憎悪
波瑠の後輩 真美は女子御三家から有名女子大、上場企業ファンドトップの花村ホールディングスに入社した。
小さい時から遊ぶ間を惜しんで勉強。
夏休みも勉強合宿!家族旅行しか休みはなかった。
まあハワイだったが。
点数稼ぎに大学時代はボランティア。
父親も花村系列の不動産会社だったのも幸運だった。
そんなキラキラした会社のキラキラした先輩にトレーナーとして丁寧に教えて貰っていたが、
あまりに人当たりが良く朝昼夕と休憩時間も色んな人から声を掛けられ相談を受け…だんだん卑屈になっていく自分がいた。
そんな時、波瑠の彼氏だと名乗る先輩 小坂から声掛けられた。なぜか内緒なのだと。
イケメンで爽やかで大学時代は同じボランティアサークルだったと。
男性慣れしてない真美は、瞬く間に恋に落ちた。
なんせ憧れの先輩が密かに付き合ってるお相手。
お墨付きである。
そんな人が、先輩より自分を好きだと!
「アイツは裏に回ったら人の愚痴ばっかりだよ。
俺にずっと愚痴るんだ。そして、会社では皆仲間!友達!ってニコニコしてさ。
裏表あり過ぎて疲れるよ。」だって♪
真美ちゃんは裏表なくて気持ちが手に取るようで分かりやすいと。可愛いそうだ。
それからは正式な彼女として付き合って貰い、結婚式は波瑠さんも招いて祝福して貰った。
憧れてた波瑠さんより私を選んでくれたのだ!
彼の愛を自信に変えて、波瑠さんの仕事も素直な気持ちのまま会社に申告して自分担当に変えてもらった。
波瑠さんは心配してたが、私は波瑠さんより愛された女なのだ!
自信を持って仕事に打ち込んだ…
が、引き継ぎが悪かったのかトラブル続きで彼は取引先をどんどん失って行くように。
波瑠さんがきっと裏に手を回して、私たちの愛を邪魔しているのだと小坂が泣いて訴えた。
なんて姑息で卑怯な女なんだろう。
真美は怒りに震えて波瑠さんに何度も苦情を言いに行った。
上司にも報告したが、なぜか困った顔をされる。
確かに証拠はないけど…小坂がそう言っていたのだ。
私は愛した夫を信じてる。
とうとう小坂の鳥取への転勤が決まった。
ずっと東京生まれの東京育ちだ。地方なんて知らない。会社は真美の処遇は何も言わない。
仕事を続けたければ別居だ。
親は離婚したら?と言うが、小坂は泣いてすがった。
小さい時からすごい大金かけて塾も私学も通ってきた。女子大だって。
親は、真美の為に花村ホールディングス入れる為に5000万近い金を生まれた時から掛けて育ててくれたのた。
その花村を辞める?
でも、でも友達で離婚してる子なんていない!
それは恥なのだ。女子大の校訓でも白百合のごとく清廉であれと言われてきた。
「私は小坂の転勤先についていきます。添い遂げます。」と泣く親に告げた。
初めての地方はビックリするほど人が居なかった。
お花とお茶の資格あるのでお教室をしょうとしたが、全く人は集まらなかった。
それに両親との食事会に呼ばれなくなると、小坂は「金持ちの親がいないお前なんか、ただのバカ娘じゃん。
バーカバーカバーカな世間知らずのバカ娘♪とか歌ってからかう様に。
思わず夫のご両親に電話で愚痴ると「あらあら、わがままなお嬢様育ちなのね〜結婚したんだから、夫の軽口ぐらい流さないと。
いつまでもお子ちゃまじゃないんだから。」と反対に叱られた。
訳が分からない。
親は離婚しろと泣いてたので、今さら愚痴の電話も出来ない。ネットで東京の情報を見ながら泣く毎日だ。
こんな田舎なんて暮らしたこともない!
会社の中の情報も夫のパスワードで見れる。皆、キラキラと働いている。初の女性役員も出たそうだ。
旦那さんも同じ会社だが、最初から転勤はお互いに単独でこなし、別居歴はすでに30年とか書かれていた。
「あ〜っ、失敗した〜」と声にして嘆く。
この頃は夫の転勤で仕事をやめて働いてないのに「この寄生虫!虫は出ていけ!メシマズだしマグロだし!
金持ちの娘だって以外、なんにも取り柄のないバカ女!」と毎日言われる。
「アナタが辞めて付いてきてくれと言ったんじゃない!」と言っても「鳥取でもバリバリ働いてくれると思ったんだよ。なんだよ〜どこも受からないじゃん!バカだから〜」と蹴りまで入るように。
…親にだって手も挙げられたことないのに…
手で叩くのは手が汚れると足で蹴られる。
「私が汚い!綺麗と可愛いとしか親にも言われたことないのに!」と鏡を見たら、本当に田舎のオバちゃん成りかけのアラサー女が居た!
「あの、あの男のせいだ!」思わず声にして叫ぶ!
アイツを信じて結婚して会社辞めて、こんな田舎まで付いてきたせいだ!
「親が私をあの会社入れる為にどれだけ小さい時から金かけて時間を費やして塾の送り迎えから、付き添いやら学校への寄付して支えてくれたか!
その私と親の努力と時間と金を、あの男が全て台無しにしたんだーーーーーーーッ!」とやっと気付いたのだ。
なのに!
「俺さあ〜結婚相手間違えたわ。波瑠、今度課長だってよ!ほら、見ろ!すげ〜
相変わらず美人だしな。
なんでお前なんかと結婚したんだろ?ハァ~」と思いっきり人の顔見てため息をつく。
『こんな男の心にもない軽い嘘に乗せられて波瑠さんに噛み付いてマウントして!
私は本当にバカだった。波瑠さんが付き合ってるのを隠したのは、コイツが皆に嘘つきホラ吹きのいい加減野郎だとバレてるからだったんだ!』と今やっと気付いたのだ。
『…でも、波瑠さんだってもっと親身になって忠告してくれたら?
そしたら私は今頃バリバリ働いていたのに…せめて別居して単身赴任してもらったら…』とタラレバが頭を駆け巡る。
この頃、タイムリープもの流行るのは、こういう思いの人が多いのか?
私は戻っても絶対失敗する気しかしないなあ〜
結局黙って卒業式の彼女の告白聞くだけで終わるなあ〜




