第568話 商人の目
お手すきの際に是非!
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翌朝。
政務所の執務室には、いつもより多くの人が集まっていた。
俺。
ミラ。
ナディア。
ミア。
ローレン。
ヴィクトル。
そしてルッツ。
「ピー!」
ピコもいる。
「なんでピコまでいるんだ?」
ヴィクトルが聞く。
「なんでって、いつも一緒にいるから」
「ピー!」
「そうか」
ヴィクトルは普通に納得した。
机の上には、昨日までに集めたものを並べてある。
共鳴石。
硬化石。
アーシタ山で見つけた、銅を含んでいる可能性が高い鉱石。
それから、ルッツが作った試作品だ。
「それで?」
ヴィクトルが机を見る。
「昨日言ってた大きな商売って、これか?」
「うん」
「石ばっかりじゃないか」
「まずは見てもらった方が早いよ」
「分かった」
俺は共鳴石を一つ持ち上げる。
「これは共鳴石」
「共鳴?」
「同じ石から割ったもの同士が反応する」
「どういう意味だ?」
「ルッツ」
「ああ」
ルッツが二つの小さな箱を机へ置いた。
中には、それぞれ同じ共鳴石から割った欠片が入っている。
「まだ試作品だからな」
一つを持つと、ルッツが部屋を出ていった。
「どこ行くんだ?」
「隣の部屋」
ヴィクトルが俺を見る。
「それで?」
「ここを押してみて」
「これか?」
「うん」
ヴィクトルが箱についた棒を押す。
中の共鳴石に触れた。
机の上に残した方の石が光る。
「……」
ヴィクトルが手を離す。
光も消えた。
もう一度押す。
また光る。
「なるほど」
「これだけじゃないよ」
紙を一枚渡す。
「何だ?」
「短い光と長い光を組み合わせた符号表」
「短いのと長いので?」
「文字を表す」
「……文字?」
「やってみて」
ヴィクトルが符号表を見る。
「好きな言葉でいいのか?」
「うん」
少し考えてから、棒を押した。
短く。
長く。
また短く。
表を確認しながら何度か繰り返す。
しばらく待つと、こちらの共鳴石が光り始めた。
「返ってきた」
今度は俺が符号表を見る。
一文字ずつ確認する。
「カ……」
次。
「ネ」
ヴィクトルを見る。
「金?」
「何か悪いか?」
「いや。ヴィクトルらしいなと思って」
「商人だからな」
ミラが笑った。
扉が開き、ルッツが戻ってくる。
「『カネ』って届きましたよ」
ヴィクトルの表情がすぐに変わった。
「おい、リオン! これはどこまで離れて使える?」
「まだ限界は調べてない」
「壁があっても?」
「この程度なら問題ない」
「同じ元の石から、いくつまで作れる?」
「それも試験中」
「どこまで試したんだ?」
俺が窓の外のビダン山を指さして答える。
「あのビダン山と屋敷でも繋がった」
ヴィクトルの動きが止まった。
「……あそこから?」
「うん」
「馬なら何時間掛かる?」
「かなり」
「これなら?」
「ほぼすぐに届くね」
「……」
ヴィクトルがもう一度、箱を見る。
「誰かに光を見られたら?」
「信号を読まれる可能性はある」
「なら、そのままじゃ重要な話には使えない」
「うん。暗号と、誰が送ったのか分かる仕組みも必要になる」
「石の組み合わせを間違えたら?」
「それも管理方法を考えないといけない」
「なるほど」
質問が早い。
「ルッツさん」
ヴィクトルが後ろにいるルッツの方を見る。
「はい?」
「この棒、人によって押す時間が変わりますよね?」
「たぶん」
「一定の長さで押せるようにできないんですか?」
「今それを考えてます」
「石を交換できるようにもした方がいいですね」
「それも実験中です」
ヴィクトルが少し笑った。
「面白いな」
「でしょ?」
「軍が欲しがる」
「うん」
「王宮も欲しい」
