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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第5章 ポーション作り

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 楓花は、干し肉を入れたジッパー袋を見た。


 「どのくらい持つのかしらね?」

 『干し肉:賞味期間は90日』

 「あら…短い?」

 「ん?」

 「3か月しか保持できないみたい。残念だわ。」

 「3か月!?」

 「そんなに?」

 「え?」

 「俺たちが作るのは10日くらいだ。冬場で20日くらい。3か月なんてすごいよ。」

 「本当に?」

 「うん、3か月は長い。」

 「なら、燻した効果はあるのね。」

 「この香ばしい感じが燻した味なのか?」

 「そうですね。一応防腐効果があるはず。」

 「さすがだな。しかもうまい。」

 「美味しい?本当?」

 「うん、うまい。」

 「それならよかった~」

 「少し分けてもらえるか?」

 「え?少しと言わずどうぞ。私は3袋くらいあれば十分よ。」

 「は?」

 「え?」

 「6人で作って15袋しかないのに3袋は、ちょっずるいかもしれないけど、いいでしょ?」

 「いやいや、俺たちに12袋もくれるの?」

 「当り前じゃない。焼いたのはアーサーさんだし、肉を狩ったのはケントさんとアーサーさんよ。」

 「いやぁ…なんつーか…」

 「いらない?」

 「いる!」

 「そうよね。」

 

 楓花は、クスクスと笑ってしまう。

 それを見て、ケントとアーサーは笑うしかなかった。

 随分と欲の無い人だ。あんなに調味料を使い、変わった製法を使ってくれたのに…。

それにこれでは、恩返しをするはずなのに、ちっとも恩返しになっていない。

 ケントとアーサーは、そう思うが目の前のフーカさんが楽しそうだからいいかと甘えてしまう。


 ハナとテンが走ってきた。


 「フーカさん!ガードの外側に人が倒れているの!」

 「人?どこ?ちょっと待っていて、応急箱を持ってくるわ。」


 応急箱には、初級ポーション入りの薬3種類とペットボトルの水、無菌パックされたガーゼや包帯、手袋などが入っている。

 ビニールシートも手に持ち外に行くと、ケントさんが手を出してくれたので、ビニールシートを預けた。

 ガード内許可のシールは、ウエストポーチに入っている。

 他にもポーション3種も入っているけれど、そちらは使わないようにしたい。

 一度キャビンを出て、はっと気が付いて戻った。

 マントを付けていない。腕輪だけではだめだと言われていたのを思い出した。


 ガードの外側に子供が倒れていた。


 「すいません、旅をしていて…子供が倒れてしまって…」

 「少し診させてもらえますか?」

 「診てくれるので?ありがとうございます。」


 楓花は、子供を診てみる。どう見ても栄養失調だろう。ガードの中に入れて、温かい物を食べてもらって…。

 怪我は…打ち身のような怪我が体中にあった。

 これはどちらかというと…。

 楓花は戸惑いつつ、この子を助けるために、ガードへ入れるためのシールを貼った。

 

 「あの…私たちも獣が怖くて、この子と一緒にガード内へ入れてもらえませんか?」

 「はぁ…ガード内へ…まぁいいですよ…」

 

 楓花が、一緒にいる大人たち4人にもシールを貼った。

 どう見ても親ではない。

 でも、それを言うとハナやテンだってケントやアーサー、ルーシーの子ではないだろう。あまり突っ込んでもねぇ…。


 「ケントさん、そこにブルーシートを敷いてもらえますか?それと、アーサーさんその子をここに移したら、これをこの子に飲ませて…」

 「わかった。」

 

 楓花は、ハンドタオルにペットボトルの水を含ませ、出ている手足を拭いていく。それで青タンや黄色くなってきた打ち身部分を癒していく。

 

 「ハナさん、テンさんちょっといい?お湯とパンとお肉を焼いて持ってきてくれる?」

 「え?食べさせるの?」

 「耳を貸して」

 

 楓花は、ハナの耳元へと小声で指示を出した。


 「用意してくるね。」

 「食べ物を用意してくれるので?」

 「ええ、お腹が空いているでしょう?少し食べて落ち着くといいわ。」

 「そりゃあ悪いねぇ…」

 

 子供は、癒し水を飲んで少し顔色がよくなっていた。

 楓花は丁寧に手足を拭いている。

 一時的な手当などは、意味がないかもしれないけれど、助けられるものなら助けてあげたい。


 ルーシーさんがやってきて、肉を乗せたパンと白湯を振る舞った。

 食器は彼らの物だ。旅人はコップや深皿を持ち歩いているらしい。



 「これは肉かい?」

 「ウサギ肉です。パンは黒パンですけどね。」

 「いやぁ、こんな贅沢な物…悪いねぇ…」

 「どうぞ召し上がってください。このガード内にいれば安全です。明日の朝までは、どうぞゆっくりして大丈夫ですよ。」

 「そうかい、悪いねぇ…」

 「では、ごゆっくり。」


 楓花は、挨拶をすると車のところへと戻った。

 

 「外に出した物は一度片付ける。服を持って上へあがっていてくれ。」

 「フーカさんは…俺、一階の席で過ごしていいか?出歩くなら声をかけてくれればいい。」

 「えっと…どうして?」

 「なんとなく、あの連中は心配だ。子供の怪我とあの連中の様子に違和感がある。」

 「そう言われるとそうかもね。私も一度2階に上がります。少し話をしましょう。」

 

 楓花が2階へ上がるなり、ハナが謝った。 


 「フーカさん、ごめんなさい。」

 「いえ、倒れていたら心配になるのは当たり前よ。」

 「でも…一緒にいる人たちがあまりよろしくない。」

 「そうですね、でも…そんなに心配はいらないですよ。」

 「どうして?ガード内に入れてしまったのに?」

 「実は…このガードに入れるには条件が合って、許可はもちろんですけど…」

 「他にも?」

 「はい…私に害意がない事が条件です。害する意図があるなら、中には入れません。」

 「でも、彼らは…中に入ってから害するつもりになったら?」

 「それは…どうなるのかしら?でも、きっと大丈夫ですよ。」

 「外に出るなら、一緒に行く。俺はベッドで眠れなくても構わない。助手席に座らせてくれ。」

 「えっと…大丈夫ですよ?」

 「大丈夫じゃない。1人にはさせられない。」

 「そうよ。ケントを使ってちょうだい。アーサーがよければ、アーサーを私でももちろんいいわ。とにかく1人になるのはダメ。」

 「それなら、ケントさんお願いします。下に降りてキャビンへ戻ります。」

 「わかった。先に降りる。」


 ケントが先に降りて、楓花が降りていくと男2人が立っていた。

 

 「どうかしましたか?」

 「いやぁ、小僧がかなり良くなってね。あの水を譲ってもらえないか?」

 「癒し水を?金貨2枚ですが…」

 「は?金貨2枚!?ポーションを買えるだろうが!」

 「そうですね。」

 「あのなぁ、おばさんは知らんのだろうが…ポー…」


 男2人が、腰のナイフに手を伸ばしたところで、ケインは剣を抜いた。



読んでくださりありがとうございます。

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