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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第5章 ポーション作り

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2


 ハナさんたちが、話しかけてくれて賑やかになると、ケントさんが一喝した。


 「こら!うるせー、フーカさんが話せないだろ!」

 「あっ…ごめん」

 「ごめんなさい。」

 「大丈夫ですよ。今日から3日間採取に行きたくて、手伝ってもらえますか?あと護衛もお願いできますか?」

 「もちろん!」

 「報酬は1日金…」

 「フーカさん、報酬は現金はいらない。フーカさんの魔導車に泊まらせてくれて料理を食べさせてくれればいい。」

 「え…それは当然…」

 「当然じゃない。依頼を受けてもそれらは自分で用意するのが普通だ。」

 「ええっ?そうなの?」

 「うん、干し肉と干したパンなの!」

 「そうそう、布にくるまって地面で寝ると冷たい。」

 「それは…」

 「だから、あの快適な車で眠らせてもらえるなら、それで十分だ。」

 「そういうことなのね。だったら、途中で襲ってきた獣については車で運ぶわ。オークの爪と角うさぎの角は私が買い取りたいです。」

 「オークを狩った時には爪は渡す。角ウサギも同じだ。依頼中なら、全部依頼主のものだ。」

 「でも、報酬なしなら…売り上げは全て皆さんで…」

 「それは、だめだ。俺たちでは運べないのだから食材として食べるものを抜き、その上で売った物は折半してくれたらすごくうれしいけれど、それもイレギュラーだ。」

 「それでいいの?後で気が変わったとか言っても約束したら守ってもらうわよ?」

 「大丈夫だ。気が変わることはない。」

 「では、採取の間の護衛と採取の指導をお願いして、金銭はなし。代わりに食事と寝床の提供をする。手に入れた獣については、食べた分以外は折半ね。」

 「お願いします!それでは、すぐに準備をする。」


 4人が家の中へと戻っていった。

 ケントさんだけが残っている。


 「それで、肝心の採取したい物はなんだ?オークの爪はおまけだろう?」

 「はい。癒し草とヒールベリー、ライトフラワー、露草を採取したいの。癒し草はあればでかまわないし、一度に無理なら順番にでも構わないわ。」

 「ちょっと考えさせてくれ。それと移動中は、隣に座ってもいいか?案内のためだ。」

 「もちろんです。ルーシーさんたちは上でもいいですか?」

 「それはもちろん。」

「移動中は危ないから、進行方向に行く出入口近くの部屋のベッドに座っているほうが安心できるのですけど…」

 「わかった。伝えておこう。では、準備をしてくる。」


 楓花は待っている間に、シールの準備をした。

 ルーシー、アーサー、ハナとテンに貼る紙のシールと、助手席に乗るためのビニールシールだ。1枚で1泊2日だから今貼って、また明日も貼らないといけない。

 

 食パンはプライベートブランドの薄切り8枚入り10Pと厚切り10Pを持ってきているから足りなくはならないはず。安物なのは申し訳ないけれど、現金がないので数で許してもらいたい。

 

 楓花は頭の中で食事のシミュレーションをしていた。

 天龍のメンバーに会ったのは1か月ぶりでうれしかったのだ。

 天龍から見たら3か月振りでそれこそ久しぶりなのだが、感覚の違いはそう簡単には埋まらない。


 

 「お待たせした。」

 「では、手首を出してください。ルーシーさんとアーサーさん、ハナさん、テンさんは後ろの梯子を上ってください。移動中は、危険ですから入口側のベッドに座ってくださいね。」

 「わかった!」

 「はい!」

 「ケントさん、助手席へお願いします。」



 楓花は運転席へ乗り込むと、助手席に乗ったケントを見た。


 「ケントさん、シートベルトをしてくださいね。」

 「シートベルト?」

 「これです。ちょっと失礼。」


 楓花は、身を乗り出してケントの左肩からベルトを引っ張り出し、ベルトを締めた。


 「このベルトのここをお腹というか腰に当ててください。お腹だと事故の時に大怪我をしてしまいます。必ず腰を抑えてください。」

 「わかった。こうやって締めるのか。」

 「そうそれで、ここに差し込みますが、外すときはこの赤いところを押してください。」

 「やってみても?」

 「どうぞ」

 

 ケントはフーカが覆いかぶさってきたので、ドギマギとしていた。

 フーカは、ケントの様子を見ておらず、ベルトの差し込み口を見ていた。


 ケントが差し込み口のボタンを押したので、フーカは安心して離れた。

 

 「それで、どこに向かえばいいですか?」

 「癒し草は、町の外の丘で採れる。狼や角ウサギ、モグラが出る地域だから警戒は必要だ。」

 「そうなのね、でも今日はケントさんたちが守ってくれるから安心ですね。」

 「期待に添えるよう努める。」

 「ヒールベリーは、町から徒歩で2時間の場所にある湖の近くに群生地がある。収穫すると鮮度が落ちるのが早いから癒し草を先に採取したほうがいいだろう。」

 「へぇ…わかったわ。他の2つは?」

 「ライトフラワーと露草だが…ライトフラワーは冬から春にかけて採れるから今はない。露草は夏から秋の時期で、そろそろ終わりだから森に入らないとないだろう。」

 「そうなのね、それだとライトフラワーは、今度ね。露草は今回採取出来なかったら…来週だと困るわね。出来れば露草は欲しい。癒し草とヒールベリーがあれば初級ポーションは作れるし…。」

 「は?初級ポーションの素材なのか?」

 「はい、他の素材はあるのでその2つは最優先だったの。手に入りそうでよかったです。」

 「はぁ…、フーカさん、ポーションの素材は極秘中の極秘だ。俺は聞かなかったことにするから、他では言わないようにしたほうがいい。」

 「わかったわ。忠告ありがとう。」

 「では、最初に癒し草の採取をできるところを教えてください。」

 「もう門まで来たのか、早いな…」

 「門を出て右?左?」

 「左だ。歩いて30分くらいで…ああ、その先だ。あの木が2本並んでいる近くにあるから少しゆっくりと走ってもらえるか?」

 「わかりました。」


 楓花はスピードを落とした。

 ゆっくり走らせると、野原のような場所に出た。あの野原に似ていたけれど丘になっているし木があるのでもちろん違う場所だ。


 「この辺りで停めるといい。」

 「ありがとう。」

 

 「ナビさん、ガードを3m、ステルス解除にして。」

 『かしこまりました。ガードを3mに設定、ステルスを解除します。』


 楓花は車のエンジンを切った。


読んでくださりありがとうございます。

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