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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第3章 ヒシフォート

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9


 見慣れない容器を目の前にした敬一郎たちは、楓花に尋ねた。


 「失礼、鑑定してもいいでしょうか?」

 「どうぞ。」

 

 『中級消毒薬:吹きかけたところの傷を治す。膿んでいる傷もゆっくり治せる。飲むのは毒である。』

 『中級癒し薬:飲むと軽い症状を治す。1本飲むと傷を最大6時間かけて修復する。』


 とんでもない効果だ。

 聞いた事のない薬だった。


 

 「これはどうしたのですか?」

 「私が作りました。作るというか加工しました。混ぜて作ったのよ。」

 「これを?」

 「はい…ダメでした?」

 「いえ、ダメというか…」

 

 敬一郎は、聞いたこともないポーションの使い方に戸惑っていた。

 そのまま使うものであり、他の物と混ぜてしまっては、効果がどうなるのか分かったものではない。それを混ぜる?どこからそんな発想を?


 しかも、ポーションそのものよりも治療の幅が広い。特に消毒薬は、ポーションの欠点を補い完璧なものにしていた。目や粘膜には使えないが、これはこの世界では、革命的ではないのか?


 「閣下、報告を続けてもよろしいでしょうか?」

 「ああ、そうだな。」

 「襲撃者たちは結界に阻まれたために、外に押し出されるまでは襲撃者だと気が付かなかったようです。いつもの護衛だったそうです。」

 「ほぅ…」

 「そうですか…」

 「楓花さん、結界の条件はありますか?」

 「ええ、私の許可があること。ただし…。」

 「ただし?」

 「許可があっても、私に害意があれば弾かれます。」

 「なるほど…。何か言っていたか?」

 「はい。その…魔導士は、使えるから捕獲推奨との伝令文書を持っていました。渡される前に押さえられました。」

 「なるほど…」

 「こちらになります。」


 敬一郎はそれを受け取り、目を走らせると目にぐっと力が入った。

 禄な内容ではなさそうだ。

 薬を作らせる道具として使えるとか、料理をさせればよいとか書いていたのかな?その程度ならまぁ普通にやってしまいそうだけど…自由がないのは嫌だ。



 「わかった。」


 敬一郎はその紙をリハルドへ返した。

 それから、敬一郎の視線がメイドへ向けられた。


 「お部屋の準備は整っております。」

 「そうか、それはよい。楓花さん、お疲れでしょうから部屋を用意しました。まだ話さなくてはならないことが山積みですので、今日のところはお休みください。」

 「えっと…そんな申し訳ないです。私帰ります。」

 「だめです。明日の朝、お話ししましょう。」

 「わかりました。」


 敬一郎の迫力にのまざるを得なかった。


 「楓花さん、こちらのお薬は、いただいてもよろしいでしょうか?」

 「あっはい、どうぞ。」


 楓花は、メイドに案内されて客室へと向かった。

 客室の前には、女性騎士が立ち警戒をしている。ベランダはないが、窓の外側にも廊下があり警備が立っていた。


 広い…うちのリビングダイニングよりも広いわね…。

 広い部屋の奥には、大きな天蓋付きのベッドが一台ある。その横にドアがあり、水回りがあった。

 ベッドから離れたところにカウチとソファーがあった。窓際には丸テーブルとイスも置かれている。

 着替えとかはバックにあるけれど…。

 とにかくお風呂に入ろうかな…。

 こういう部屋で寝るなら、少しは気楽にいてもいいかな?

 楓花は、着替えを取り出し、タオルを掛けた。


 「失礼します。お風呂のお手伝いに参りました。」


 メイドが部屋に入ってきて驚いた。


 「お手伝い?使い方を教えてくれればそれでいいわ。」

 「いえ、ですが…失礼しました。それではご案内いたします。お風呂にお湯をご用意しております。こちらの樽に水がございますので、お風呂のお湯と水を合わせて、ちょうどよい温度にしてからお使いください。」

 「体を洗い、御髪を洗いましたら湯も冷めております。まだ熱いようでしたら、水を足してご使用ください。」

 「なるほど、そういう使い方なのね。わかりました。それでは、呼ぶまでは部屋に入らないでほしいの。」

 「かしこまりました。」


 楓花は、メイドが外へ出るのを待ってキャンピングカーを取り出した。

 キャビンに入りシャワーを浴びる。すっきりさっぱりした状態でバスタオルを巻いて出てきた。お風呂はまだそれなりに熱いようで、体を洗う分程度のお湯を抜かないとならないようだ。バックの中から、バケツを取り出し5杯ほどの湯を抜いた。抜いた湯はバケツのままバックに収納した。

 そこに水を足して少し熱めで浸かる。

 う~ん…ひさびさのお風呂は気持ちいい。

 お風呂のお湯はどこかから運んできているようだ。大変な作業だと思ってしまう。何をするにも人の手が必要というのは、現代では考えられない。


 まぁ…戦前生まれの祖母は、そういう暮らしだったようだけれど…。

 自分では、着替えひとつできない暮らしなんてねぇ…。

 祖父母にとっては、着替えも何も人に手伝ってもらうものらしかった。当然家事の一切はできなかった。それらはお手伝いさんが、手伝ってやるものらしい。

 遅くに生まれた母と叔母は、親の元で育ったらしいけれど、その兄たちは幼い頃は、外で育てられたという。幼子は、家から出して育てるのが昔の暮らしだったらしい。

 

 お金が無くなった祖父母を引き取り、世話をしていた母は逞しい。

 差別用語や人の気持ちを考えない発言を、聞き流していた。

 いつだったか、祖母を批判したところ「あれでもまだ優しい方。叔母さん方は何倍も上をいっていた。」と言っていた。恐ろしいことだ。


 この家の人たちもそういう生活だろうか?

 メイドさんたちは、辛くはないのだろうか?


 楓花は、ほどほどで考えるのをやめるとお風呂から上がった。

 顔にローションと乳液をつけてからボディローションを身体に塗った。夏場なので、身体にクリームまで必要ないだろう。


 下着を履き、ブラカップ付きのナイトドレスを着た。腰には一応ウエストポーチをつける。知らない場所なので、念のためだ。


読んでくださりありがとうございます。

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