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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第6章 娘たち

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3万pvを超えました♪

読んでいただきありがとうございます。


 楓花は出来上がった干し肉を袋詰めにし、棚へと入れた。

 もう一度、煮た肉を並べて機械にかける。


 オークの干し肉を1袋ずつ棚から取り出した。

 熱風乾燥と冷凍乾燥させたものだ。

 フレーバーなしの炭酸水を用意して、味を比べることにする。


 熱風乾燥させたものは、かなり薄くなっていた。噛んでみると歯ごたえのあるよくあるジャーキーの薄めの味だった。

 冷凍乾燥したものは、煮た時の厚さの半分程度でサクサクガリガリとしていて食べやすい。


 「これは危険ね…たくさん食べてしまいそうだわ。」

 

 両方を1枚ずつ取り出して湯を掛けた。

 冷凍乾燥させたものは比較的すぐに元の肉に近い形状に戻った。食べると触感が少しもそもそとするものの食べられないことはない。

 熱風乾燥させたものは、厚い鰹節を湯につけたように色のついた汁が底に出ていた。まだ戻ってはいないようだ。


 「それなぁに?」

 「食べてみる?」

 「うん!」

 「サナ!だめだよ、食べすぎ…」

 「ララさんとリリーさんもどうぞ。食べられる時に食べるのは悪い事ではないわ。」

 

 3人に1枚ずつ熱風乾燥させた物を渡した。

 水をコップに入れてテーブルに置いた。


 「これしょっぱいね。」

 「そうでしょうね。お水を飲みながらどうぞ。」

 「ありがとう」

 「ありあとー」


 午後は干し肉を作りながら、子供たちにオセロをさせて過ごした。

 夜になり、夕食にまたハヤシライスを食べてもらった。今度は目玉焼き付きにアレンジした。それから子供たちにシャワーを浴びさせて歯を磨いてもらう。

 それから、ダブルベッドで眠らせる。


 「フーカも一緒がいい。」

 「私はまだやることがあるのよ。それにここは狭いからね。3人でいっぱいよ。」

 「む~」

 「私はそこの上がってすぐのところで寝ているから、安心してね。声をかけてくれたらすぐに来るわ。」

 「本当?」

 「もちろん。サナもララさんもリリーさんもしっかり寝てね。子供は寝ないと大きくなれないのよ。」


 楓花は3人の頭を撫でてベッドの足元にあるカーテンを閉めた。

 これで明かりは気にならないだろう。

 楓花はソファーのところで本を読み始めた。


 日が変わる頃、楓花は運転席に移動して敬一郎にLIMOを送った。

 

 「イルルジオーネで、いろいろあり子供を保護しました。どうしたらいいかご相談したいです。」


 すぐに折り返しの通話がかかってきた。

 

 「菱沼です。どういう事ですか?」

 「朝早くから申し訳ありません。実は、昨日仕事を終えてすぐに渡りまして…それで、子供を車でぶつかってしまって…」

 「え?」

 「でも、すぐに手当をして、ポーションを飲んでもらって治ったのですが…」

 「ああ、なるほど。それで?」

 「その子が人攫いから逃げて来たっていうので、話を聞いたらあと2人いるというので…」

 「は?」

 「それで、その子たちを救出したのはいいのですけど…自分の町の名前もわからないらしくて…」

 「ちょっと待ってください。保護したって…盗賊たちのねぐらに行ったのですか?」

 「いえ、そうではなくて…子供たちを乗せた荷車にガードを使って近づいて、寝静まっているところで保護したのです。」

 「なるほど、それで盗賊たちはどうしていますか?」

 「ガードのところで何かしていますが、今のところ大丈夫そうです。」

 「はぁ…そうですか。今はどちらにいますか?」

 「虹湖です。」

 「ふむ…では、すぐに向かいますが…そちらの昼くらいになると思いますので、そのままお待ちください。」

 「わかりました。申し訳ありませんが…お願いします。あのっ、申し訳ないのですが、子供の靴を3足お願いします。サイズは…」


 敬一郎とやり取りを終えると、楓花も安心して眠りについた。


 翌朝、楓花は子供たちを起こした。

 

 「フーカ!」

 

 サナが、ぎゅっと抱き着いてきてかわいい。

 あの子が育っていたら、このくらいだったかもしれないとふと思ってしまった。


 「フーカどうしたの?」

 「うん、大丈夫よ。ちょっと思い出しただけ。」

 「ふ~ん…」

 「朝ですからね、口を漱いでいらっしゃい。ごはんを用意するわ。」

 「うん」

 「ララさんとリリーさんは、気分悪くはないですか?」

 「うん、すごくいい気分。」

 「それならよかったわ。」


 子供たちがバスルームに行ったので、楓花はスープを作る。

 子供たちの食欲はあり、食べておかしい様子もない。

 飢餓状態からのごちそうは命を落とすことがあるので、不安だったが問題はなさそうでよかった。

 子供たちに何となく聞いたけれど、苦手な物や体調が悪くなる食べ物はないというのでアレルギーの心配は必要なさそうだ。


 野菜とウサギ肉を煮込んだスープを作る。

 パンにチーズをのせて、電子レンジについているおまけのオーブン機能で焼いた。今度トースターを積んでおこう。


 朝食を終えて、子供たちがオセロを楽しんでいるとドアをノックされた。

 ドアを開けると、敬一郎が立っていた。


 「楓花さん、ご無事ですか?」

 「はい。こんなところまで申し訳ありません。ちょっとお待ちください。」


 楓花は剣を下げて斜め掛けバックを掛けた。マントを着て外へ出ると、制服を着た男たちが、誘拐犯たちを捕まえていた。

 

 「あの方たちは?」

 「ヒシ家の者たちです。この間の第一騎士団ですよ。魔の森は自由管理地ですから。」

 「自由管理地?」

 「管理者が実質いないのです。入る者は訳アリか、狩りに来ています。」

 「そうですか。」

 

 楓花は、敬一郎と共に縄を掛けられた誘拐犯たちの元へと向かった。

 敬一郎は、楓花の紹介はしなかった。


 「ああ!やっぱりいたじゃねーか!こいつが俺たちの商品を盗んだ!俺たちは被害者だ!」

 「奴隷制度は廃止されている。商品というのは認められない。」

 「なんだと!」

 「まぁいい。お前たちはこれからヒシフォートに運ぶ。そこで取り調べだ。」

 「は…はぁぁ!?」

 

 「楓花さん、笛を吹いてサクラを呼んでください。」

 「サクラを?わかりました。」


 楓花は、笛を吹いた。

 全く来る感じはないけれど、待つ。

 その間に男たちの馬車が検められ、各種書類が出てきた。

 その中には、リリーの買い取り書類もあった。

 

 「何よ…これ?あの子はたった金貨3枚で売られたの!?」

 「楓花さん。」

 

 楓花は、その書類を見て震えてきた。

 あまりにも頭に来てしまう。町の庶民の月給の1か月半の給金で娘を売るなんて…。

 いくらだって認められない。だけど…それにしても安すぎて…ひどすぎる…。



読んでくださりありがとうございます。

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