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去来の魔眼使い  作者: ゆっきー
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破壊

 この男とはすでに三回目だが、やりにくいことこの上ない。鎖と闇の二つの魔眼持ち、しかもまだ何かしら隠し玉を持っているようだ。


「本当にめんどくさいな」

「すまないな。これでもここの幹部だからな!」


無数の鎖が襲いかかるが、俺はそのことごとくを元に戻す。


「そっちの能力も面倒だな」

「そうかよ!」


俺はそう言いながらポケットに入れていた種を男に向けて投げつける。


「なんだ?」


男は軽く避ける。だが俺の目的は当てることじゃない。


「タチ!離れて!」

「遅い」


アルが叫んで伝えるが遅い。その種は一瞬にして育ち、大きな木となり、男を襲う。


「グハッ!?」


俺の魔眼の能力、去来を操る能力は過去、未来に干渉できる。今回のように種を一瞬にして育てることも可能だ。もちろん持ってくる未来にも上限がある。一年後の未来までしか持ってくることができない。だが重ねがけができるためそこまでデメリットでもない。


「さて、トドメと行こうか」

「くそ…」


再び辺りが闇に包まれる。だが関係はない。俺は男の全ての攻撃を防ぎ切る。


「何故だ!何故わかる!」

「簡単だ。俺の目には未来が見える。魔眼展開中ならその範囲内のありとあらゆる未来が見える。だから次にお前が攻撃をする場所を見れば余裕…だ!」


俺はカウンターで蹴り飛ばす。男は吹っ飛び、同時に闇を晴れる。そして男が一つの水晶を落とした。


「あ?」

「ッ!!」

「これは…」


俺が取ろうとした瞬間、鎖がそれを囲む。だが無駄だ。俺の能力で解除される。


「くそが!」


男が突進を仕掛けてくるが、もう関係ない。俺は軽々避け、避け様に腹に一発蹴りを放つ。だがその時、同時に水晶が男の鎖によって破壊された。


「…なるほど…」


俺が水晶を能力で直そうとするがなぜか直せない。


「特殊なものらしいな。」

「こうなったら仕方がない。だが時間稼ぎは済んだ。」


辺りを見渡すと俺はすでにノランの奴らに囲まれていた。中にはアルもいる。


「問題ないな」


俺は再びもう片方の魔眼の能力を発動させた。瞬間周りは全て壊れ、ほとんどの人間が死んだ。その中にはあの男も含まれていた。


「なんで…」


生き残ったのはアルだけだ。


「お前には聞かないといけないことがあったからな」


俺がアルに近づこうとした時だった。背後から殺気を感じて俺は横に飛ぶ。そしてさっきまで俺がいた場所に無数の針が突き刺さる。


「ふむ。さすがの反応速度ですね。」


そこにいたのはメガネをかけた青年。


「誰だ」

「僕はノランのボス、ランだよ」

「そうか…お前が」

「あははは、殺気を出すのはいいが、状況を考えるべきだね」


俺を囲うように四人の人物が現れる。立ち姿でわかる。全員かなりの魔眼使いだ。


「これは…さすがに面倒だな」

「ならどうするのかな?」

「帰らせてもらう。そもそも今回の目的は敵戦力をなるべく削ることだからな」

「そう。でもここから逃げられるとでも?」

「逆になんで逃げられないと思ってるんだ?」


俺の体は一瞬にしてノランの拠点から数キロ離れた場所。転移された場所にまで戻っていた。


「去来を操れる俺が逃げられないわけないだろ…」

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