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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第2章 イルルジオーネ

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 楓花は、出かけているらしい天龍のチームハウスの庭に車を停めさせてもらった。車から荷を取り出し、ステルスにして人目がなくなったところで収納した。

 楓花は、大きな袋を網袋に入れて担ぐと、買い取り所へ歩いて向かう。

 この網でできた袋は、引き出しに入っていた物で、入れた物の重さを1/10にする優れものだ。これに入れると楓花でも、どうにか持ち歩けた。

 冒険者ギルドに入り、買い取りカウンターに袋を置いた。


 「すいません、これの買い取りできますか?」

 「証明書は?」


 前回は、天龍のメンバーが売ってくれていたから、楓花が来るのは初めてだった。

 受付の対応が、ひどくぶっきらぼうで驚く。

 楓花は、キーホルダーを取り出した。


 「こちらでいいですか?」

 「これは、ヒルストンの!?」

 「はい、こちらでも使えますか?」

 「もちろんです。品を見せていただいても?」

 「はい、こちらの毛皮と皮で3点です。」

 「これは…ブラックベアーの毛皮1点にオーク2点ですか!?しかも…こちらは矢の穴だけですか?この解体はどなたが?」

 「私です。」


 受付はキーホルダーを見て、手のひらを返したように対応を改めたと思えば、今度は嘘だろ?と言わんばかりに楓花を見ていた。不躾な視線に気分が悪くなる。

失敗した?

 アートンの冒険者ギルドは、天龍の所属先だから安心していたけれど…ここに持ってきたのは、よくなかったかも…。


 「シルフィ下がれ、交代する。」


 男性がやってきて交代した。


 「失礼して申し訳ない。私は、ここのギルマスのクリスフォートです。」

 「楓花です。こちらに来るのは初めてでして。それで買い取りはおいくらになりますか?」

 「少々お待ちを…先に証明をもう一度見せてもらえるか?」

 「どうぞ」


 楓花が、出して見せると、少し目を見開いた気がした。


 「ヒシ家のフーカ様ですね。」

 「関係が多少あるだけで、ヒシ家ではありません。」

 「そうですか…。」

 「こちらの買い取り価格ですが、ブラックベアーの1枚は金貨5枚、もうひとつは傷が大きく入っているので金貨3枚、オークは1枚金貨1枚でよろしいでしょうか?」

 「はい、それで構いません。」

 「では、お支払い額ですご確認ください。」

 「はい、確かに受け取りました。」


 「フーカ様…すいません、天龍をご存じですね?」

 「ええ、もちろんです。」

 「では、彼ら…アーレンとルーシーの怪我を治したのはあなたですか?」

 「…そうですけど…何か?」

 「いえ、ありがとうございます。天龍はアートンでは、貴重なブラックベアーを狩れる戦力なのです。」

 「そうでしたか…。」

 「もし、お時間があり可能であれば…治癒をしてもらえませんか?」

 「治癒?怪我人がいるの?」

 「はい、残念ながら少なくないのです。しかしながら、この町には治癒士がおりません。」

 「そうですか…それでしたら、薬の使い方を教えましょうか?器用で頭がよく実直な方がいいのですが…。」

 「は?…失礼…え?」


 それまで、すまし顔だったクリスフォートさんの表情が崩れた。



 「ちょっと待ってください!治癒士に育ててくれるのですか!?」

 「そこまででは…魔法までは、教えられません。薬を使って治す方法を教えるだけです。」

 「すぐに数人を用意します。御覧いただいた上で、選んでいただいて結構です。」


 クリスフォートさんの声に、周囲がざわっとして、カウンターだったことを思い出した。

 クリスフォートさんが、焦っている。


 「こんなところで失礼しました。別室へご案内します。」


 楓花は、ギルマスの部屋へと通された。

 整理整頓が行き届いていて、ヒルストンのギルマスとの性格の違いが出ていた。


 「使う薬とはどのような物ですか?」

 「それは、こちらです。私の作ったものなので…これ以上の物は作れません。」

 「フーカ様は、薬師様ですか?」

 「いえ、違います。」

 「そうですか?薬を作れるなら薬師様です。魔導士様ということもありますが…。」

 「あ…どちらかというとそちらですね…。」

 「なるほど、失礼しました。確かに魔導士様のお印をつけていらっしゃる。」

 「印?」


 クリスフォートが、自分の胸を突いて見せた。

 ひし形のマークのことだろう。ヒシ家とかいうマークじゃないの?


 「それにしても、魔導士様でこれほど見事に解体をなさる方は少ないです。そういえばヒシ家のケイ閣下も解体は見事ですが、フーカ様と比べると…いや口に出してはいけませんね。」

 「はぁ…まぁ…他の誰かと比較はなさらないほうがよろしいかと。」

 「それにしてもあの皮の裏面と言ったら……」



 何やら、皮と毛皮の状態を熱く語り初めて、最初のすましたイメージはどこかに消え失せていた。

 それを困った顔で見ていると、途中でハッとしたらしい。


 「失礼しました。薬の鑑定をしてもよろしいでしょうか?」

 「もちろんです。どうぞ。」





読んでくださりありがとうございます。

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