第565話 作りたい人
お手すきの際に是非!
《剣聖》になった弟に家を追い出された俺のスキルは《会員》でした
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「これは……!?」
ランタンを近づける。
黒っぽい岩の中に、黄色っぽく光る部分が混じっていた。
ところどころ、表面が緑色に変わっている。
「何か分かるのですか?」
テオが聞く。
「いや。分からない」
「分からないのですか?」
「うん。俺、鉱石には詳しくないから」
金属っぽくは見える。
でも、それだけだ。
前世でも鉱物なんてほとんど知らなかった。
「何かに使えるといいけどね」
周囲を少し削り、崩れた岩を拾う。
「持ち帰られるのですか?」
「うん。いずれ詳しい人に見てもらおう」
亜空間収納へ入れる。
ただ、気になることがあった。
「これ、ここだけなのかな」
「ほかも掘られるのですか?」
「安全そうな場所を、あと何か所かだけ見てみたい」
一か所だけなら、小さな塊が偶然ここにあっただけかもしれない。
でも、別の場所でも出るなら話が変わる。
◇
一度外へ出て、山肌を移動した。
少し離れた場所で、アストンが周囲を確認する。
「ここなら比較的安全かと」
「じゃあ、少しだけ掘ろう」
今度はテオが見張りに立ち、俺とアストンで掘る。
身体強化を使って土を出し、岩が増えてきたところでつるはしへ持ち替えた。
しばらくして。
「……あった」
黒っぽい岩の中に、同じような黄色い部分が見える。
「先ほどと似ていますね」
「うん」
少しだけ採って、また亜空間収納へ入れる。
さらに別の場所へ移動した。
「もう一か所だけね」
「先ほども、そのようなことをおっしゃっていたような」
「そうだっけ?」
「はい」
アストンの返事が早い。
三か所目は、俺とテオで掘った。
「リオン様」
「何?」
「やはり速すぎます」
「何が?」
「掘る速度です」
「身体強化してるからね」
「それは分かっておりますが……」
テオも横で土を運ぶ。
少しずつ岩盤が露出してきた。
ランタンを近づける。
「……まただ」
三か所目にも、同じような層があった。
テオがしゃがみ込む。
「かなり広い範囲にあるのでしょうか」
「まだ分からないよ」
三か所掘っただけで埋蔵量なんて判断できない。
ただ。
「少なくとも、小さな石が一個だけ埋まってたって感じじゃなさそうだね」
「はい」
アストンも頷く。
「離れた三か所で確認できております」
「ここから先は専門家に任せよう」
「もう掘られないのですか?」
「俺たちは素人だからね。これ以上は危ない」
鉱物の種類。
どこまで広がっているのか。
どれくらい採れるのか。
全部、ちゃんと調べてもらった方がいい。
「試料だけ持って帰ろう」
「承知しました」
◇
山を出るまでに、また魔物が現れた。
しかも、この日は一度だけじゃなかった。
午前中だけで三度。
しかも、どれも昨日までに見た魔物より手強い。
この山は、魔物の数だけでなく強さも違うようだ。
「また来ます!」
テオが剣を抜く。
「ピー!」
最後に出てきたのは、大きな牙を持った魔物が二体だった。
アストンが一体。
テオがもう一体へ向かう。
俺も剣へ手を掛けたが、二人とも押されてはいない。
特にアストンは相変わらずだった。
最小限の動きで攻撃をかわし、確実に傷を増やしていく。
ほどなく一体が倒れた。
「ピー!」
「あっ」
止めるより早かった。
ピコが大きく口を開ける。
倒れた魔物が一瞬で消えた。
「……」
テオの動きが止まる。
「前!」
「は、はい!」
もう一体の攻撃をかわし、テオが剣を振る。
最後はアストンも加わり、二体目も倒れた。
「ふう……」
テオが息を吐く。
「大丈夫?」
「はい。それより……」
ピコを見る。
「今の魔物は?」
「ピコが食べた」
「食べた?」
