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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第2章 イルルジオーネ

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 楓花は、3人の患者の聞き取りをした。

 1人ずつ、用紙1枚使い記録を取ってもらう。カルテだ。何をしたかを記録してもらうことにした。


 「それでは、患者さんの傷を洗います。お湯はこうやって温度を確認してください。」

 

 楓花は、お湯をよく混ぜながら患者さんに説明しつつ、2人にささやくと、自分の手に垂らして温度を確認した。それから2人の手にもお湯をかけて確認させる。

 

 「たらいに足を入れてください。お湯をかけて傷を洗いますね。」


 傷にぬるま湯をかけて洗い流す。周囲の汚れは取れたものの、結構えぐれていた。

 

 「これは痛いですね。」

 「うん…めちゃくちゃ痛い。」

 「傷を洗ったから、足をここに上げていてもらえる?」

 「うん…」

 「他の人の傷を洗ってくるから少し待ってね。」

 「わかった。」


 ルルとハイドも楓花を真似て傷をお湯で流した。

 他の2人は、最初のシンほどではなかった。


 「それでは、シンさんの傷は膿んでいるのが一目でわかりますね?」

 「はい!」

 「シンさん、消毒するからとても染みて痛いです。歯を食いしばってください。」

 「え…切るの?」

 「切らないでいいようにしたいから、消毒します。効かなければ諦めなくてはなりませんが、効くかもしれないから、我慢してね。」

 「わかった。頑張る。」


 楓花は、シンの目を見てから消毒薬をプッシュした。


 「うぁ!!!」

 「我慢してね。」


 傷口に万遍なく吹きかける。

 シンの足の傷口からは、白い液が流れてくる。


 「このまま薬を浸透させるので、少し待っていてね。」

 「うん…」

 「傷には触らずに、このまま待っていてくださいね。」

 「うん」


 楓花は2人を連れて、別の患者を見に行く。その後ろには、ギルマスのクリスフォートもいた。


 「この傷は、赤いところがないです。腫れもないようなので傷口にこの癒し水を垂らします。」


 患者は、先ほどのシンを見ていたので痛みが来ると思って構えた。

 楓花は気にせずに癒し水を1滴ずつ垂らしていく。4滴程度で傷のあるところに垂らし終えた。傷はみるみるうちに塞がっていく。


 「おぉぉぉ!!!」

 「痛くない!」

 「まだ動かないでください。しっかり傷が塞がるには時間がかかります。包帯を巻いて、2日くらいしてから外してみてください。」

 「ありがとう!ありがとう!薬師様ありがとう!」

 「いえ、私はちが…いえ、お大事にしてくださいね。」


 楓花は、もう一人の患者のところへ行った。


 「ハイドさん、ルルさん、どう見立てますか?」

 「はい。傷は浅いしきれいに切れているから癒し水だと思います。」

 「私も同じです。」

 「よく見てください。傷口のこの辺り少し赤いでしょう?そしてここも…これは膿み始めているので、消毒した方が安心です。疑わしいなら消毒をします。」

 「なるほど…」

 「ハイドさん、患者さんに歯を食いしばってもらってから、消毒をしてください。この辺りに1回吹きかけてください。あ…狙いが外れましたね、もう一回。はい、大丈夫そうです。このまま少し様子を見ましょう。」


 楓花たちは、最初のシン少年のところへ戻った。


 「見てください!膿みが収まりました。」


 シンの家族が嬉しそうに報告する。

 その傷口を楓花は、よく観察した。


 「そうですね…。もう一回吹きかけてもう少し様子を見ます。シンさん、もう一回我慢してね。」

 「うん…うっ…」

 「よし、それではもう少し様子を見ましょう。」


 楓花たちは、最後に見た患者の元へと戻った。


 「赤みも引いたので、癒し水をここと、ここと、ここを狙って1滴ずつかけてください。」

 「わかりました。」


 ハイドが3滴傷口にたらすと、みるみるうちに傷がふさがってきた。

 

 「大丈夫そうですね。念のために2日間は包帯を巻いて動かないようにしてくださいね。」

 

 「フーカ様、少しよろしいですか?」

 「クリスフォートさん、どうしました?」

 

 少し離れた場所へ連れていかれた。


 「治療費ですが…そのお薬のお値段を聞いておらず…。」

 「ああ、そうでしたね。おいくらが妥当だと思いますか?」

 「その…消毒薬なるものは、膿んでいる傷も治せるので見当もつきません。癒し水はポーションでしょうから量が少ないとしても金貨2枚…いや3枚…は…軟膏は使っていないのでわかりませんが、2つの効果が高いので同等かと…。」

 

 ヒルストンでは金貨1枚か大銀貨8枚で売ってきた。距離もあるから値段が違うのだろう。


 「癒し水と軟膏は金貨1枚、消毒薬は金貨2枚ではいかが?ポーションではありませんので、同等のお値段というのもおかしいです。」

 「よろしいのですか?」

 「はい、その代わり患者さんからもらう治癒費は、お安くしてください。人件費や場所代はあるでしょうけれど、できるだけ…」

 「かしこまりました。もちろん、そのようにいたします。」

 「軟膏は…そうですね、クリスフォートさん、手をお湯で洗ってください。あかぎれが多いですね。」

 「すいません、お恥ずかしい…」

 「いえ、かまいません。手をよく洗ってそのまま乾かしたら、この軟膏をつけて刷り込んでください。」

 「はぁ…こうですか?おぉぉぉ!」

 「あかぎれに限らず、擦りむいた時にもいいと思います。」

 「なるほど…これは素晴らしい。」

 「あかぎれなら10数回分はありますから、1回分は大銀貨1枚程度でしょうかね。」

 「はい!」

 「でも、治癒士のお値段もあるでしょうから、そのあたりはお任せします。」

 「はい、ありがとうございます。それで、フーカ様…お薬はいかほど卸していただけますか?」


 ヒルストンで、各40個ずつ卸した。

 アートンの町の人数はそこまで多くないけれど、ダンジョンもあるらしいし、魔の森へ行く人もいる。危険性は、ヒルストンより高い。


 「最大で40個ずつですね。買える数を教えてください。あっ…中級ポーションも4本ほどあります。」

 「え?中級ポーションですか!?」

 

 楓花は、クリスフォートに正式な容器に入れた中級ポーションを見せた。

 

 「本物…。」






読んでくださりありがとうございます。

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