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連日2作品共にランクインしているようで嬉しいです。
ありがとうございます。
楓花は、肉用のナイフとまな板をテーブルに置くと、倉庫からオーク肉をボールに入れて持ってきた。
「ナイフさん、このお肉を3㎝×5㎝で厚さ4㎜に切り分けて。」
ナイフは軽快に動き始めた。
天龍の5人の目が丸くなっているが、楓花は気が付かない。
楓花は、食べきれなかった肉に塩コショウを強めに振った。
「アーサーさん、これしっかり焼いてください。」
「はぁ…」
持ってきた使い捨て用の網に焼けた肉を並べてもらう。
楓花は、折り畳み式の底のない段ボール製の筒を組み立てた。
中には出っ張りがあり、そこに網を入れると棚になる。下には空気穴もある。下に桜の枝を切ったものを積んでいく。肉がしっかりと焼けたものをどんどん並べていった。
30分ほど燻煙している間に、楓花は眠くなってきた。
「フーカさん、ガード内に人は入れないしもう眠った方がよいのでは?」
「うん、でも…これ風を当てないと…。」
「どうやればいい?」
「えっと…こうやって…網の状態にして一晩おいておけばいいかな?」
「他も外すね。これでいいか?」
「いいですね。では私は寝ます。また明日~」
「おう、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
楓花がキャビンに入るのを見送り、ケントとアーサーとルーシーは苦笑いをしてしまった。
「ハナとテンも寝た方がいいね。シャワーを借りてから寝ようね。」
「うん、今日は箱のベッドに寝るからね!」
「いいわよ。ほら上に上がって…。」
ハナとテンは、前回普通の部屋で寝ていたので、あの箱の中に入るベッドに寝たかったらしい。転がれば快適だけれど、普通の部屋が寝やすいのに狭い方を選ぶとは不思議だ。
「それにしても…これ、ガードの中だから安心して置いておけるが…」
「なければ、獣が寄ってくるな。」
「ああ…あのナイフにも驚かされたし、そりゃあ…ナイフがいいからって言うわな。」
「ナイフが、肉を切り分けるなんて…驚いてしまうわ。大魔導士様って本当に常識がないというか…。」
「いや、でも…フーカさんの場合、そもそも…自分を大魔導士だと思っていない…。」
「そうね。」
「そうだな。」
「ねえ、今日何頭狩ったの?」
「何頭だと思う?」
「オークとウサギよね。焼いて食べたのは1㎏ずつくらいだとして…この干し肉にしている分もあるし…う~ん、オーク1頭に、ウサギ10羽くらい?」
「オーク3頭に、猪2頭…角ウサギはもうわからんが10羽以上だ。」
「ええ!?」
「あのバケツは空間術が施されているらしく、いくら入れても変わらない。」
「うそぉん…」
「本当だよ。」
「だって、アーサーとケントに貸したよね?」
「ああ、借りた。信用しすぎだ。持って帰ってこなかったらどうするつもりだ、まったく…。」
3人の前には薪が焚かれていた。
火を焚く必要はないけれど、なんとなく習慣だった。
火があれば獣は近付いてこない。
「今日は食べすぎよ。甘いお菓子も、ジュースも…お肉も…あのワインはどうだった?酸っぱいのは苦手なのよね…。」
「まだ少しあるぞ、飲んでみろ。」
「あ…うん…ありがとう。」
ケントがコップに少し残っていたものを入れてくれた。少しって本当に少しだ2口分くらいしかない。
「少し過ぎ…」
「しょうがないだろ?」
「あっ…美味しい…なにこれ…」
「変な味のないワインだ。」
「うん、本当にそう。嫌な感じがない…。」
「ワインって当たりはずれがあると思っているけど、フーカさんの持ち物って本当にいい物ばかりね。」
「そうだな。」
「この燻製の道具っていうのも初めてみたわ。それにこの網と言っていた物も。これで風を通すのよね?」
「そう言っていたな。」
「虫が多いのに…見て、虫が寄っていかない。」
「虫よけの魔道具だろうか?」
「そうなのかも…夏場は、干し肉って作りにくいのにね。」
「これがあれば作れるのだな…。」
「それに、見た?あの塩コショウの量!」
「見た。しっかり味じゃないと腐りやすいからって言っていたな。」
「そうだけど!そうだけどね!普通、そんなに手に入らないじゃない。見てよこれ、もうこんなに使ったのよ。そして置きっぱなしなのよ!」
「ああ、そうだな…」
「塩だけでもこんなに使ったら大変なのに、この黒い粒はコショウでしょう?」
「ああ…だめだ、考えるな…」
「そうだ。考えたらだめだ。そろそろ寝よう。テーブルや椅子はそのままでいいと言っていた。塩コショウだけは、仕方がない2階で預かろう。」
「そうね。寝ましょう」
3人は考えることを放棄して、梯子を上がりシャワーを浴び眠りについた。
翌朝、楓花は少し落ち込んでいた。
やってしまった。
人前でナイフを使ってしまった。
あのナイフはあまり使わない方がいいと思っていたのに、お酒を飲んでいい気分になって燻製肉を作りながらやってしまった。
後悔していても仕方がない。
天龍のメンバーだし、大丈夫。
よし、朝食を食べよう。
そして、ウサギの角をゴリゴリ砕いて、ポーションを作ろう。
天龍のメンバーは、お金はいらないと言っていた。肉を売ったお金を折半することになってはいるけれど、私がもらう物が多いからせめて干し肉にした物くらいは、受け取ってもらわないといけない。
あとは、塩コショウを1本プレゼントして、作ったポーションももらってもらおう。専用容器だと日持ちするけれど、遠慮されそうなので小さなペットボトルで渡そう。キャップもあるしいいよね?
外に出ると、もう5人が揃っていた。昨日の焼き台に火を熾して湯を沸かしていた。
そうだ、後半は薬缶も出したのだった。
昔ながらの薬缶が焼き台にのっていた。
「おはようございます。」
「おはよう。」
「火があるなら、パンを焼いてたべませんか?」
「いいですね!」
「パンを軽く炙って、バターを付けたら美味しいと思います。サラダとパンと…コーヒーとこれがミルクです。」
6人で食パンを焼いてバターを付けて食べた。
直火で焼いているからかそれだけで美味しい。
幸せな朝食を食べ終えると、ルーシーが聞いてきた。
「今日はどうします?」
「今日は、ポーションを作りたいので手伝ってもらえますか?手が空いた時に露草の採取もしたいです。」
「わかりました。ではポーション作りからですね。何をしましょうか?」
「それじゃあ、アーサーさんとケントさんは、このウサギの角を砕いてもらえますか?こちらの薬研を使ってください。ハナさんとテンさんは、この草をこの水を入れたボールでよく洗って、3回洗ったらこのザルに入れてね。ルーシーさんも薬研でヒールベリーをつぶしてください。」
「わかった。」
「やってみよう。」
楓花は、計量をして、5人に任せた。
鍋3つ分を計量し、1回分ずつ用意すると干し肉のところへ行き乾き具合を見る。
まだ水分が多いようなので、夕方までかかりそうだ。
出来上がった材料を鍋に入れてかき混ぜながら煮込む。
途中で濾して、また火にかけてゆっくりと水分を飛ばしていく。
その作業を天龍のメンバーたちは見ていた。
戸惑いのない楓花の作業手順に、慣れを感じているのだが、そんなことはなかった。日常的に料理をしているから慣れているように見えただけだ。
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