宦官
「そうか!波瑠さんの仕事は中国の宦官みたいなもんだね。妃達をどう上手く回していくか?
敵対させるのではなくて帝をどう攻略するかに集中させる訳だ!」三笠が合点がいったのか手を打って喜ぶ。
「はい、まあ、そうです。私はその為に入れられたんでしょう。チームワークを掻き乱すのが元彼・小坂くんの得意技でしたから。
それを彼を内包しながら力を合わせて仕事していくか?
の形に持っていきました。おかげで彼と付き合ってる事は隠し通しましたが。」とため息をつく。
小坂のそう言う小悪魔的な部分も好きだったのだが。
仕事のできない後輩 真美と結婚されてしまった。
「君の生き霊の中で小坂くんが一際輝いてる訳だ。そりゃ、恨まれるわ!
彼を自分の踏み台にしたんだから。」と三笠がニヤニヤする。
「エッ、なんでそうなるんですか?」と波瑠が驚く。
「だってそうだろ?彼は周りを引っかき回すことで自分の発言権を強める戦略立てたのに、君に標的扱いされて皆に一致団結を強められたんだ。
上司からそう言われて彼の近くに配属されたんだろ?」とまたニヤつく。
「…アナタなら小坂をコントロールできると。」波瑠は配属された時に上司に内密に言われた事を思い出した。
「小坂はワザと君に近付いたんだよ。ゴメンね。
つまり最初から君は彼女じゃなかったんだよ。」とクスクスと笑われたが…
「やめてください!私、20代後半ずっと付き合ってたんですよ〜その後、結婚してからもなんだかんだと夫婦で交互に苦情言われて!
私の10年返してくださいよ!」波瑠がエレベーターで泣き崩れる。
「ますます好みだなあ〜
ねえ、本当に付き合わない?君とならダラダラと腐れ縁で付き合えそう♪」と三笠先生が喜ぶ。
「私のこれからの10年を台無しにする気ですか?イヤですよ〜」波瑠がまた泣く。
エレベーターを降りて進もうとした瞬間頭が後ろに引っ張られた。
「エッ、どういう事?」と思う間もなく髪が引きずられ倒れてエレベーターの扉に引っ張られる。「危ない!」と叫んだ三笠が波瑠の後ろに結んだ黒ゴムの髪を掴む。後ろで髪がちぎれる音がするが、三笠が抑えているので頭皮と首に損傷は無かった。
エレベーターは何事もないように降下していった。
「エレベーター開いたら、中映して!」と下のエントランスの宅配そっくりのカメラマンに手すりから身を乗り出して三笠が指示した。
リーマンがゾロゾロ降りたが皆同じ服装だ。
そしてちぎれた波瑠の髪が粘着テープでまとめられて落ちてた。
「なに…これ?イタズラにしては悪質過ぎるだろ?」カメラマンの男性が束ねられて千切れた粘着テープと髪を三笠に渡す。
「2人には申し訳ないが警察に届け出するよ。」とカメラマンSTAFFが外へ出ようとする。
「すみません!お願いです!やめて下さい!」波瑠は危険な目に遭ったのにまだカメラマンを止める。
「三笠がいなかったら、頸椎やられてましたよ!分かってるんですか!」とカメラマン男性が怒鳴る。
そうなのだ。首の骨痛めて神経も痛めて一生寝たきりになる可能性もあった。
「分かります!でも、後1日待って下さい!お願いします!」波瑠が頼み込む。




