判断
「ウチとして会社辞めた後輩 真美さんであって欲しいですね。
私に嫉妬してとか…違うかな?」波瑠的希望を言う。
大河内さんもあんな優秀な人でも波瑠が羨ましいと言ってた。
サッパリ分からない。
嫌な事や辛いことばかりだが、人生ほぼ。
もし小坂なら、まだ地方に飛ばされたとはいえ社員だ。警察沙汰になれば、やっと馬頭観音の呪いで悪くなった社のイメージが回復した所なのに。
人を殺そうとしたなんてマスコミに発表されたら!
いや、絶対されるだろう。
自分が原因だとしたら!自分もツラい!
波瑠は頭を抱える。
「君の後ろの生き霊は、ほとんど小坂なんだけど憎しみじゃないんだよ、実は。
どっちかと言うと後悔なんだよね。
君のおかげで彼は本社で結果出せてたんだよ。それに気付いたんだろね。
僕も君は最高のサポーターだと思うよ。」波瑠の家の冷蔵庫を勝手に開けて次はハイボールを飲んでいる。
まあ夕飯は奢ってもらったから、良いのか?
奥さんは…君にはそんなに飛ばしてないんだけど…
旦那さんに、小坂くんに黒い影が渦巻いてる…かなりの怨念だよ。分かる?」と三笠が聞いてくる。
「なんとなく分かります。彼は身近な女性を下げて、自分のプライドを保つ性格なんです。
多分、お嫁さんは1番のサウンドバッグだと思います。
家でネチネチと後輩でミット打ちしてるんだと思います。」別れて3年で異動して顔を合わせわなくなって、やっと波瑠にもおかしかったことが分かってきた。
「本社に居る間は、結婚しても君が居るから夫婦でパンチ入れて憂さ晴らししてたんだよ。
君は辛かったろうが、見てる人はちゃんと見てるからね。
結局、君の株がグングン上がっていったんだよ。」三笠がニヤニヤとしてる。
普通の女性だと気持ち悪いと思うが、波瑠は粘着質の性悪男が本能的に好きなのでエロいなとながめる。
「ここからは推論だよ。小坂くんは身重の真美と別れたいんじゃないかな?
君に連絡は来てないの?」と三笠に聞かれたが、実は電話番号変えてるし、社内メールは彼だけブロックしてる、申し訳ないが。
「君に憑いてる生き霊がデカいのは連絡取れないからだろなあ〜男ってそういう生き物なんだよ。
過去の女の妄想ばっかりしてるの。」三笠の話しぶりは生々しい。きっと三笠もそうなのだろう。
「じゃあ、殺そうとしてるのは小坂じゃないの?
エッ、でも私の事恨んでないのに真美は…なんで?」波瑠は真美が新入社員の時から手取り足取り教えていた。可愛がっていた。
小坂はそれが面白くなかったようだ。
いつの間にか、真美は波瑠をキツい目でにらむようになっていった。小坂に何か吹き込まれたのだろう。
…また悲しい思い出が湧き上がる。
「真美さんも分かったんだよ。小坂がどんな男だったか。結婚して異動してさ。
そして人生をめちゃくちゃにされたって恨んでたのさ、小坂を。
それは間接的でも見えるよ。」と三笠が波瑠の背後を眺めながらソファに深く寝そべるようにもたれながら話す。
波瑠は自分の肩をなでる。
「私の背後にそんな世界が広がってるんですかあ〜
そりゃ、1人で生きてるはずなのにいつも重いなぁ〜だるいなぁ〜と思うはずですね〜」と納得する。
本人は年食ったせいかと思ってた。
「でも…なんで私の命を狙うんですか?」小坂が犯人じゃないと分かってホッとした。
真美なら辞めてるし新聞ネタにならないし警察に行ける。
「ここからは、君の背後では薄いんだよなあ〜
もう1人…今日のエレベーターの後から、薄っすら見えてる人物が居る。エレベーターの中に居て話を聞いてた奴が、やっと少し波瑠の後に見えてきたよ。」ととうとうソファに寝そべりながら三笠が話しだした。
そして、確かに波瑠と名前を呼んだ。