「たぶんね」
「商会なら絶対欲しい」
「どう使う?」
「商品の値段。在庫。馬車の到着。事故。盗賊」
次々に出てくる。
「遠くの町で何が売れてるかも、その日のうちに分かる」
「そうなるね」
「港のある領なら船の到着も分かる」
「うん」
「国境なら敵が動いた瞬間に知らせられる」
「そういう使い方もできるね」
ヴィクトルが共鳴石を見る。
「……これ、石だけで売るなよ」
「そのつもり」
「やっぱりか」
「石だけ売ったら、他の人が似たものを作るかもしれないから」
「ああ」
ヴィクトルが試作品を指す。
「石、機械、符号、使い方。それをまとめて売ろう」
「俺もそう考えてるよ」
「なら、これはこの石を売る商売じゃない」
「何を売るの?」
「通信だ」
横を見る。
ミアの筆が止まっていた。
ローレンも俺とヴィクトルを交互に見ている。
「……」
「ピー?」
ピコが首を傾げた。
「ピコも分かってないみたい」
ミラが笑う。
「私も途中から怪しいです」
ローレンが小さく言った。
◇
「次はこっち」
硬化石を手に取る。
「硬化石」
「今度は何をする石だ?」
「砂や土なんかに混ぜると固まる」
「固まる?」
「見てもらおう」
ルッツが何枚かの試料を持ってきた。
どれも見た目が少しずつ違う。
「配合を変えてあるんだ」
ヴィクトルが一枚持ち上げる。
「これは?」
「硬め」
机の角へ軽くぶつける。
鈍い音がした。
「かなり硬いな」
「こっちは?」
「少し柔らかさを残してる」
「なんで?」
「道に使えないかと思ってる」
俺が答える。
「道?」
「うん。雨が降ってもぬかるみにくくて、石畳より早く作れる舗装材」
前世でいうアスファルトみたいなものだ。
もちろん、同じものではない。
「それから、こっち」
ルッツが別の試料を置いた。
「これは水に浸けてたやつです」
ヴィクトルが表面を触る。
「崩れてない?」
「ええ。配合によって変わります。まだ割れるやつもあるので完璧ではありません」
「建物にも使うのか?」
「土台とか、床とか、水路とか。使えるところはこれから調べます」
ヴィクトルが試料をひっくり返す。
「道だけじゃないな」
「うん」
「倉庫の床」
「うん」
「建物の基礎」
「うん」
「水路」
「試したいね」
「橋の土台にも使えるかもしれないぞ?」
「そこは専門家に見てもらいたいね」
「量は?」
「あのビダン山にかなりある」
「……またビダン山か」
「そう」
「ピー」
ピコが試料へ顔を近づける。
「食べちゃ駄目だよ」
「ピー?」
「食べ物じゃない」
「ピー……」
「なんで落ち込んでるの?」
ミラが笑う。
ヴィクトルはもう硬化石しか見ていなかった。
「これも原石の値段だけで売ったら駄目だ」
「だよね」
「舗装材や建築材に加工した方が、ずっと価値が上がる」
「うん」
俺が頷くと、ヴィクトルがこっちを見る。
「お前、最初からそこまで考えて俺を呼んだな?」
「まあね」
◇
「もう一つ」
アーシタ山から持ってきた鉱石を置く。
「これは?」
「銅を含んでる可能性が高い」
「可能性?」
「俺は鉱山の専門家じゃないからね」
ルッツが言った。
「工房で扱った鉱石と似てるってだけです。ちゃんと調べないと断定はできません」
「なるほど」
ヴィクトルが鉱石を手に取る。
少し眺めた。
「……銅だな」
「分かるの?」
「ああ。間違いない」
ルッツが少し驚いたようにヴィクトルを見る。
「品質は?」
「悪くない。採掘する価値は十分ある」
「本当に?」
「ただ、この石が銅鉱石だってことと、山にどれだけあるかは別の話だ」
「そっか」
「どこで採った?」
「離れた場所を三か所掘った」
「全部、同じような鉱石が出た?」
「うん」
ヴィクトルの表情が変わった。
「……それを先に言えよ」
