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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第2章 イルルジオーネ

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2



 楓花は、読み取ったものの、マントの効果の差がよくわからない。

 まぁ…いいか。

 防刃はともかく防汚があれば汚れを防げる。森の中も街中も土埃がすごかったから助かる。

防炎付きなら安心だ。バーベキューをしても臭いはつかないかもしれないし、うっかり火が付く心配もない。

 

 楓花は、ベージュのマントを着て外へ出た。今度こそ車を見て回り、収納できるか試す事にした。

 この斜め掛けバックに入らないといけないのよね。

 そうなるとどこが入るかな?

 あっサイドミラーなら入りそうだ。

 楓花はバックの口を開けて持ち、サイドミラーに被せた。

 その瞬間、キャンピングカーが消えた。


 「おぉぉ!すごい!」


 楓花が、予想通りの展開に感激した。

 それから周囲の圧に気が付いた。獣臭が漂ってきて警戒をする。

 そうだ、ガードは車を中心なのだから、今ガードが展開されていない!

 まずい!

 楓花は慌ててキャンピングカーを取り出した。

 すぐにガードが展開され「ぐぎゃっ」と変な声も聞こえた。

 

 キャンピングカーは、先ほどと反対向きに取り出してしまっていた。

 助手席側を入れたけれど、運転席側が目の前にあった。

 

 『ピーーーーー!!敵対行為を受けました!』

 

 楓花は運転席に乗り込んで、ナビに位置を出してもらう。

 どうやら、複数個所から私に向かってきた獣がいたらしい。そりゃあ、人間が1人でいたらいい獲物だろう。

 車に戻り、剣を手に取った。

 ガード内から、刺すくらいはできるといいけれど…。

 握力がないので、あまり圧が強いと手が負けるなと思いながら、ナビが示した場所に向かった。


 結果的に言うと3か所の獣は潰れていた。

 食べることは、出来そうもなかったので、見なかった事にした。

 小さめの猪は、剣1刺しで仕留められた。思いの他軽い感覚に驚く。


 もう1か所はブラックベアーだった。この間の大物だ。

 グォォォ!!と叫びながらガードを叩いていたので、剣で心臓を狙おうと思ったけれど体が厚いので剣を通す自信が持てず、首を狙った。

 頸動脈を傷つけられたらいいと思って剣を振るったところ、首を刎ねてしまった。首が森の方へと飛んでいき、体だけがガード内へ倒れてきた。

 この剣の切れ味すごすぎる。

 間違って自分に刺さらないように気を付けないとね。

 剣を振って血のりを飛ばしてから鞘へと納めた。

 

 さてと、これをどうするかが問題ね。

 私の力では持ち上げられる気がしないけれど、血抜きしないと食べられない。

 楓花はキャビンに戻り、ロッカーからロープを持って戻った。猪の後ろ脚にロープを括りつけてから、 ロープの反対側を枝に投げてひっかけ降りてきたロープを引き、猪を吊るした。

 首を剣で切ると血が流れ出てくる。

 猪は、これでよし。

 問題は、こっちの大物よね。持ち上がらなくても、せめて斜めにはしたい。脚にロープを括りつけてから、ロープの反対側を枝に投げてひっかけ降りてきたロープを引いた。到底、楓花の力では持ち上がらないはずだけれど、持ち上がってしまった。

 なにこれ?ロープの力?このロープ何?


 『魔法のロープ:防刃・防汚・防炎・軽量加工あり。縛った物を軽量化する。』

 

 軽量化!?

 軽量の意味が違うぅ…。

 普通は、そのものの重さの話しでしょうよ。

 どうして縛った物を軽量化するのよ!

 意味が分からない。わからないよ。わからないから、考えるのはやめよう。

 うん、これで血抜きもできるのだから、悩む事はない。問題はこの後だ。これらをどうやって解体するのかが問題だ。

 

 楓花はキャンピングカーに戻った。

 運転席の後ろにドアがあった。軽ワゴンにあるみたいなドアに違和感を覚えた。私、キャンピングカーで来たよね?色はくすんだ水色と紺色だしキャンピングカーで間違いない。

 こんなドアが、あった?だってソファーの後ろだよ?ドアがあったらおかしいよ?

 

 開けて見ると中には両サイドに棚のある部屋があった。

 

 へ?

 えっと…外観から見ると、運転席と軽自動車の後部座席のところに4段の棚があるような小部屋だ。その下の段には引き戸がついている。

 うん…これは倉庫かな?

 入ってみると、ひんやりとしていて外とは温度が違っていた。

 エアコンの効いた部屋のようだ。

 そういえば、気温は高くないけれど…動けばそれなりに汗をかく。夏も近いのかもしれない。

 入り口すぐには、少しのスペースがあり、釣り竿とタモや虫取り網、シャベルなどが立てかけてあった。反対側には灯油ポンプが5本置かれていた。

 棚には厚みの薄い金具の留め具がついた木の箱が10個重ねられていた。

 そして、その上にはノートが置かれていた。

 

 楓花はノートを手にした。

 ノートには、絵と解説があった。

 どうやらここに積まれている物の詳細らしい。


①解体ナイフ10本:自動解体機能、自動刃研ぎ機能、刃こぼれ防止。汚れ防止。

(鳥用・小型用・大型用・熊用・竜用・蛇用・ワニ用・魚用・甲殻類用・万能用)

②仕分けバケツ40個:5m範囲内に対して自動仕分け機能付き。内容量は4㎥。軽量化加工あり。仕分けには、札が必要。

③自動ポンプミニチュア:指定した量を移す。

④調合道具:自動洗浄付き。箱に戻すと綺麗になる。

⑤スポイト50ml、30ml、20ml、5ml、1ml各9999本。

⑥万能ポーション専用容器30ml9999本入り小箱5箱。

⑦高級ポーション専用容器50ml9999本入り小箱5箱。

⑧中級ポーション専用容器100ml9999本入り小箱10箱。

⑨初級ポーション専用容器150ml9999本入り小箱10箱。

⑩仕分け札9999枚入り5箱・ペン10本入り小箱10箱入り:バケツや容器に使う札。


 【その他】

 ・①~⑤は、車の中か車の持ち主から離れるとステルス状態になる。持ち主が明確に認めた場合にはステルスにならない。

 ・水を無限増幅可能。

 ・汚物や使用済みの水の処理:汚物は分解し倉庫の右側下部の箱へ収納する。良い肥料となる。

 ・棚の下の段は時間停止付き。


 楓花は、灯油の自動ポンプの下を見た。

 A5サイズの箱がある。これが汚物入れか…引き出してみると薄茶色い粉が少し入っていた。

 なるほど、ここまで分解されるならかなり沢山入りそうね。臭いもなくてよかった。

 

 ①は助かるし、②も便利そうだ。内容量の多さはここまで来たら気にしない。

 重さも気にしなくていいなら助かることこの上ない。調合道具やポーション容器はまぁ、使うかわからないけれど在って困るものではない。

 ポーション容器上位2つは5つ並んでいて、大きいはずの下位2つが細長いのは不思議だなと1箱取り出すと奥に長く入っていた。

 うん、この木箱そのものが空間拡張されていて、中の小箱も空間拡張されているのかな?まぁ、いろいろと気になるけれど省スペースなのはいい事だ。




読んでくださりありがとうございます。

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