「うん」
「丸ごと?」
「丸ごと」
「ピー!」
ピコが得意そうに鳴く。
「……そうですか」
「慣れるよ」
「本日、その言葉を何度も聞いている気がします」
確かに。
ピコが二体目へ近づく。
「待って」
「ピー?」
倒れた魔物を見る。
大きな牙。
厚い皮。
「これ、売れないのかな」
「魔物をですか?」
「うん。冒険者って、倒した魔物の素材を売るよね?俺はそんなにやらなかったけど」
「種類によっては、牙や皮などが売れるはずです」
アストンが答える。
「やっぱり?」
この山は、思っていた以上に強い魔物が多い。
危険だ。
でも、もし素材に価値があるなら。
見方を変えれば、それもこの山の価値になる。
「今度、どれくらいで売れるのか調べよう」
「ピー!」
「これは食べないで」
「ピー……」
「そんな残念そうにしなくても」
二体目は亜空間収納へ入れた。
テオがまた目を丸くする。
「魔物まで入るのですか?」
「入るよ」
「……」
「何?」
「リオン様は、私が知らないことをあといくつ隠しておられるのでしょうか」
「そんなにないと思うけど」
アストンが俺を見る。
「男爵様」
「何?」
「その回答には同意いたしかねます」
「アストンまで?」
「ピー!」
ピコまで鳴いた。
◇
昼を少し過ぎた頃、三頭の馬と一緒に屋敷へ戻った。
俺もアストンもテオも泥だらけだ。
「……何してきたの?」
ミラが俺たちを見る。
「山を掘ってきた」
「それは見れば分かるよ」
「結構掘ったからね」
テオを見ると、服だけじゃなく顔にも少し泥がついている。
「テオ、大丈夫?」
「はい。ただ……」
「ただ?」
「昨日から、知らなかったことを知りすぎている気がします」
「まだ昼だよ」
「それを聞いて余計に疲れました」
ミラが笑った。
「とりあえず三人とも着替えてきたら?」
「そうする」
◇
着替えたあと、ミラと昼食を取った。
「それで、今日は何か見つかったの?」
「うん。見つかった」
「本当?」
「でも、何なのか分からない」
「分からないんだ」
「うん」
亜空間収納から、小さな欠片を取り出す。
ミラが覗き込む。
「変わった色だね」
「離れた三か所を掘って、全部似たものが出た」
「三か所?」
「うん」
「じゃあ、たくさんある可能性もある?」
「あると思う。でも、そこは専門家に見てもらわないとね」
「そっか」
ミラが石を見る。
「価値があるものだといいね」
「本当にね」
「期待してる?」
「……まあね」
「やっぱり」
ミラが笑う。
「また目がキラキラしてる」
「まだ何か分からないよ?」
「それでも楽しいんでしょ?」
「うん」
魔物についても話した。
「ピコ、また食べたの?」
「一体だけね」
「ピー!」
「自慢しなくていいから」
「でも、売れるなら魔物もお金になるかもしれないね」
「俺もそう思ってる」
鉱物。
魔物。
この山には、まだ分かっていない価値がいくつもあるのかもしれない。
◇
昼食を終え、ミラと政務所へ向かった。
建物へ近づくと、昨日までとは違う光景が見えた。
建物の脇で、何人かが草を刈っている。
「あ」
昨日ミアが提案した仕事だ。
「もう始まったんだ」
「はい」
一緒に来ていたミアが答える。
「ローレンさんが、すぐに募集してくださいました」
「何人くらい?」
「最初は三人でしたが、今日は八人になっています」
「増えたね」
「はい。働きたいという方は、ほかにもいらっしゃるそうです」
政務所の裏へ回ると、別の二人が古い木箱を運んでいた。
「これも?」
「はい。倉庫の整理です」
「なるほど」
草刈り。
清掃。
荷物運び。
落ち葉や植物くずの回収。
特別な技能がなくてもできる仕事は、思っていた以上に多い。
「屋敷でもお願いできそうだね」
「私もそう思っています」
ミアが答える。
「毎日人を雇う必要はありませんが、掃除する場所が多い日や、大きな荷物が届いた時だけお願いすることはできるかと」
