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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第2章 イルルジオーネ

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 ヒルストンに到着した楓花だったが、前回の事があるので、車から離れることに躊躇してしまう。

 楓花は、ショートソードを助手席に置き、マントを着た。

 それから、門をくぐり、白い石畳を走る。冒険者ギルドの白い建物の前で車を停めた。

 すると、兵士が駆け寄ってきた。


 「こんにちは」

 「こんにちは、先日の大魔導士様ですね?今日はいかがしましたか?」

 「お肉を売りに来ました。セイヤさんを呼んでもらえますか?」

 「はい!ただいま、すぐに。このままお待ちください!」


 兵士が、建物の中へと駆け込む。

 

 「ナビ、ガード範囲を1mにして。」

 『かしこまりました。ガード範囲を1mに設定しました。』

 「ありがとう」


 楓花が、車の外へ出て、寄りかかって待っているとセイヤさんがやってきた。


 「フーカ様、いらっしゃい。」

 「セイヤさん、またお肉の買い取りをお願いしたいです。」

 「ありがとう。もちろんだが、前回に続いてすごいな。今日は何の肉だ?」

 「野角うさぎです。お肉と心臓と肝臓があります。毛皮は大量に…」

 

 周囲の人たちが、わっと沸いた。

 前回売りに来たのを見ていた人たちが、集まってきたらしい。

 「今日はお肉が売られるよ!」「お肉買って!」と声が聞こえてくる。


 「すぐに戻って来たと思ったら、また大量だな。」

 「前回のもありますし、多すぎるようなら、他へ持って行くので買い取れるだけで…」

 「いえ、全部買い取る。前回の肉は、干し肉を作っている。」

 「ああ、なるほど…それがあったわね。」

 「え?」

 「いえ、なんでもありません。荷車へおろすので持ってきてください。」


 それから、荷車1台分の肉と2台分の毛皮を倉庫から取り出した。

 

 「それで終わりです。」

 「では、フーカ様建物へ行こうか。前回のようなへまはしない。しっかりと守ろう。」

 「お願いします。でも、少し待ってください。」

 

 車を収納する手段もあるけれど、実際問題人がいなくても車が盗まれる心配はない。ガードが発動しているのだから近づくこともできないのだ。

 人前では、アイテムバックを見せない方がいいらしいから、ステルスに条件を付けてみよう。出来ないかもしれないけど、それでもやってみる。


 「ナビ、少し離れます。敵対行為を受けたら、すぐにステルスにしてください。」

 『かしこまりました。ガード1m維持。敵対行為を受けた時には、ステルスになります。』 

 「お願いね。」

 

 条件付きも出来るらしい。よしよし。

 楓花は車を降りて、兵士たちに「少しお願いします。」と声をかけて建物に入った。

 今回、兵士は4人いた。

 四隅に立ちしっかりと守ってくれるらしい。


 建物の中に入ると、肉が袋から出され大騒ぎをしていた。


 「フーカ様、今計算をしている。その間に、別の商談をしてもいいか?」

 「別の商談ですか?どうぞ。」

 「実は…肉を入れていたこの袋だ。前回のものは、洗って乾かしてある。」

 「あら…」

 「水を漏らすこともないから、血がしたたり落ちることもなかった。」

 「そうですね。穴が開いていなければ、大丈夫だと思います。」

 「とても素晴らしい袋だ。この袋と今日の納品に使った袋を売ってもらうことはできないだろうか?」

 「この袋を?構いませんが、肉が入っていた物はよく洗って生肉にだけ使うと約束できますか?他の物を入れるのは進められません。お代はいらないです。」

 「わかった。それはそのように通達できる。それで代金なしは、だめだ。あのように貴重な物だ…金額なのだが…その甘えになるが、恰好として銀貨2枚にしてもらえるだろうか?」

 

 銀貨2枚ということは2000円くらいか、1頭分に25枚前後使用しているからこれと今日の分で100枚、1枚20円?妥当な金額だろう。そもそも収めるために使っているので、お金をもらうつもりもなかったのだけど、いいのかな?

 (価値としては1桁違うが、楓花はわかっていない。)


 


 袋を返すのがマナーだとしたら、お金の袋を返していない。

 失礼なことをしていた?


 「わかりました。それでお願いします。」

 「いいのか!?よかった。助かる。切った肉を入れるにも、大量で入れる物に困ったのさ…」

 「そうですよね。あの…お金を袋に入れて渡していただいていますが、あの袋はお返ししないといけないですよね?私、そういうことに疎くて…」

 「いや、あれはいい。大金を渡すときには、袋に入れて渡すのがマナーだが、その袋を返すことはしない。次に誰かに渡す時に使うものだ。」

 「そうですか、それならよかった。」

 

 楓花は、バックの中から食器用洗剤を1本取り出した。油汚れを付けた時の応急処置用にいつも小瓶を持ち歩いていた。けれど、こちらではバックに入れれば解決するから、元のボトルのまま持ち歩いていた。そのほうが1滴たらすことも出来る。

 楓花は、その食器用洗剤ボトルを1本セイヤへ渡した。

 

 「これは?」

 「洗剤です。脂汚れをよく落とします。袋の中に水を少し入れてからこれを3滴くらい入れて良く振って洗うといいです。裏返して盥で洗ってもいいですし…。」

 「洗剤?よくわからないが、これを使って袋を洗えばいいのだな?」

 「はい、そうしてくださいね。」

 「それと…お肉ではないものを購入しているなら、こういったものはどうですか?」


 楓花は、軟膏とボトルを取り出して並べた。

 



読んでくださりありがとうございます。

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