味しいと言えば港の事業。


 俺はもう一度、地図へ目を落とした。


 王都の南を流れるシーン川。


 そこからレコア川が西へ分かれ、エドガーの王家直轄領を通っている。


 そして、この領の東端まで来ると、南へ大きく向きを変える。


 ……この場所だ。


 俺は、川が曲がる地点を指でなぞった。


「リオン、何を見てるんだ?」


 ガイルが尋ねてきた。


「昨日、アルフレッド殿下からいただいた資料だよ。港をどこに造るのがいいか考えてるんだ」


「もう考えてるのか!」


「うん。せっかく王宮が協力してくれるんだから、早めに準備を進めたいと思って」


 ガイルが地図を覗き込んだ。


「港を造るなら、川沿いだよな?」


「そうだね」


「じゃあ、ここの広い場所でいいんじゃないか?」


 ガイルが指さしたのは、レコア川が南へ曲がる辺りだった。


 ……あっ。


「実は、俺もそこが気になってたんだ!」


「そうなのか?」


「うん。エドガーの領地から流れてきた川が、ちょうどハル領の東端で南に曲がるだろ?」


「ああ」


「その辺りに港を造れたら、王都側からも、南の領地からも船が来られると思うんだ」


「なるほどな!」


 ガイルが頷く。


「でも、まだ候補地の一つだよ」


「どうしてだ?」


「川が曲がる場所は、岸によって流れの速さが違うことがあるんだ。それに、土砂がたまりやすい場所もあると思う」


「そうなのか?」


「うん。船を安全に着けられる場所かどうか、実際に調べないとね」


 港は、一度造ったら簡単には動かせない。


 将来、大きくする可能性もあるし、できるだけよい場所を選びたい。


「それなら、曲がり角の少し手前や、その先も調べた方がよさそうだな!」


「そうだね!」


 ガイルも、なかなかいいことを言うじゃないか。


「リオンさん」


 今度はナディアが声をかけてきた。


「何?」


「船の大きさは、もう考えているんですか?」


「ううん。まだこれからだよ」


 俺は資料を一枚めくった。


「王都から海まで船を通すなら、途中の川幅や水深を全部考えないといけないんだ」


「そうですね」


 俺は地図に印をつけた。


 水深が比較的浅い場所。


 流れが速い場所。


 川幅が狭くなっている場所。


 王宮の資料には、すでにかなりの情報がそろっている。


 でも、季節によって水位が変わることも考えなければならない。


「船の底が深すぎると、浅いところで川底に当たってしまいますね」


「そうなんだ」


「ラグナ河でも、船の種類によって航行する場所が違うと聞いたことがあります」


「へえ。そうなんだね」


「はい。大きな船が通れない場所では、小さな船に荷物を積み替えることもあるそうです」


「なるほど……」


 ナディアの言葉を聞いて、俺は少し考えた。


 最初から大きな船にこだわる必要はないのかもしれない。


 まずは川の条件に合った船を使う。


 実際に運航して、どのくらいの荷物を運べるか確かめる。


 ……うん。


 その方が現実的だな。


「ありがとう、ナディア。参考になったよ!」


「いえ。お役に立てたなら嬉しいです」


 ナディアが微笑んだ。


 ◇


 昼食を終えると、俺は食卓を片づけてもらい、代わりに紙とペンを持ってきた。


 王宮からの資料を見ながら、港の候補地をいくつか書き出していく。


 まず、川が南へ曲がる場所。


 それから、その少し上流。


 さらに、下流側にも候補がないか調べたい。


 ……ああ、そうだ。


 港の近くに、倉庫を建てる土地も必要だ。


 領都へ通じる道路はどうしよう?


 将来的には鉄道を延ばしたいから、線路を敷く場所も確保しておきたい。


 俺は地図の余白に、思いついたことを書き込んでいった。


 すると。


「……あれ?」


 俺は手を止めた。


 レコア川の問題は、船を上流へ戻すのに時間がかかることだったよな。


 昨日、アルフレッド殿下にも話したけど……。


 蒸気機関を船に載せられたら、どうだろう?


 船の左右に大きな水車のようなものを取りつけて、蒸気機関の力で回転させる。


 そうすれば、川の流れに逆らって進むこともできるかもしれない。


 ……うん。


 これは、ぜひ検討してみたい。


 俺は新しい紙を取り出した。


 船体を横から見た簡単な絵を描く。


 その中央に蒸気機関。


 左右には、外輪と呼ばれる大きな水車のようなものを配置する。


「……機関が重くなるから、船体の大きさも考えないとな」


 それに、石炭と水を積む場所も必要だ。


 浅い川を航行するなら、船底をできるだけ浅くしたい。


 ……難しそうだな。


 でも、実現できたら面白いぞ。


「……あっ」


 俺は、もう一つの可能性に気づいた。


 港で使う機械だ。


 例えば、クレーン。


 大量の荷物を船から降ろすとき、毎回人の手だけで運ぶのは大変だ。


 蒸気機関の力を使って、重い荷物を吊り上げられないだろうか?