「え?」
「一か所じゃなく、離れた三か所から銅が出たんだろ?」
「うん」
「なら、かなり話が変わる」
ヴィクトルが椅子へ深く座る。
「共鳴石」
「うん」
「硬化石」
「うん」
「銅」
「うん」
「全部、南の山か?」
「そう」
ヴィクトルが額に手を当てた。
「卒業して領地をもらったばかりの奴が、なんで次から次へとこんなものを見つけるんだよ」
「俺だって驚いてるよ」
「その割には楽しそうだな」
「うん。大変だけど、楽しくはなってきた」
「リオンらしくて良いじゃないか」
「ピー!」
「ピコは最初から楽しそうだけどな」
◇
ナディアが、共鳴石の箱を見ていた。
「リオンさん」
「何?」
「一つよろしいでしょうか」
「うん」
「この共鳴石は、軍事にも使えるのですよね?」
「使えると思う」
「でしたら……」
少し間を置く。
「ここから先は、私は聞かない方がよいでしょうか?」
「あ」
そういうことか。
ナディアはセルヴァン王国の王女だ。
ミラがすぐに口を開く。
「ナディアは、知ってしまったことで困らないか気にしてるんだよね?」
「はい」
「セルヴァンへ持ち帰るべき情報なのか、それとも聞かなかったことにするべきなのか」
「その通りです」
俺は少し考える。
「今話してる範囲なら大丈夫」
「よろしいのですか?」
「うん。共鳴石を使った通信そのものは、いずれ商品にするつもりだから」
「商品に……」
「ただ、暗号とか王国の軍で使う仕組みを作るなら、そこは別にした方がいいと思う」
ナディアが安心したように頷く。
「分かりました」
「それに、セルヴァンにも買ってもらえるかもしれないし」
「……購入しても良いのですか?」
「外交上の問題が解決したらね」
「リオン」
ミラが俺を見る。
「何?」
「もう商売の話に戻ってるよ」
「あ」
ヴィクトルが笑った。
「そっちの方がリオンらしいな」
◇
「じゃあ、本題」
一枚の紙を机へ置く。
上には、
『南部鉱山共同出資契約』
と書いてある。
「何だ、これ?」
ヴィクトルが手に取った。
「この山を使って資金を集める方法」
「山を売るのか?」
「売らない」
「土地は?」
「リオン領のまま」
「採掘する権利は?」
「それもリオン領が持つ」
ヴィクトルの目が細くなる。
「じゃあ何に金を出させる?」
「一定期間の鉱山事業そのもの」
「……」
「王家とか他の領の出資枠を、最大四十九%にする」
「五十一はリオン領?」
「うん」
「出資した側の見返りは?」
「鉱山から出る売上の五%を、配当用に分ける」
「売上の五%?」
「うん。その五%を、出資した割合に応じて受け取ってもらう」
ヴィクトルがすぐに考える。
「利益じゃなくて売上にするのか」
「その方が分かりやすいと思ってる」
「経費をいくら使ったとかで揉めにくい」
「そう」
ヴィクトルの口元が少し上がった。
「それだけじゃないよ」
「まだあるのか」
「出資してくれたところには、採れた資源を優先的に納品する」
「共鳴石も?」
「うん」
「硬化石も?」
「うん」
「銅も?」
「もちろん」
「加工したものは?」
「それも優先する」
ヴィクトルの顔が変わった。
「共鳴石の通信機器も?」
「うん」
「硬化石を使った舗装材や建築材も?」
「うん」
「なるほど……」
紙を見る。
「つまり金を出した側は配当を受け取れる。それに、新しい資源や商品を他より先に買える」
「そう」
「それなら欲しがる領はかなりあるぞ」
「ただし」
「まだあるのか?」
「金だけじゃ足りない」
ヴィクトルが笑った。
「何を要求する?」
「人」
「人?」
「街道を造れる人。町を造れる人。採掘の専門家。測量できる人。作業員も」
ローレンが顔を上げた。
「出資する側に、人員まで求めるのですか?」
