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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第5章 ポーション作り

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 ゴールデンウィークで有給を使った楓花は、手ぶらで出社というのは抵抗があり、実家のある北海道土産を取り寄せて出勤した。

 一応電話をかけて、親とは会話をしておいた。


 「おはようございます。長いお休みありがとうございました。」

 「橘さん、おはようございます。」


 課長はデスクについていたが、顔を上げて挨拶をしてくれた。


 「休みありがとうございました。お土産を休憩室に置いてもよろしいでしょうか?」

 「もちろん。楽しみだな、ありがとう。久しぶりのご実家はどうでしたか?」

 「はい、両親も元気でした。」

 「そうか、よかった。橘さんもいい時間だったようだね。」

 「そうですか?ありがとうございます。」


 楓花は、自分のデスクに戻り仕事を始めた。

 休みの間に溜まった書類が積み上げられているので、これを仕分けるところからだ。


 課長は、自分の正面の島にいる橘を見た。

 なんだろう?面接に来た時のような顔をしている。

 旦那さんを亡くして以来、ずっと無表情だったし、身の回りにも構わなくなって化粧もしなくなっていたけれど、少し心境の変化でもあったのだろうか?

 いや、化粧をしているわけでもないのか?それにしては肌の血色がいい。

 いやいや、そんな観察をするのは不味い。セクハラで訴えられてしまう。


 橘楓花は、仕事はできるものの無表情であまり話さない。

 昔はおしゃべりに参加していたと思うが、事故以来ぼーっとしていることが多かった。突然涙を流すこともあるので、上司からもあまり触れないようにとお達しが出ていた。

握力に問題があるため、資料の整理など重い物は持てないようだが、腕力で解決できるようにと筋トレイをしているとは言っていた。

 人差し指での作業は出来ないが、中指から小指に掛けての指をうまく使っているようだった。

 仕事のメインは研究のため、観察力がありスポイトやビーカーなどを持てるなら、遠心分離機など固定の機械にかけられるので仕事に支障はない。

 自分の与えられたことを黙々とやるタイプだ。そして定時に帰る。就業後の付き合いには参加しない。


 書類を片付けた橘さんが、ロッカーに向かったので白衣に着替えて中へ入るようだ。

 分析道具や機材が並んでいるため、出入りは厳しく制限されていた。

 つい行動を目で追っていた課長は、誰に見られているわけでもないのに取り繕うように頭を掻いた。

 ゴールデンウィーク明けの楓花の様子に、見守ってきた社員たちは安堵していた。



 仕事を終えた帰り道、楓花はショッピングセンターに立ち寄った。

 目的はなかったけれど、たまには普段行かない場所へ行きたくなった。

 九州フェアがやっていたので、立ち寄ってみる。


 五島列島のソーメンや小豆島のオリーブオイルやオリーブ漬けなども並んでいた。

 新婚旅行で行った九州を思い出す。

 夫の運転であちこち走って観光をして回った。

 軍艦島に行きたかったけれど、そこまでは行けず長崎の出島などを見て来た。

 レンコンのからし漬けが美味しかったと思い出し、つい手に取ってしまう。


 それから、他のフロアーを回りウインドブレーカーが投げ売りをしていた。

 これからでも売れると思ったけれど、今年の商品とは色合いやデザインが大きく異なっていた。

 なるほど…売れそうもないのか。

 それに、セール時期も過ぎてはいるのね。

 品を見てみると、派手なオレンジやピンクといった物が多い。それもMとLは少なくてLLやSSやSといったサイズのものが多い。

 なるほどね…これは特殊すぎる300円って安いけれど、それでも売れるかな…。


 楓花は、店を出て家電量販店に入り、ふらふらと見て回る。

 そういえば、後ろの棚にもコンセントはついていた。

 延長コードがあれば少し自由度が広がる?

 それに…扇風機は欲しいかも、ドライヤーはスイッチの切り忘れが心配で貸せないけれど、ルーシーさんやアーサーさんは髪が長いから風があれば乾きやすいのでは?

 だめだめ、買う物は最低限で…こっちの収入が増えるわけではない。

 向こうの稼ぎがこちらに結び付くといいのだけど…。

 これから薬草採取だし、秋になれば寒くもなってくるだろう。

 ヒールフラワーは冬から春と言っていた。

 そうなれば採取もさらに大変に…そうよね。寒くなる。子供たちを連れていくなら、温かい服は必要になる。それに…さっきのウインドブレーカーあの値段ならケントさんたちの分も揃えられる。

 楓花は、家電量販店を出て先ほどの店に戻ると派手な色合いの品の中から、サイズを選んでいった。SSから3Lまで合わせて15品だ。2Lや3Lもあるので、ケントさんやアーサーさんの肩幅があっても着られるはず。15点買っても5000円程度とは本当に安い。1度で破れても仕方ないと思えるお値段だ。

 Sサイズはハナさんやテンさんに着てもらうために選んだ。

 彼らは細いのでこれくらいのサイズだと思う。




 楓花は、6月初旬の週末はイルルジオーネの虹湖にいた。


 「とりあえず、初級ポーションと中級ポーションの材料を集めないと…。」

 

 清水は十分にある。

 癒し草は、野原で集めた。

 他に必要なのは、中級の材料である、オークの爪、ライトフラワー、露草だ。

 それと、初級の材料であるヒールベリーそれに角ウサギの角だ。

 

 必要なのは…ヒールベリー、ライトフラワー、露草の3種類。

 オークの爪と角ウサギの角は、魔の森の向こうからやってくる獲物だけでも収集できるだろう。

 キャビンに積み込んだ道具を、それぞれの場所へ移動させてから楓花は、アートンにある天龍のチームハウスを訪ねた。


 「こんにちは、天龍の皆さんいますか?」

 「フーカさん!お久しぶりで。前回は留守でごめん。」

 「いえ、残念でしたが大丈夫です。天龍の皆さんのご都合がよければ採取を教えてもらえますか?」

 「もちろん、丁度依頼を終えたところだ。」

 

 ケントさんと会話をしていると、他の4人もやってきた。


 「フーカさんだ!」

 「採取に行くの?」

 「恩返しさせてくれるの?」

 「一緒に行きたい!」

 

 わちゃわちゃとし始めた。


読んでくださりありがとうございます。

リアクションと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。



物産展でからしレンコンが出ているとつい手が伸びてしまいます。


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