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湾岸物語  作者: たま


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8/13

泊まる?

「良い風呂だったあ〜あっ、お先に♪」三笠が当然のように風呂から上がって冷蔵庫を覗いている。

『この人、もしかして泊まる気?』と波瑠は心の中で聞く。ヘタに聞いて当然!と言われたら確定してしまう。

犯人の目星がつくまで帰らない気はする。

『考えろ〜考えろ〜私!』と三笠がデリバリーで頼んだ中華のために出した取り皿を洗いながら考える。

「もしかして星さんと対立する菱川さんが人に頼んで私を襲わせたとか?星さんにアドバイス成功したようなので殺しにきたとか?」波瑠は言葉にしてから後悔する。

「菱川さんに頼まれて人殺しする人いるかな?

菱川さん、星さんがやる気出しても痛くも痒くも無いんだけど。現在、生方役員の心を掴んでるのは自分だし。」と三笠さんが不思議そうなガッカリした顔をする。

彼氏と同じだった!

性もない事言うと、すげー人を見下した顔をするのだ。小坂の場合は、とにかく女を見下してる。

なぜそうなったのか?分からないが、実の母ですら、

「俺を産んだ以外にアンタに価値はない!この寄生虫女が!」と罵倒して、父親に「オイオイ、俺の女にそんな口聞くな。」と口頭注意された。と話してて唖然(あぜん)としたことがある。

それを許す母親も父親も…頭、虫が湧(わ)いてないか?

病院行った方が良くないか?

母に電話で話したら、「絶対別れて!結婚とかしたら、アンタ実家の敷居はまたがせないから!」と言われた。

小坂に結婚して捨てられたと言うと、母が小躍りしていた。この形ならストーカー化しないし安全だと喜んでた。

実際は、結婚生活うまくいかないのまで波瑠のせいだと怒鳴り込まれてたが、職場で。

結婚してから会社が彼の営業サポートから波瑠を外したからだ。

いや、結婚した後輩 真美から希望があったらしい。

彼の仕事を自分が手伝うと。

そこから夫婦で交互に苦情が…見かねた会社が成績も落ちるとこまで落ちたので鳥取支店に異動にしたのだ。

ふと三笠の小バカにした表情に彼の記憶がよみがえった。

「…波瑠さんの前の部署の人から話聞いたんだよ。

木下さんに頼んで。

とにかく波瑠さんへの当たりがヒドかったそうだね。

初めは発言もシッカリしてるし有能な男かと思ったけど、だんだん波瑠さんに牙むいて恐かったと聞いたよ。

他の社員と小坂くんは言い合いするから、皆どっちも悪いんだろうと思ってたけど、

波瑠さんはけっして荒い言葉で人を糾弾しないし助け合おうとするから、小坂くんのエゴイストとDV体質が露(あら)わになったって。」三笠がジッと波瑠を見る。

そうだ!この人は心が見えるのだ。

「後輩の結婚した真美さんは、周りに波瑠さんが仕事できないから旦那が迷惑してると愚痴ってたらしいよ。

彼に騙されて結婚してしまったんだね〜クックック面白い!」三笠が楽しそうに、まるで波瑠の古傷をねぶるように舌なめずりする。

波瑠はツバを飲み込む。

三笠は十分下調べして波瑠の部屋に来ているのだ。

「木下さんも大河内さんも前の部署の人も、絶対鳥取の夫婦のどっちかだと噂してるんだけどね。

2人はこっちに来てないのは確かなんだよ。

つまりアリバイがあるんだよ。

波瑠さんは、どっちだと思う?」とまたニターッとする。

これ本当の話なんですよ〜元彼トークは!

本当にとんでもない男と付き合ってたんですよ〜

結婚してたら私も娘の旦那に殺されてたかも…

この頃、趣里パパも体調が悪いそうで。

子供いるから完全に切れるのは不可能だし。

何とか穏便に別れられると良いですが。

他責思考が強いから恐い!

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