「うん」
「それでは条件が厳しすぎませんか?」
「いや」
ヴィクトルがすぐ答えた。
ローレンがヴィクトルを見る。
「むしろ出す理由があります」
「どうしてですか?」
「自分たちが金を出した鉱山です」
「はい」
「道がなければ鉱石を運べない。人がいなければ掘れない。町がなければ働く人も住めません」
「あ……」
「早く鉱山が動いた方が、出資した側も早く配当を受け取れます」
俺が続ける。
「それに、自分の領の職人や作業員に仕事を出せる」
「なるほど……」
ローレンが頷いた。
ミアは必死に筆を走らせている。
完全に追いついてはいなさそうだけど、止めずに書き続けていた。
「ピー?」
ピコまで体を傾げる。
「ピコは書かなくていいからね」
「ピー!」
◇
「それで俺を呼んだのは、その話をするだけじゃないだろ?」
ヴィクトルが聞いた。
「さすがヴィクトル。ローデン商会にもお願いしたいことがあるんだ」
「やっぱりな。で、ローデンに何をさせたい?」
「まず、採掘事業」
「どこまで?」
「人集め、現場の管理、輸送、売り先の開拓」
「かなり広いな」
「こっちには経験がないから」
「採掘権は?」
「渡さない」
「そこは一貫してるな」
「委託する形にしたい」
「対価は?」
「そこは相談」
「分かった。それから?」
「加工事業にも入ってほしい」
「共鳴石と硬化石?」
「うん」
「金を出せって?」
「金と人」
「また人か」
「専門家と作業員が欲しい」
「工房もいるな」
「そこもお願いしたい」
地図を広げる。
「領都の南。この辺り」
ヴィクトルが覗き込む。
「穀倉地帯との間か」
「うん」
「なぜここ?」
「領都に近い。それに南へ向かう街道を延ばせる」
「レイ湿原にも?」
「つながる」
「鉱山にも?」
「いずれ」
ヴィクトルの指が地図の上を動く。
「なら工房だけじゃ駄目だ」
「何がいる?」
「倉庫」
「やっぱり?」
「原料を置く場所。完成した物を置く場所。馬車を入れる場所もいる」
「荷下ろし場」
「ああ」
「じゃあ、この辺?」
「いや」
「なんで?」
「街道から遠い」
ヴィクトルが別の場所を指す。
「倉庫はこっち。馬車が直接入れるようにする」
「ああ」
「工房はその奥」
「共鳴石と硬化石は?」
「分けろ」
「なんで?」
「扱うものが違いすぎる。それに共鳴石は盗まれた時の影響が大きい」
「警備もいるね」
「他の工房とはわけが違うぞ?」
「だったら――」
「待って」
ミラが手を上げた。
「何?」
「また早くなってる」
「そう?」
「そう」
ミアを見る。
さっきまで動いていた筆が完全に止まっていた。
ローレンも地図を見たまま固まっている。
「……すみません」
ミアが言った。
「今、倉庫がどこになったところでしょうか?」
「そこから?」
「はい」
ヴィクトルが笑った。
「悪い」
「いえ……お二人とも、一つ決まるとすぐ次へ行ってしまうので」
「そうかな」
「学院の時もこうだったよ」
ミラが言う。
「二人で商売の話を始めると、途中から周りが会話に入れなくなるの」
ナディアが俺とヴィクトルを見る。
「お二人でお話しされると、物事が決まるのがとても早いのですね」
「そう?」
「はい」
「俺たち、そんなだったか?」
ヴィクトルが聞く。
「覚えてない」
「俺もだ」
「そこが一番困るんだよ」
ミラが呆れたように笑った。
◇
「それで、ローデン商会への見返りは?」
ヴィクトルが聞く。
「販売の優先権」
「販売?」
「うん。出資者には、自分たちで使う資源や加工品を優先的に納品する」
「ああ」
「でも、それとは別に一般向けに売る分もあるでしょ?」
「あるな」
「その流通や販売は、ローデン商会を優先したい」
ヴィクトルの目が少し細くなる。
「共鳴石の通信機器も?」