「ああ。それならいいね」
今の屋敷に、以前のような人数のメイドや使用人を常勤で置く余裕はない。
でも、必要な仕事まで放置するわけにもいかない。
必要な時に、必要な仕事だけお願いする。
働いた分の日当を払う。
その形なら、常勤の使用人を何人も抱えるより支出をかなり抑えられる。
働く側にも収入になる。
「政務所でも増やせそうだね」
「書類そのものを扱っていただくのは難しいと思いますが、清掃や荷物運びであれば」
「うん」
俺は少し考える。
「じゃあ、屋敷でも試そう」
「はい」
「ただ、仕事が増えたからって日当を安くしすぎないようにね」
「もちろんです」
「働いた人にも、ちゃんと意味のある金額にしたい」
「ローレンさんと相談します」
「お願い」
完璧な仕組みではない。
でも、昨日は仕事がなかった人が、今日は働いている。
まずはそれでいい。
「ミア」
「はい」
「いい案だったね」
「いえ」
ミアが少し照れたように首を振る。
「まだ始まったばかりですから」
「それでもだよ」
◇
政務所へ入る。
「男爵様」
一人の文官がすぐに近づいてきた。
「何?」
「王都からお客様がいらしております」
「俺に?」
「はい。先ほど到着されました」
「誰だろう」
案内された部屋へ向かう。
扉を開ける。
中にいた男を見て、思わず足を止めた。
「……ルッツさん?」
「お久しぶりです、リオン様」
「なんでここに?」
王都のベルン金工房で、何度も一緒に暖房装置を試作した職人。
ルッツだった。
足元には荷物まで置いてある。
「王都から仕事で来たの?」
「いえ」
「じゃあ?」
ルッツが少し頭をかく。
「工房を辞めてきました」
「……え?」
「ベルン金工房を辞めました」
「本当に?」
「はい」
「オスカーさんは?」
「きちんと話しました」
「止められなかった?」
「最初は止められました」
「だよね」
「でも、最後には『行ってこい』と言っていただきました」
「……なんで辞めたの?」
ルッツが少し考える。
「もっと、新しいものを作りたくなったんです」
「新しいもの?」
「はい」
ルッツが俺を見る。
「リオン様と暖房装置を作っていた時が、一番面白かったんです」
「……」
「考えて、作って、失敗して、原因を探して、また作る」
ルッツが少し笑う。
「王都へ戻ってからも、あの時のことを何度も思い出しました」
「それで?」
「リオン様がこちらの領主になられたと聞きました」
「うん」
「きっと、また変なものを作り始めるだろうと思いまして」
「変なもの?」
「今までにないもの、です」
「言い直したね」
「はい」
悪びれもしない。
「それで、ここで働きたいと?」
「はい」
昨日の夜。
ちょうど考えていた。
こういうものが得意な人がいたらいいのに、と。
「……すごいタイミングだな」
「何がですか?」
「見てほしいものがある」
「もうですか?」
「うん」
急ぎの書類がないことをミアとローレンに確認してから、ルッツを屋敷へ連れていった。
◇
屋敷へ戻り、まず裏庭へ向かった。
「これ」
「何でしょう?」
「硬化石」
昨日作った四種類の試験片を見せる。
「この灰色の石を粉にして、土とか砂、小石と水を混ぜた」
ルッツがしゃがみ込む。
表面を指でなぞる。
軽く叩く。
「配合は覚えていますか?」
「記録してある」
「見せてください」
「はい」
紙を渡す。
ルッツの目が一気に真剣になった。
「固まるまでの時間は?」
「まだちゃんと測ってない」
「水を掛けたのは?」
「少しだけ」
「完全に水へ浸したものは?」
「まだ」
「どのくらいの重さまで載せました?」
「まだ重い石を一つ載せたくらい」
「なるほど」
もう考え始めている。
「これ、私にもう一度作らせていただいてもよろしいですか?」
「もちろん」