 俺は、さっき描いた船の隣に、新しい絵を書き始めた。


 高い柱。


 そこから伸びる腕。


 先端から吊り下がった綱。


 蒸気機関の回転を利用して綱を巻き取れば、重い荷物を持ち上げられるかもしれない。


 ……これは、港だけじゃなくて建設工事にも使えそうだな。


 大きな石材や、建物の骨組みを持ち上げることだってできるかもしれない。


 それに……。


「……ショベルカーみたいなのも造れないかな?」


 俺は、小さく呟いた。


 前世で見た、大きな工事用の機械を思い浮かべる。


 長い腕の先に、土をすくうための大きな容器がついている。


 あれを蒸気機関で動かせたら、土を掘る作業がずいぶん楽になるはずだ。


 もちろん、今の技術でいきなり造れるとは思わない。


 でも、クレーンと同じように、綱を巻き取る仕組みを応用できないかな?


 ……あ。


 それができたら、鉄道の建設にも使えるな。


 線路を敷くには、土地をならしたり、土を掘ったりする必要がある。


 蒸気ショベルがあれば、その作業を早く進められるかもしれない。


 ……なるほど。


 港のために考え始めた機械が、鉄道の建設にも役立つんだな。


 俺は、思いついたことを忘れないうちに書き留めた。


「……うーん」


 俺は、さらに考えた。


 蒸気機関は、回転する力を生み出せる。


 つまり、車輪を回すことだけが使い道じゃない。


 綱を巻き取ることもできるし、ポンプを動かすこともできるはずだ。


 ……ポンプ?


「……あれ?」


 俺は顔を上げた。


 水をくみ上げるポンプが造れたら、畑仕事にも使えるんじゃないか?


 川やため池から水をくみ上げて、農地へ送る。


 水路だけでは水を届けにくい場所にも、安定して水を供給できるかもしれない。


 それに、収穫した穀物を脱穀する機械にも、蒸気機関の力を使えそうだ。


 ……待てよ。


 畑を耕す作業にも応用できないかな?


