突撃
3日が経過した。やっとウリたちが合流してきた。
「スノー、様子はどうだ?」
「ノランの奴らは外に出る気配がないな。こっちが攻めるしかないってことを知っているんだろうな」
俺が攻めてから一度も敵が外に出ることはない。俺が攻め込んだ時に戦力を削いだからというのもあるだろう。
「それでどう動くつもりだ。」
「まずナハトは使えない。言い方は悪いが使い物にならない」
薄々思ってはいたが、やはりまだ立ち直れてはいないらしい。ナハトの魔眼《回復の魔眼》はかなり使えるので出来れば立ち直っていて欲しかったのだが、無理も言えない。
「それで俺とスノー、ウェンの3人で本体を叩く。つまりはボス戦だ。ノランの幹部陣を俺たち3人でやる。もちろんその中にはアルもいるだろう。」
「まあ、そうなるだろうな。何が理由かはなんとなく予想できてるが…」
多分妹だろう。アルがここまでやるなんて妹のこと以外ない。俺たちが解散した理由もそれが原因だ。俺たちが目を離した隙にアルの妹、セカイが誘拐され、アルとナハトはセカイを追うために抜け、ウリとウェン、俺の3人も解散した。アルとナハトはかなりラブラブだった。それすらも裏切るってことはそれしかない。セカイが人質にされているんだろう。だが脅されてやったとしても敵は敵、倒さなければ行けないのは確実…
「他はどう動くんだ?」
「他は周りの雑魚の処理だ。だが人数では負けている。油断はできない状況だ。俺たちが最速でノランの頭を取らないと勝てない」
「だろうな…わかった。それで行こう」
「結構は1時間後だ。スノーも休んどけ」
「あぁわかった」
それから1時間が経過した。俺とウェン、ウリを最前線として隊列が組まれた。狙うはノランの頭、ランの首だ。
「全員!突撃!」
ウリのその合図とともにルーラーの全魔眼使いがノランの本拠地に突撃していく。俺たちもそれと同時に突っ込む。
「全員構え!撃てい!」
敵が大量の銃で撃ってくる。
「邪魔だ」
俺は魔眼で弾の方向を反対に向けて発砲する。
「さっさと死ね」
数人は弾に当たり死んだ。残りは他の奴らに任せて俺たち3人は中に突っ込む。その時だった。後ろの死体から大量の血が槍となり襲いかかる。
「させねぇよ」
ウリが魔眼を発動させて攻撃を静止させる。
「来たな、アル」
「予想通り、3人で来たわね。でもこのまま行けると思わないで」
アルの後ろから複数人の男女が現れる。雰囲気からして全員魔眼使いだろう。
「ウェン!スノー!先に行け!俺がこいつらを止める!」
「無茶だよ!私も!」
「その必要はありません」
そんな声が響き渡る。聞くことはないと思っていたその声が。
「ナハト!」
「何故ここにいるの!」
「アルを取り戻すためです。」
その目は真剣で、あんなに泣き叫んでいた男とは思えないほど凛々しくなっていた。
「貴方が私を?無理よ!」
大量の他のナイフがナハト目掛けて飛んでくる。ナハトはそれを真正面から食う。喉と腕、そして心臓付近…普通なら残り数分で死亡だ。
「舐め…るな」
ナハトは一本一本ナイフを抜く。そして抜き終わるとナハトの身体は一瞬で回復した。
「…その魔眼、本当にめんどくさい!」
再び血のナイフが襲いかかる。次は魔眼をピンポイントに狙ってくる。だがナハトはそれすらも真正面から食らった。
「…ふふ、これで貴方は詰みよ!」
「違うな…魔眼展開」
「…!!」
ナハトが眼に刺さったナイフを抜くと抜いたそばから回復していく。
「これは返すよ」
ナハトは手にした血のナイフをアル目掛けて投げつける。それは殺意はないものの敵意の現れであった。だが血のナイフはそもそもアルの魔眼によるもの。ナイフはすんでのところで液体に戻った。
「魔眼展開をするなんて…」
「アル…俺たちは他の奴らをやる。お前はそいつをやれ」
「わかってるわ」
「させるわけねぇだろ」
その他の男女がナハトを無視して俺らに襲い掛かろうとするが、それをウリが止める。
「ウェン!スノー!急げ!ここにこれだけの戦力!内部の戦力は少ないはずだ!」
「わかった!」
俺たちは背後を2人に任せて中に入っていくのだった。