「配合をもっと細かく分けたいです。硬化する時間も測りたい」
「俺もやりたかった」
「でしたら一緒に記録しましょう」
「うん」
ミラが少し離れたところから俺たちを見ている。
「まだあるよ」
「まだあるのですか?」
「うん」
共鳴石を二つ取り出す。
「片方に触ってみて」
ルッツが指を伸ばす。
ふわっ。
二つとも光った。
「……」
もう一度触る。
今度は少し長く。
やはり二つとも同じように光る。
「これは……」
「元は一つの結晶なんだ」
「割ったのですか?」
「うん」
「離しても?」
「ノア山脈から屋敷までは確認した」
「山脈って、あの遠くの山からですか?」
ルッツが窓の外のノア山脈を指さす。
「うん」
ルッツの表情が変わる。
「それでね。短く光らせるのと、長く光らせるのを組み合わせる」
「組み合わせる?」
「例えば、短い光と長い光の並びごとに文字を決めるんだ」
紙に書いた信号表を見せる。
「これを使えば、離れた場所へ文字を送れる」
「……」
「昨日、俺はノア山脈にいて、ミラは屋敷にいた。それでも文章を送れた」
「本当にですか?」
「うん」
ルッツが共鳴石を見る。
「これが使えるようになったら、今までみたいに人が手紙を運ばなくても情報を送れる」
「……」
「村で火事が起きた。魔物が出た。川が氾濫した。そういう時も、すぐ領都へ知らせられる」
「はい」
「商人なら、品物の値段や在庫を遠くへ伝えられる。政務所同士でも使える。
国境に置けば、敵が動いた時にもすぐ王都へ知らせられる」
ルッツがゆっくり顔を上げる。
「それは……国の仕組みそのものが変わりますね」
「俺もそう思ってる」
だからこそ、問題もある。
「でも、このままじゃ使えない」
「なぜですか?」
「同じ結晶から三つに割って、その一つを知らない人が持ってたら、俺たちの信号も全部見える」
「……盗み見られる?」
「うん。それどころか、その人が石に触れば偽物の信号も送れる」
「それは危険ですね」
「それに、通信先が増えたら、どの石がどことつながっているのか分からなくなる」
ルッツが頷く。
「今は指で直接触ってるけど、短く触ったつもりが長くなったら文字まで変わる」
「使う人によって差も出ますね」
「そう。だから、誰が使ってもなるべく同じように信号を送れて、どの石がどことつながっているかすぐ分かる道具が欲しい」
「なるほど……」
ルッツが二つの石を見比べる。
「でしたら」
「うん?」
「まず、石ごとに番号を付けましょう」
「番号?」
「はい。王都につながる石、ハル領につながる石というように番号を決めて、一つの箱に並べます」
「それいいね」
「それから、直接指で触らなくても済むようにできないか試してみます」
「できそう?」
「まだ分かりません」
ルッツが笑う。
「だから、作ってみたいです」
「……」
やっぱり。
ルッツが来てくれたのはこの領にとって凄く大きい。
そして最後。
「もう一つある」
「まだ?」
「今日見つけた」
山から持ち帰った岩を出す。
ルッツが受け取り、しばらく黙って眺める。
表面を削る。
黄色っぽい部分を見る。
緑色に変色したところも確認する。
「リオン様」
「何?」
「これはどこで?」
「ノア山脈」
「量はどれくらいありましたか?」
「持ってきたのはほんの少しだよ。でもね、離れた三か所を掘ったけど、全部似たものが出てきたんだ」
「三か所……」
「何か分かる?」
「断定はできません」
ルッツが岩をよく見る。
「ですが、工房で扱ってきたものに似ています」
「何に?」
「銅を含んだ鉱石です」
「銅?」
「おそらく、ですが」
もう一度石を見る。
「私は鉱山の専門家ではありません。正式には、詳しい方に調べていただいた方がいいと思います」
「うん。そのつもり」
銅。
もし本当にそうなら。
しかも、あの山の広い範囲にあるとしたら。
「……」
