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楓花と敬一郎は、犯人の持っていた書類を見ていた。
「楓花さん、保護したのは3人ですよね?」
「そうです。」
「奴隷売買の書類はこれだけです。他の2人は…」
「ララさんは、攫われたっていっていたわ。」
「私が話す事はできますか?」
「はい、大丈夫だとは思いますが…あの子たち靴がないので、外に出せなくて…」
「そうでした。こちらをどうぞ。」
敬一郎がビニール袋を差し出した。
楓花は受け取って中を見た。
「あっありがとうございます!」
「悩んだのですが、革靴は一般的には履かないのでできるだけシンプルな布の靴にしました。」
取り出してみると、上履きだった。
小学生が履いているアレだ。外を歩くのに適しているかどうかはわからないけれど、まぁ、履かないよりはいいだろう。
楓花が車のドアを開けた。
「ララさん、リリーさん、サナもう大丈夫よ。この靴を履いて出ていらっしゃい。」
「靴?」
「くつ?はいていいの?」
「もちろんよ。履いたら出ていらっしゃい。」
サナが最初に勢いよく飛び出てきて、マントの上から抱き着こうとして弾かれた。
「いた…」
「ごめんね。飛びついたら駄目よ。」
楓花はガードに弾かれたことに気が付いて、サナを抱き上げた。
すぐにララとリリーも出てきた。
「これは…」
「この子がサナで、ララさんとリリーさんです。」
「この方はケイさんよ。」
「ケイ・イチロー・ヒシだ。いろいろと確認させてもらう。」
楓花が子供たちを紹介し、敬一郎が自己紹介したところで視界が一瞬暗くなり、サクラが下りてきた。
子供たちが、突然現れた大きな鳥に怯えて楓花の近くへ寄った。
「大丈夫よ。この子はサクラというの。」
楓花がサクラに近づくと、サクラは頭を下げて楓花の体に頭を擦り付けてきた。その頭を撫でる。
「それで、ケイさんサクラをどうします?」
「ああ、この子は威嚇のためですから、何もしなくていいですよ。」
敬一郎は、人攫いたちの元へ近づいた。
「お前たちは、我がグリフォン騎士団の者に危害を加えようとした。連行するから荷台に乗れ。」
人攫いの男たちは、グリフォンが楓花に従っているのを見て理解したらしい。
観念したらしく項垂れてしまった。リリーたちが乗せられていた荷車に乗せられ、外からドアを閉められた。
その荷車は、ロープを掛けられグリフォン4羽に吊り上げられた。
「ええ…!?こわっ…」
「あのように連行すると、大抵は白目を剥いて失神しますね。」
「まぁ…そうでしょうね…」
ガードギリギリまで来たリハルドさんが、左肩に手を置いて大声を出した。
「閣下!連行は終了しました。」
ケイさんがリハルドさんの元へ行ったので、楓花も近づいた。
「では、この子たちから聞き取りをしよう。」
「はっ!」
「怖がらせないように女性がいいかな?」
「では、フローラとアントワーヌを連れてきます。」
「ああ、そうしてくれ。」
「それでしたら、テーブルとイスを出しますね。」
楓花はサナを下ろし、倉庫を開けた。
テーブルを下すと、敬一郎も一緒に手伝ってくれる。
それを見て、リリーとララも手伝いに来た。
それらを車から少し離れたところに置いた。
「楓花さん、聞き取る女性騎士と聞いた内容をメモする騎士と4人くるからガードへ入れてもらえるだろうか?」
「もちろんです。」
楓花は、ウエストポーチから四角いシールを取り出した。
女性2人と男性2人がやってきたので、シールを貼らせてもらう。
「もう大丈夫ですので、中へどうぞ。」
椅子は隣り合うように2脚ずつ、斜めの向かい合わせで並べてある。それが2組あり、その後ろの間にテーブルを置いていた。そこにも椅子を置き、聞き取った分を書き込めるようにした。
「書き取る方は、テーブルをお使いください。」
「何から何までありがとうございます。」
「いえ、この子たちをお願いします。ララとサナは、攫われたようなので家へ帰してあげたい。」
先にララとリリーの聞き取りが始まった。
待っている間暇なので、ブルーシートを広げた。楓花は、サナを座らせバスケットを出してきた。
「ケイさんもどうぞ。」
「ありがとうございます。では、お言葉に甘えて…」
「君は、サナという名前だね?」
「うん…あのねぇ…フーカがねぇ…」
サナは人見知りをしないらしく、敬一郎と会話を始めた。
どうやら敬一郎は雑談をしながら、聞き出そうとしているので楓花はそっと席を外し、外からやり取りをしてくれていたリハルドに声をかけた。
「すいません、ケイさんが小さい子から聞き出しているので、記録をしてもらえますか?」
「はい、かしこまりました。フーカ様、入れてもらってもよろしいでしょうか?」
「失礼しました。腕を出してください。許可を貼りますね。」
楓花はlリハルドの手の甲にシールを貼った。
「どうぞ中へ、書くものはありますか?」
「はい、こちらに。」
リハルドは、胸ポケットからメモ帖らしきものとペンを取り出した。
楓花は、一度サナの元へと戻る。
「サナ、飲み物を出してくるから、ケイさんとお話ししながら待っていてね。」
「うん、わかったぁ…」
楓花はバスケットから、コップとポットを取り出しサナにはミルクココア、ケイと後ろにいるリハルドには紅茶を出した。
それから、車へ戻り大きなポットにはちみつ紅茶のティーバックを入れて、お湯を注いだ。そこに砂糖を入れて混ぜる。
そのポットは書き物をしているテーブルに置き、カップ7つに注いだ。
「そちらは?」
「はちみつ紅茶です。体が温まりますから飲んでください。魔の森は冷えますからね。」
「ありがとうございます。」
それらのカップを子供たちと騎士たちへと渡す。
飲み物を出されて驚いているようだったが、楓花が口をつけて見せ子供たちも飲み始めた。
騎士たちは、敬一郎に視線を送る。
通常、こういった飲み物には、毒が入っていることもあり断るものだ。
敬一郎も飲んでいるらしく、カップを持ち上げて見せた。
騎士たちはそれを見て、頭を下げて口をつけた。
「甘い…」
「はちみつを入れています。」
「そんな高級な…」
「聞き取り頑張ってくださいね。ララさん、リリーさん…つらいお話しもあるかもしれないけれど、お話しして差し上げてね。」
「うん」
「では、ポットにお代わりもありますので、お願いしますね。」
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