「うん」
「硬化石の舗装材や建築材も?」
「うん」
「独占?」
「独占にはしない」
ヴィクトルが少し笑った。
「俺を前にしてよく言うな」
「一つの商会だけに全部握られたら、あとで困るから」
「領主としては正しい判断だな」
「いいの?」
「ああ」
「ローデン商会なのに?」
「だからだよ」
ヴィクトルが共鳴石を手に取る。
「今のローデン商会が信用できても、十年後、二十年後まで同じとは限らない」
「そっか」
「それに、優先して扱えるだけでも十分大きい」
「そんなに?」
「この通信機器を他の商会より先に売れるんだぞ?」
「うん」
「十分すぎる」
「じゃあ、前向きに?」
「俺だけでは決められない」
「父さん?」
「ああ。父さんにも話す」
「もちろん」
「ただし、その前に確認することがある」
「山?」
「山だ」
ヴィクトルが机に並ぶ三種類の石を見る。
「共鳴石が本当にどれだけあるのか」
「うん」
「硬化石はどれくらい採りやすいのか」
「うん」
「アーシタ山の銅が、どこまで続いているのか」
「そこはまだ調査が必要だね」
「魔物も見る」
「ビダン山よりアーシタ山の方が多い」
「輸送路も」
「それも見てほしい」
ヴィクトルが頷いた。
「そこまで見て、ようやく数字を出せる」
「だから来てもらった」
「なるほどな」
椅子へ座り直す。
それから、さっきの契約案をもう一度見た。
「でも、山を見る前に一つだけ分かった」
「何?」
「この計画の一番面白いところ」
「どこ?」
「鉱山じゃない」
「え?」
「お前の金の集め方だ」
ヴィクトルが紙を持ち上げる。
「普通なら、金がなければ金貸しから借りる」
「うん」
「お前の立場なら王家や親しい貴族に助けを求めるべきだ」
「そうだね」
「でもお前は、そのどっちもしない」
「必要になったらやるよ」
「価値のあるものを見つけたから、それを使って相手にも儲けさせる」
「うん」
「そうすれば、頭を下げて金をもらうんじゃない。ハル領でもそうだったな」
ヴィクトルが笑う。
「向こうから金も人も持ってくる」
「その方が長く続くと思うからね」
「なぜそう思う?」
「助けてもらうだけなら、一回で終わるかもしれない」
「……」
「でも、儲かるなら次も来る」
少しの間、誰も話さなかった。
ミアも。
ローレンも。
ナディアも。
ミラだけが、少し笑っている。
「リオンらしいね」
「そう?」
「うん。助けてもらうんじゃなくて、一緒に大きくするんでしょ?」
「そうしたい」
ナディアも小さく頷いた。
「相手にも利益があるから、協力が続くのですね」
「うん」
「……ようやく分かってきました」
ミアが小さく息を吐いた。
「私もです」
ローレンが言う。
「ピー!」
静かだった部屋にピコの声が響いた。
「ピコは?」
「ピー!」
「たぶん分かってないね」
ミラが笑う。
ヴィクトルも笑った。
「決まりだな」
「何が?」
「ビダン山とアーシタ山、両方見せろ」
「分かった」
「その二つの山が、どれくらいの事業になるのか」
机の上の共鳴石を指で弾く。
「数字にしてやるよ」
「お願い」
「ピー!」
ピコが跳ねている。
「ピコも行くの?」
「ピー!」
「聞くまでもなかったね」
明日はビダン山とアーシタ山。
見つけた資源に、ようやく商人の目が入る。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
会社を経営していると資金調達は避けて通れません。
調達方法は大きく分けると銀行からの借り入れか、投資家からの出資があります。
それぞれにメリット、デメリットがあるので、どれが良いとは一概に言えません。
読者の皆様が旧グレイヴ領を任されたら、どんな風に領を改善しますか?




