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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第4章 リストシア

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4


 楓花たちは、運転席と助手席に移動した。

 

 「ナビ、空間移動で虹湖へ移動。」

 『かしこまりました。虹湖へ空間移動します。』

 

 次の瞬間、楓花たちは虹湖にいた。

 鬱蒼とした森だけれど。湖の周囲は、いつも通りの野原でそこだけ明るい。

 

 「春だというのに、かなり暑いかも…」

 「あぁ…ここはもう夏です。そうですね、ここにも四季がありますが、同じ12か月ではあっても…向こうの世界から考えると1か月ずつで、季節が変わります。それから年度替わりの時期も異なります。秋の収穫祭が年の終わりで、冬の初めが年始めとなります。」

 「へぇ…大和とは少し違うのね?」

 「そうですね、感覚的には12月にお正月のようなものです。」

 「なるほど…」

 「えっと…そうなると、今5月が夏なら…」

 「6月が秋、7月が冬です。7月は冬ですから、温度差に気を付けてください。」

 「冬ですか?雪は降りますか?」

 「はい、残念ですが降ります。7月の2週目・3週目は雪が積もっています。」

 「それだとスタッドレスタイヤにした方がいいですか?」

 「そうですね、タイヤ交換の機材は車庫にあると思いますが、使い方は声をかけてください。一緒に交換しましょう。時季外れなので、スタンドにはもって行きにくいと思うので…。」

 「普通のタイヤ交換であればたぶん大丈夫です。北海道育ちだからか、うちの父が自分で乗るもののタイヤくらい交換できないなら乗るなとか言う人でして…」

 「ええ?」

 「一応、よほど忙しくない限りは自分で春と冬のタイヤ交換はしていました。」

 「それは…大変ですね。」

 「そうですね。ジャッキとかも車に積まれている基本装備でやるので…」

 「それはつまり、全部人力で?」

 「そうです。あの手回しのジャッキも使えますよ。」

 「それは頼もしい。それであれば、心配はいりませんね。」

 「タイヤ交換に関しては大丈夫です。問題は、季節感が違うのなら相当気を付けないといけないことですね。」

 「そこはご注意してください。ああ…そうだ、設定をしましょう。」

 「設定ですか?」

 「はい、ナビの初期設定に時期を限定した声掛けの設定が出来たはずです。ええっと…ああ、これです。」

 「3月、7月、11月の最初の案内時に…冬の準備は整っていますか?タイヤはスタッドレスにしましたか?これでいかがでしょうか?」

 「いいと思います。ありがとうございます。」

 「いえ、これで一安心ですが、もし交換せずに行ってしまったらすぐに引き返してきてください。」

 「わかりました。あのっ…」

 「どうしました?」

 「1年で3回も冬が来るってことは、わかったのですが…それってつまり…こちらに来ている間にその分余計に年を取るということでしょうか?」

 「ああ…なるほど、そう思いますよね。」

 「はい…。」

 「ご安心ください。なぜか、こちらにいる間は、時間が止まっているようなもののようです。」

 「え?」

 「この世界イルルジオーネにいる間は、時間のカウントはされないようで、むしろこちらに来ている分肉体的にはゆっくり年を取ります。精神年齢は時間を過ごした分年を取るので、そのバランスがちぐはぐになりますが…。」

 「へぇ…そうなのね。」


 楓花は、敬一郎を見た。

 見た目は大学を卒業して2、3年の若者に見える。でも、一緒にいて会話をすればもっと落ち着いた大人であることも理解できた。なるほど、こうなるのか…。


 「はい。例えば…週に1日分、つまりこちらに3日いると年間辺り52日ほど年を取っていないので、3連休などに2日と考えると、年間当たり2か月近く年齢はずれ込みます。6年で5年分しか肉体年齢は重ねていないことになります。」

 「まぁ…それってちょっとすごいですね。」

 「アンチエイジング出来ます。」

 「はぁ…単純に、休日が増えて楽しく過ごせて年を取らないなんて…」

 「そう単純ではないですが、有限なはずの時間にある程度余裕を持てます。」

 「なるほど…」

 「では、そろそろ車の装備を見せてもらってもいいですか?」

 「はい。もちろん。少し待ってくださいね。」


 「ナビ、ガードを10mに設定。ステルスを解除。」

 『かしこまりました。ガードを10mに設定しました。ステルスを解除しました。』

 

 「お待たせしました。では、車を降りましょうか。」

 「ええ、案内をお願いします。」


 楓花たちは車を降りると、車の後部へと回った。

 

 「ここが、外から入る2階部分です。」

 「これが…。」

 「先に上がるので、ケイさんはついて来てください。」

 「わかりました。」



 敬一郎は、楓花が2階に入るのを待ってから梯子を上った。

 部屋に入って驚く。狭いけれど、元の広さとは大違いのスペースが広がっていた。

 倍…いや3倍以上になっていそうだ。

 空間拡張をこの広さを固定させて、生き物の出入りが出来るようにするとは、なんて能力だ。

 敬一郎は、改めて御大の偉大さを感じていた。


 「ベッドのある個室が2つと、カプセルホテルのベッドのようなベッドが4つあります。」

 「すごいですね。」

 「廊下には収納式の椅子がテーブルの下に隠れています。引き出して使用できます。」

 「へぇ…」

 「奥にシャワールームとトイレもあります。」

 「え?」

 「あと、数時間部屋から出ていると自動的にお掃除されています。シーツとかもビシッと戻っています。」

 「それは…すごいですね。」

 「ここは、外からしか入れない空間になっています。では、一度降りましょう。」

 

 敬一郎は、キャビンに入って驚いた。先ほどは、人を殺すところを楓花に見られてすぐだったこともあり、敬一郎も動揺していた。ソファーセットくらいしか見ていなかったが、改めて見てみると広い。


読んでくださりありがとうございます。

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