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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第2章 イルルジオーネ

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 ヒルストンの冒険者ギルドでは、セイヤが計算をしていた。

 昨日の治療だけで、購入した薬代になっていた。

 今日の稼ぎ分とこの後の稼ぎ分で、薬をたくさん買えそうだ。

 中級ポーションが10本あると言っていた。そのうちの3本を購入したからまだ7本ある。次にフーカ様が来てくれた時には、もっと買うことも出来る。

 大盤振る舞いで売りたくはないが、安心のためにも持っていたい。

 

 それにしても、中級ポーションはともかく薬という物に、ここまでの効果があるとは知らなかった。

 癒しの水というのは初めて聞いたが、効果は抜群だ。

 これほどの物を大銀貨8枚で、購入してしまった。

 消毒薬なるものは、金貨1枚支払ってはいるが、幻のエリクサーといえど膿んだ傷は治せなかった筈だ。

 それを治せる薬が、金貨1枚でいいはずがない。

 世の中を知らないご婦人をだましたつもりはなかったが、結果的にそうなってしまっている。フーカ様が次に来た時には差額を支払わねばならないな。


 セイヤにとって楓花は世間知らずの危なっかしいご婦人だった。

 老年に差し掛かろうとしているはずなのに、娘のような振る舞いのご婦人だと認識されていた。


  


 楓花は、ヒルストンでそんなことになっているとは知らず、魔の森で釣りをしていた。

 トラウトのおいしさを思い出して、魚が食べたくなったのだ。

 キャンプ用のロッキングチェアや折り畳みテーブルも取り出していた。

 それらを車のすぐそばに置いて、トラウト釣りを楽しんでいた。


 運転席の窓を開けて、ナビに音楽を流してもらっていた。

 魚を驚かせないように、控えめな音量だがそれでも休日を感じていた。

 5匹ほど釣り上げた頃、警報音が鳴った。


 『ピーーーー!!敵対行為を受けました!』


 今の楓花は腰にショートソードを携え、ウエストポーチをつけていた。倉庫から取り出した解体用ナイフは肉用と魚用をポーチに入れている。


 車に乗り、敵対行為を受けている場所を確認すると走って向かった。

 足が速いほうではないけれど、ここに来るようになってから体力づくりをしているのでそれなりに動けるのだ。


 ガードの向こう側にいるのは、ここに来た時に見たブラックベアーとオークだった。

 オークがブラックベアーに襲われてここまで来たようだ。

 楓花は、弓と矢を取り出した。

 高校生の時には弓道部に所属していたので、道具だけは持っていた。社会人になってからは使うこともなく実家に置きっぱなしだった。親が片付け中に見つけたから処分していいかと言ってきたので送ってもらったのだ。3階の武器の引き出しから取り出した弓はあるけれど、使い慣れたもので感覚を取り戻したかった。

 住んでいる町に武具店があったので手入れに出して戻ってきていた。


 楓花は、矢をつがえて狙いを定める。

 ブラックベアーの眉間を狙い射った。残念なことに目に刺さってしまったが、ブラックベアーはそのまま倒れた。ガードの内側へ倒れてきたということは、意識もないのだろう。

 口を開けたままなので、大丈夫だとは思うけれど念のために開いた口にショートソードを入れて貫いた。

 

 近くの土を掘り、穴をあけた。札を取り出し書き込むと穴に入れた。

 肉用の解体ナイフを取り出した。

 仕分け用のバケツも用意する。


 「ナイフさん、解体よろしく。バケツさん、皮、血抜きした肉、あばら骨と爪、血抜きした心臓、血抜きした肝臓、矢、それからこの穴に仕分けしない部位を入れてね。」

 

 楓花は、前回より細かい指示をナイフへと出して離れた。

 車の近くに置いたロッキングチェアに戻り、タイマーを仕掛けた。

 20分後に様子を見に行こう。


 時間になって一式を回収すると、倉庫に収納した。

 今はトラウトの気分なのだ。解体ナイフ魚用でトラウトを捌き、半身の皮をむいてからラップでピッチりと包み冷凍庫へ入れた。時間停止の冷凍庫に入れたら凍らないのでは?と思ったが、取り出すと凍っているので凍らせてから時間停止なのか、関係ないのか理屈がよくわからない。

 残りの半身を4つに切り分け、軽く塩をしてプラスチック容器に入れた。

 折り畳みテーブルやロッキングチェアを片付ける。

 そろそろ夕暮れになりそうなのだ。


 楓花は、キャビンに入ると夕食の準備を始めた。

 今切り身にしたトラウトとキノコをたっぷりと使ったムニエルにしよう。トラウトに小麦粉を振り、バターでこんがりと色が付くまで焼く。蓋をして蒸し焼きにして皿へ盛った。持ってきた蕪の漬物も盛り付ける。フライパンにきのこを3種類入れて蒸し焼きにし、しょうゆを入れて焦がす。バター醤油のキノコソースが出来上がるとトラウトにかけた。

 それと、粉末のオニオンスープに凍らせておいたオニオンソテーを1欠け入れる。

 大きなトラウトなので、半身の4等分はかなり大きい。18㎝のフライパンにもりもりだった。

 これだけでおなかがいっぱいになりそうなので、パンはロールパン1つを添えることにした。

 ソファーに座り、フォークとナイフを手に食べ進む。

 ふわふわの身だけれど、表面が香ばしく焼けていておいしい。

 そしてバター醤油がとっても合う!

 ん~食べ過ぎだけど、止まらない。

 お野菜が足りないけれど、まぁそういう日もある。しょうがない。


 まったりと過ごし、スマホで少しゲームもした。

 そして、ベッドでいつの間にか眠っていた。


 朝、目が覚めるとアートンへ向かった。

 ケント達の天龍の家に寄った。

 ノックをしても反応がないので、留守のようだ。

 約束をしているわけではないので、そんなこともあるだろう。


読んでくださりありがとうございます。

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