 前世には、蒸気機関を使った農業機械があったはずだ。


 すぐに動く機械を造るのは難しいだろうけど、何か方法があるかもしれない。


「……これも考えてみよう」


 俺は、さらに紙を取り出した。


 蒸気船。


 クレーン。


 ショベル。


 揚水ポンプ。


 脱穀機。


 気づけば、紙の上には次々と新しい機械の名前が並んでいた。


 ……おお。


 蒸気機関って、本当にいろいろなことに使えるんだな。


「……でも、問題もあるな」


 俺はペンを止めた。


 蒸気機関を使う機械が増えれば、石炭の消費量も増える。


 当然、煙や煤も増えるだろう。


 今は試験場で限られた数の機関を動かしているだけだ。


 でも、将来、工場や港、農業の現場で何台も動かすことになったら……。


 周囲の住民の健康や、自然環境への影響が心配だ。


 ……やっぱり、公害対策は早めに進めたい。


 俺は、紙の上に「アノー山の苔」と書いた。


 あの苔には、有害物質を吸収する可能性がある。


 ヴァイスさんにも研究してもらっているところだ。


 例えば、煙に含まれる煤を先に集めて、そのあと苔を利用して有害物質を取り除けないだろうか。


 ……そういえば。


 苔を紙に練り込んで、フィルターのように使う方法も考えられるな。


 もちろん、熱い煙をそのまま通したら、紙が燃えてしまうかもしれない。


 先に排気を冷やす仕組みが必要だろう。


 それに、苔が吸収できる物質や量も調べなければならない。


 使い終わったフィルターをどう処分するかも問題だ。


 ……うーん。


 考えることがたくさんあるな。


 でも、一つずつ実験すれば、何かわかるかもしれない。


 ……そうだ。


 煙から煤を集める方法と、苔で有害物質を除去する方法は、別々に試した方がよさそうだ。


 俺は紙に大きく書き込んだ。


『蒸気機関の公害対策――ヴァイスさんと相談』


 まずは、これだな。


 ◇


「……なあ、ナディア」


「はい?」


 ガイルが、小さな声で話しかけた。


「リオン、さっきから何をしてるんだ?」


「さあ……。最初は港の場所を考えていたはずなんですけど」


 ナディアが微笑んだ。


「今は、何か機械の絵を描いているみたいですね」


「……そうだよな」


 ガイルが俺の方を見る。


「おい、リオン!」


「うん?何?」


「ずいぶん楽しそうじゃないか!」


「そうかな?」


「ああ!さっきから一人で何か喋ってるぞ!」


「……」


 そういえば、声に出してたかもしれない。


「ごめん。ちょっと考え事をしてたんだ」


「はっはっは!相変わらずだな!」


 ガイルが笑った。


 ナディアも、楽しそうにこちらを見ている。


「リオンさんらしいですね」


「……そう?」


「はい。学院にいた頃も、何か思いつくと夢中になっていましたから」



 そんなに変わってないのかな。


 すると、ミラが口を開いた。


「でも、いつもこうなんだよ」


「そうなのか?」


 ガイルが尋ねる。


「うん。リオンって、何か新しいことを思いつくと、ずっと考えてるの」


「へえ!」


「それで、紙にいろいろ書き始めるでしょ?」


 ミラが俺の前にある紙を指さした。


「考えがまとまると、今度はルッツさんやヴァイスさんのところへ行くんだよ」


 ……あっ。


 確かに、そのとおりだ。


「ふふっ。何だか、目に浮かびますね」


 ナディアが笑った。


「でしょ?」


「リオンさん、本当に楽しそうですもの」


「うん。こういうときは、何を言ってもなかなか止まらないんだよ」


「……ミラ」


「ふふっ。本当のことでしょ?」


 ……うーん。


 反論できないな。


「よし!」


 ガイルが立ち上がった。


「俺はそろそろ騎士団の訓練に行ってくるぞ!」


「うん。いってらっしゃい」


 俺は顔を上げて答えた。


 すると、ガイルが笑った。


「おいおい、リオン!ちゃんと聞いてるのか?」


「聞いてるよ!」


「本当か?」


「もちろん!騎士団の訓練でしょ?」


「はっはっは!ちゃんと聞いてたか!」


 ガイルは豪快に笑うと、ナディアの方を見た。


「じゃあ、行ってくる!」


「はい。お気をつけて」


「ああ!」


 ガイルが部屋を出ていった。


 ……さて。


 蒸気ショベルを造るなら、腕の部分はどう動かせばいいんだろう?


 綱を二本使えば……。


 いや、三本の方が動かしやすいかな?


 俺は、再び紙へ目を落とした。


 ◇


「……ふふっ」


 ミラが笑った。


「やっぱり、すぐ戻っちゃった」


「本当ですね」


 ナディアも笑う。


 そのとき、ケーラがお茶を運んできた。


「ミラ様、ナディア様。お茶はいかがでしょうか?」


「ありがとう、ケーラ」


「ありがとうございます」


 ケーラは二人の前にカップを置くと、俺の方をちらりと見た。


 それから、少し微笑んだ。


「男爵様のお考え事は、長くなりそうですので」


「……ふふっ。そうだね」


 ……ん?


 何か話してるのかな?


 でも、今はこの仕組みを考えておきたい。


 俺は、また紙に線を引き始めた。


 ◇


「それにしても、昨日は素敵でしたね」


 ナディアがお茶を飲みながら言った。


「アルフレッド殿下とセリカ様?」


「はい。お二人、とても仲がよさそうでした」


「そうだね!」


 ミラが笑顔で頷く。


「セリカ様も、優しくて素敵な方だったね」


「はい。私も、お話しできて嬉しかったです」


 ミラがお茶を一口飲んだ。


「四か月後の婚礼祝賀式、楽しみだなぁ」


「私もです」


「そういえば、ナディアたちの結婚式は、いつ頃になりそうなの?」


「……えっ?」


 ナディアが少し頬を赤くした。


「まだ、具体的な日取りは決まっていないんです」


「そうなんだ」


「はい。父上やベイルン家とも相談して、これから決めていくことになると思います」


「そっか。楽しみだね!」


「……ありがとうございます」


 ナディアが照れくさそうに微笑んだ。


「でも、ミラさんたちはどうなんですか?」


「……私たち?」


「はい。リオンさんとの結婚式です」


「あっ……」


 ミラも少し頬を赤くした。


「うーん。まだ決めてないんだよね」


「そうなんですね」


「リオン、今は領地のことで忙しそうだから」


 ミラが俺の方を見た。


 俺は、蒸気機関の仕組みを考えるのに夢中になっていた。


「……ふふっ」


 ナディアが笑った。


「確かに、お忙しそうですね」


「でしょ?」


 ミラも笑った。


「でもね、リオンって、ああいうところがいいんだよ」


「……そうなんですか?」


「うん。誰かが困っていたら、どうすれば助けられるか一生懸命考えるの」


 ミラは、俺の方を見ながら続けた。


「それで、何かよい方法を思いつくと、すごく嬉しそうな顔をするんだよ」


「……素敵ですね」


「うん!」


 ミラが嬉しそうに頷いた。


「もちろん、ときどき夢中になりすぎちゃうけどね」


「ふふっ。それも、リオンさんらしいです」


「そうなんだよね」


 二人の笑い声が聞こえた。


 ……何だろう?


