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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第6章 娘たち

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3


 楓花は、コンソメ味の雑炊の仕上げに、溶いた卵を流しいれた。

 そこにサナがやってきた。


 「あの、しっこしてくるからドアを開けて…」

 「ん?…おしっこ?」

 「うん」

 「それなら、トイレでしてください。あっみんな来てね。この蓋をあけてパンツをおろして座ってするの。用を足したら、ここの紙をとってポンポンって拭いて、中へ捨ててパンツを履いたら、ここを手前に引いて水を流すのよ。」

 「おぉぉすごい。」

 「なにこれ~」

 「ここには1人で入って、ドアを閉めるのよ。いいわね?」

 「わかった!」

 「では、みんなで出て交代で使ってね。水を流したら、ここで手を洗うのよ。」

 「うん。」



 楓花はトイレの説明を終えると、料理をするためにキッチンに戻った。

 

 卵がふわっとできているので火を止めた。塩で味を調えてかなり薄く仕上げてある。青ネギをちらしてから3つに取り分けた。

 盛り付けているうちに青ネギに火が通り、鮮やかな緑色になった。

 木のスプーンをつけて3人の前に置いた。それとお水もおいておく。


 「どうぞ、召し上がれ。」

 「めしあがれ?」

 「食べていいよってことよ。」

 「食べる!」

 

 3人がバクバクと食べ始めた。

 無言だ。

 美味しいのか聞きたいけれど、食べているのでよしとしよう。

 

 「おいしいかった!」

 「これなに?」

 「卵のお雑炊よ。コンソメ味ね。」

 「コンソメ味おいしい。」

 「たまごって初めて食べた!」

 

 3人はきゃいきゃい言いながら水を飲んでいる。

 そして、歯も磨かずに寝てしまった。

 

 あらら…これは失敗したわ。

 この子たちをベッドに運ぶのは結構大変ね。

 仕方がないので、楓花は一人ずつベッドまで運び、1Fのダブルベッドへ3人を寝かせた。


 楓花は3階で寝ようかとも思ったけれど、心配なのでルーフベッドに寝ることにした。

 ここ最近はただの通り道になっていたけれど、折り畳みマットレスも布団も置いてあるままだ。

 楓花は、脱衣室に転がっている彼女たちの服を大きな袋へ入れて端に寄せた。シャワーを浴び歯も磨いた。

 

 楓花も疲れ切っていた。

 今日は慣れない地域イベントを手伝って、へとへとだったのだ。

 だからうっかりララを轢いてしまった。

 生きていてくれて本当に良かった。

 

 とりあえず、今は眠って起きてから考えよう。


 

 

 楓花は、真っ暗な中で目が覚めてスマホを見た。

 スマホは、日曜日の深夜を指していた。

 違う…これではなくて…朝?

 そうではない。子供たちを保護したのだった。

 大丈夫だろうか?


 楓花は、梯子を下りていくとソファーのところの窓から朝日が差し込んでいた。

 ベッドを見ると、3人仲良く並んで眠っている。

 穏やかな寝顔を見て安心した。

 サナの顔の傷はかなり薄くはなっているから、もう少し薬を塗れば治りそうだ。

 楓花はソファーを見て、敷いたままのバスタオルを外し、床を拭き掃除した。


 それからテーブルを拭いて、朝食の準備を始める。

 まだお腹の調子は本調子になっていないかな?

 何がいいだろう?

 パンがゆ?

 う~ん…ウサギ肉と野菜のスープにしようかな。

 野菜は、人参と玉葱を柔らかく煮込もうか…。

 コンソメ味は良かったみたいだから、チキンブイヨンではなくてコンソメを使うか…。


 スープが煮えていい匂いになってきた。

 パンはロールパンにしようかな?

 ん~プリン液を作って浸して焼く?


 「いい匂い…」

 

 3人が目をこすりながら起きてきた。

 

 「パンとスープを食べる?」

 「食べる!」

 「りんごジュース飲める?」

 「ジュースってなに?食べ物なら食べる。」

 「果実を絞った飲み物よ。」

 「飲む!!」

 「では、バスルームで口を濯いでおいで…」

 「うん?わかった…」

 

 スープカップにスープを盛り付ける。

 パンは小さなお皿に乗せておく。

 いや、さすがにシンプルすぎる。

 ロールパンに切れ目を入れて、薄くイチゴジャムを塗った。


 「では、食べましょうね。いただきます。」

 

 楓花だけが手を合わせて食べ始めた。

 子供たちはそれを見て、食べ始める。


 やはり無言で食べているけれど、表情は明るい。

 身長や様子から見ると、ララとリリーは小学2年くらいかな?サナは2歳くらいだろう。まだ学校に行く年齢ではなさそうだ。

 食事を終えて、子供たちとおしゃべりを始めた。

 

 「3人とも帰るおうちはある?」

 「パパとママが待っていると思う。」

 

 ララが言うと、サナは首を傾げリリーは首を振った。


 「あたしは…売られたから…」

 「そっか…売られたってどうやって?」

 「ん…父さんが、村に来たあの男たちにあたしを渡して、お金をもらっていた。」

 「そうなのね。」

 「サナは?」

 「えっとお…覚えてない。」

 「そっかぁ…困ったね。」

 「ララさんとサナは、住んでいた町や村の名前はわかる?」

 

 2人共首を傾げてしまう。

 村の名前とか町の名前って認識はないのかな?

 参った…これは、明日になったら敬一郎さんに相談しよう。

 今日は、大和の深夜0時から朝8時までだ。明日になってすぐに電話をしてみるしかない。

 さすがに朝8時前は迷惑すぎる。


 そうすると…今日出来ることは、干し肉を作るくらいね。

 ガードがあるとは言え、外で睨み合っているのもきつい。


 楓花は、IHヒーターで煮て干すか、焼いて干すか悩んだ。

 焼くには外に出る必要がある。

 そうなると、彼らに私たちが認識されてしまう。

 う~ん…それに、服も洗いたいよね。

 そうなると…ううん、外に行くのはやめておこう。

 服はシャワールームでもいいか、袋に洗剤を入れて浸け置きしよう。

 

 楓花は、大きな圧力鍋を出して調味液を入れて沸かした。水は少な目だ。

 沸いたところで肉を1枚ずつ入れて広げて煮ていく。ある程度で上げては煮てを繰り返し、全ての肉が広がったら鍋に戻して圧を掛けた。

 圧力鍋なら沸騰5分で火を止められる。

 無尽蔵に使えている気がするけれど、そんなはずはないのでどこかで足りなくなるはずだ。そうでなければ、ガソリンが積まれているはずがないのだ。


読んでくださりありがとうございます。

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