「リオン」
横にいたミラが声をかけてくる。
「何?」
「また何か考えてるね」
「ちょっとだけ」
「ちょっとじゃなさそうだよ」
その時。
「リオン様」
ルッツが声を掛ける。
「何?」
「お願いがあります」
「お願い?」
ルッツが硬化石と共鳴石を見る。
「この二つの試作、私に任せていただけませんか?」
「もちろん」
「本当ですか?」
「むしろ俺からお願いしたかった」
ちょうど欲しかった。
考えたものを形にできる人。
「硬化石は、配合を変えて強度を見る」
「はい」
「水に浸した時と、乾いた時も比べたい」
「分かりました」
「共鳴石は、まず操作するための簡単な道具を作りたい」
「やってみます」
「でも」
「はい?」
「今日は着いたばかりでしょ?」
「はい」
「明日からでいいよ」
「いえ」
返事が早い。
「今から始めたいです」
「今から?」
「はい」
「王都から来たばかりだよね?」
「大丈夫です」
「疲れてない?」
「共鳴石が気になります」
「……」
分かる。
ものすごく分かる。
「リオン」
ミラが笑顔で俺を見る。
「何?」
「同じ顔してるよ」
「誰と?」
「ルッツさんと」
「そう?」
ルッツまで頷く。
◇
「テオ」
「はい?」
少し離れたところにいたテオを呼ぶ。
「悪いけど、今日はルッツさんの実験を手伝ってくれる?」
「私がですか?」
「うん。重いものを運んだり、必要な物を用意したり」
「承知しました」
「共鳴石のことはまだ秘密だからね」
「……」
「どうしたの?」
「ここ二日ほどで、秘密にしなければならないことが増えすぎております」
「ごめん」
「いえ。もう驚かないよう努力いたします」
「それは無理だと思うぞ」
アストンが横から言った。
「アストン殿まで……」
ルッツがテオへ頭を下げる。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ」
「今日は手伝いだけでいいからね。騎士団の仕事もあるし」
「はい」
これでいい。
「あ、そうだ」
ルッツを見る。
「住むところは?」
「まだ決めていません」
「え?」
「今日着いたばかりですので、これから宿を探そうかと」
「荷物まで持ってきてるのに?」
「はい」
それなら。
「ケーラ」
「はい、男爵様」
「一人増えても大丈夫?」
「ルッツ様でしょうか」
「うん」
ケーラは少し考えただけで答えた。
「問題ございません。空いている部屋はいくつもございます」
「本当?」
「はい」
そうだった。
この屋敷は大きい。
来たばかりの頃は、その広さが嫌だった。
掃除が大変。
維持にも金が掛かる。
使わない部屋ばかり。
でも。
「この屋敷、大きくてよかったって初めて思った」
「それは何よりでございます」
「ルッツさん、屋敷に住む?」
「よろしいのですか?」
「もちろん。仕事をしてもらうなら、給料とか条件もちゃんと決めよう」
「ありがとうございます」
「今日は部屋だけ用意してもらおう」
「承知しました」
ケーラが頭を下げる。
これで住む場所も決まった。
「では」
ルッツが共鳴石を持ち上げる。
「何?」
「作業を始めてもよろしいでしょうか」
「もう?」
「はい」
「本当に好きだね」
ルッツが少し笑った。
「リオン様に言われたくありません」
「え?」
「やっぱり似てる」
ミラが笑う。
「そんなに?」
「うん」
「ピー!」
ルッツはすでに共鳴石を眺めながら、何を作るか考え始めている。
昨日までは作りたいものがあっても、それを形にできる人がいなかった。
でも今日、作りたい人が自分からやって来てくれた。
これで俺は次の手を打てる。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
リオン領に新たな仲間ルッツが加わりました。ルッツの活躍、楽しみにしてください。