 楽しそうだな。


 でも、もう少しだけ考えてから話に加わろう。


 ◇


 しばらくして。


「……すみません。リオン様はいらっしゃいますか?」


 部屋の入口から声が聞こえた。


 ミアだ。


「あっ。ミア」


 俺は顔を上げた。


「どうしたの?」


「その……午後は政務所でお仕事のご予定だったかと思うのですが……」


「……えっ?」


 俺は思わず固まった。


 そういえば。


 今日は午後から、ローレンさんたちと打ち合わせをする予定だった。


「ごめん! 完全に忘れてた!」


 俺は慌てて立ち上がった。


 ミアが、ほっとしたような顔をした。


「よかったです。お時間になってもいらっしゃらないので、何かあったのかと心配しておりました」


「ごめんね! ちょっと考え事に夢中になってたんだ!」


「……そうだったのですね」


 ミアが、机の上に広がった大量の紙を見つめた。


「……これは?」


「あっ。蒸気機関を使った新しい機械の案なんだ!」


「……新しい機械、ですか?」


「うん! 船とか、クレーンとか、農業で使う機械とか!」


 ミアは、しばらく紙を見つめていた。


 そして、小さく頷いた。


「……なるほど。それで、こちらにいらしたのですね」


「そうなんだ。でも、仕事を忘れちゃ駄目だよね!」


 俺は慌てて紙をまとめ始めた。


 すると、ミラが口を開いた。


「ねえ、ミア」


「はい?」


「今度から、リオンが時間になっても来なかったら、紙とペンを持っていないか確認してみるといいよ」


「……紙とペン、ですか?」


「うん。何か思いついて、夢中になってるかもしれないから」


「……かしこまりました」


 ミアが真面目な顔で頷いた。


「ちょっと、ミラ!」


 俺が声を上げると、ミラが楽しそうに笑った。


「だって、本当のことでしょ?」


「……うっ」


 ……反論できない。


 ナディアも、口元に手を当てて笑っている。


「じゃあ、行ってくるね!」


 俺は資料をまとめて立ち上がった。


「リオン、紙を全部持っていくの?」


 ミラが尋ねる。


「うーん。これはあとでルッツさんやヴァイスさんに見てもらいたいから、部屋に置いておくよ!」


「そうなんだ」


「うん。まずは政務所の仕事を終わらせないとね!」


「ふふっ。いってらっしゃい」


「いってらっしゃいませ、リオンさん」


 ナディアも微笑んだ。


「うん! いってきます!」


 俺はミアと一緒に部屋を出た。


 ……危なかったな。


 港のことを考えていたら、いつの間にか蒸気船や農業機械の話にまで広がってしまった。


 でも、面白いことをいろいろ思いついたぞ。


 まずは、ルッツさんとヴァイスさんに相談してみよう。


 ……いや。


 その前に、政務所の仕事だ。


 俺は少しだけ歩く速度を上げた。


 新しい発明も大切だけど、今やるべき仕事を忘れちゃいけない。


 ……よし。


 午後の仕事も頑張ろう。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

リオン、やることが増えて幸せそうですが、今の領にそこまでの余裕はあるのでしょうか?

お金は何とかなるかもしれないけど、人が足りていません。

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― 新着の感想 ―
こっちの世界だと、 蒸気船が先じゃなかったっけ? だから、、蒸気機関車は、 陸(おか)蒸気って言われてたのだと思ってた。 なので、 レールが無い分、浮力さえ確保できれば、 船は割といけそうな予感。
人を集めてもすぐに働けるわけじゃなし、それらの人を効率よく動かしてくれる人はもっと必要…まずはあまり広げすぎずに、と言ってもリオンだしねぇ~w
うーん・・・河幅と水深、流速はどうしても考えざるを得ない 可能なら近くに湖があれば最善 理由は港湾設備が不要になること 流心に対して流れをいなす形で導流提を作って港湾と船舶を保護できないといけないし…
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