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楓花は、鑑定のおかげで出来上がり具合がわかる。今は65%完成らしい。
火にかけつつ、ゆっくりと混ぜ続けた。
しばらくして、1鍋目のポーションが出来上がった。
火から下ろして、自然放熱させる。
その間に、容器を用意した。
専用容器は沸騰していても大丈夫なようだ。
熱いうちに一度ステンレス製のコーヒー用の細い口の薬缶に移した。
薬缶の口が細いので移しやすい。消毒済みの専用容器は18個しかない。あとは新品も用意していた。それらに注ぎ終えるとそれから、86度に下がるのを待って用意した120㏄ペットボトル容器に注いでいく。
2鍋目と3鍋目もゆっくりと蒸発させる段階になっていて、ハナとテンが手伝ってくれていた。
ケントとアーサーは、またもや狩りに行っている。
どうやら、臭いは漏れているらしくブラックベアーがやってきているらしい。
寄ってきたブラックベアーを討伐してから、ガードの範囲を15mに広げた。そうしないとブラックベアーを吊るす枝がなかったのだ。
さすがの楓花も、解体ナイフの存在がまずいことは理解していた。
「ポーションってこうやって作るのね。私たちに見られて大丈夫なの?」
「構わないですよ。分量を覚えて作ってみても構わないです。」
「ええ!?」
「出来上がりの見極めが難しいので、そこは私もうまく説明できませんので、見て覚えてとしか言えないです。ハナさん、混ぜるのを交代しましょう。」
「うん、手が疲れたよ~。」
「そうよね。ありがとう。椅子に座って休憩していてね。あっお茶を煎れてもらえる?」
「うん、いいよ~」
「沸騰しているから気を付けるのよ。」
「うん」
鍋2つの間に、お湯を沸かしていた。
ハナさんとテンさんが休憩に行って、テンさんが混ぜていた3つ目の鍋はルーシーさんが混ぜてくれていた。
テンさんがお湯を持っていって、ハナさんがティーバックを開けている。
いい連携だと思ってほほえましく見ていた。
途中、軽くランチを摘まみながら煮詰めていく。
ケントさんとアーサーさんが血塗れで戻ってきた。
「怪我?」
「違う、ちょっと返り血を浴びただけだ。ルーシー悪いけど、着替え下ろしてもらえるか?」
「うん、わかった。」
「上に行ってシャワーを浴びたら?」
「いや、今日は暖かいから川で水浴びをしてくる。ついでに服も洗ってくる。」
「そうなのね、気を付けて…」
「ああ、ありがとう。」
「お待たせ、はい…服…」
「おう、ありがとう。行ってくる。」
2人がバケツを倉庫の前に置いて、川へと向かっていった。
楓花は、そのバケツを倉庫の引き戸の中へと入れた。
「お肉たっぷりですね…」
「そうね…」
「干し肉、そろそろいいかも…どうかしら?」
楓花が見る限り干し肉と表示されていた。
遠くからだと品名しかわからない。ポーションがもう少しなので、離れることもできなかった。
そのまま混ぜて煮詰めた。
「よし、良さそうね。」
「出来上がりとその前の差が、よくわからないわ。」
「見た目はあまり変わらないわよね。」
「ええ…」
ポーションを薬缶に移して、冷めるのを待ち温度が下がったところで容器へと入れていく。ペットボトル120ml容器だ。
鑑定してみると『初級ポーション:状態最良、使用期間20年』と出た。
あれ?正規品と同じだけ保つの?どういうこと?
ガラス容器ではなく、再利用のペットボトルだというのに…どうにも信じがたい。
「ルーシーさん、この手袋を使って干し肉を集めてもらえますか?」
「はぁ…」
「手袋を広げているからここに手を入れて、作業が終わるまでは干し肉以外触らないでね。」
「わかりました。」
「ハナさん、テンさんこの袋にルーシーさんが入れたら口を閉じてもらえますか?」
「うん、やる!」
「ではおまかせしますね。私は一度車に戻ります。」
楓花は干し肉を任せて、キャビンへと戻った。
楓花は、ポーションの入った薬缶を持っていた。
ペットボトルの水2Lを5本とワセリン1㎏1本を取り出した。それと消毒用エタノール4L3本だ。エタノールは2L は残し使用するのは10Lだ。
それらに1割のポーションを混ぜて、容器へと移した。
それを軟膏は220個、消毒薬と癒しの水は550個ずつ出来た。
余ったポーションは500mlの容器に移しておく。
楓花は、籠を用意して作った薬4種類を10個ずつ入れた。
別れる時に天龍のみんなに渡すためだ。
アートンへ行く前に、ヒルストンへ寄って肉を売る予定だ。
天龍の意向を確認する必要はあるけれど、おそらく一か所で売るには多すぎると思う。
だから、ヒルストンとアートンの2か所で売ったほうがいいだろう。
外へ戻ると、ケントとアーサーが戻っていた。
「服を干してくる。」
「服を干すならこれを使ってください。」
楓花が手回しの脱水機とハンガーラックを倉庫から出した。
ハンガーラックはホームセンターでは、1000円ほどで売っているキャスターのついたものだ。キャスターは外してあるけれど、外で干すなら使いやすいかなと思って用意していた。
脱水機と言っても、野菜の水切りのような作りの大きいバージョンだ。一斗缶サイズなので、数枚ずつしか入らない。
「これに服を入れて、こうやってここを回すと…こんな感じで水が切れます。」
「おぉぉ!」
「やりたい!服を洗ってくる!」
「私も!」
ルーシーたちまで服を洗いに行ってしまった。そんなに干せるかな?
「服はこのハンガーにかけて干してください。こうやって置けば乾くと思います。」
「へぇ…いいな、これ…」
「いいですね…服の形も崩れにくい。」
「そうですね…肩を合わせると崩れにくいですね。」
「スラックスとかのパンツ類はこれで挟んで吊るしてください。」
楓花は肩部分がXに開くタイプのピンチハンガーを取り出した。内側にも空気を入れられるので乾きやすい。
洗濯物に囲まれている状態になってしまった。
「あれ?干し肉は?」
「出来上がったので、袋に詰めてもらいました。少し食べてみますか?」
「そうだな…。」
袋の入った籠から1袋取り出した。
ジッパー袋を開けて、1切ずつ食べてみる。
売っているよりは塩が少ないけれど、食べやすい。日持ちは大丈夫だろうか?
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