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楓花は、鑑定を待った。
敬一郎が鑑定レンズを向けた。
そして、目を見開くと顔を強張らせた。
何が見えたのだろう?
「ケイさん、リハルドさん、他人にはどう見えるのか知りたいので書き出してもらえますか?」
「わかりました。」
A4用紙を1枚ずつ渡した。
敬一郎はびっしりと書き始めたが、リハルドは半分ほどまでだった。
書き終えたリハルドは、おずおずと差し出した。
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フーカ・タチバナ 40才 大和人 死別
癒しの神女・清めの神女
聖なる泉の持ち主
ヒシフォートクラレンス侯爵家当主の義妹
ヒシフォート騎士団グリフォン隊相談役
大魔導士(土・火・水・雷・闇・聖・光の7属性)
薬師・指導者
契約獣:グリフォン(サクラ)
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「詳しくわかるのね…。」
巫女が神女になっているのは、表現の違いだろうか。
私の言葉に、リハルドさんが問いかけた。
「神女というのは?」
「神に祈りや舞を奉じる女を指します。」
「祈りや舞ですか?」
「はい。そういう家に生まれただけですよ。お祭りで奉納舞とかあるでしょう?」
リハルドさんの目が宙を彷徨う。そういう習慣はないのかな?だとしたらピンとこないかも。
「神殿で行われる舞のことだ。」
敬一郎の声が静かに響いた。
敬一郎は、書き出した紙を楓花へ渡した。
私がケイさんを見たのと同じように、かなり詳しく出ていたようだ。
会釈をして紙を受け取ると、さっと見てバックへ収納した。
「楓花さんが運ぶ水が、癒しの水になるのは癒しの巫女だったからですね?」
「そうみたい…自分ではよくわかっていなかったけど。今年は清めの巫女を仰せつかっている影響かも…。」
「それは、その座にいるのは今だけですか?」
「う~ん…普段通りでしたら4・5年に1回廻ってきます。」
「なるほど…」
敬一郎が難しい顔をしたまま腕を組んで考え込んだ。
待っていると、エルが桃を切ってくれた。
紅茶を飲みつつ、桃を食べる。
口に入れると甘酸っぱくてとろりとしていて美味しい。
「フーカ様、死別というのは?」
「それは…夫を亡くしているの。」
リハルドさんが目を見開いて私を見てから、敬一郎さんを見ていた。
「楓花さんは、結婚していた。国に届けは出していないから、他言しないように。」
「かしこまりました。失礼な事をお聞きして申し訳ありません。」
リハルドさんが、頭を下げている。
困った。
どうやって話題を変えようかな?
「楓花さん、リハルド実は…。」
改まった敬一郎を見て、楓花とリハルドも姿勢を正した。
「今回の深淵の魔石は、過去数回現れた深淵の魔石と酷似していた。」
「深淵の魔石って似るの?」
「最初はそう思ったのですが、こちらをご覧ください。」
目の前には、過去の深淵たちの魔石を写した絵が並べられた。
元の獣には関係なく、同じ魔石の形状をしていた。
何枚も並べられるにつれて違和感が出てきた。
「3種類の形状ですか?種族か属性か何かで分かれるの?」
「3種類が交互に現れていると思っているとは思っていました。ただし、これらの魔石は聖神殿での清めを終えると、下の形状になって戻されていました。」
「え?」
「形状が違う…。」
「その通りだ。形状が違う。だがそういう物だと言われてきた。」
「石なのに変わるの?」
「おかしいですよね?」
「ええ、おかしいと思う。」
「そこで、今回は楓花さんの聖水を使い清めました。映像を出します。」
敬一郎は、定点カメラの動画をテレビへと映した。
音はなく映像だけだった。
黒い魔石から少しずつ黒が抜けて透明感が出てきた。
「形状は変わらないですね…。」
「そうです。変わりませんでした。」
「それって…清められずに入れ替えられていたの?」
「フーカ様、それは流石に…。」
「楓花さんの言う通りです。差し替えられていました。続きをご覧ください。」
聖水が抜かれて、新しく注がれた。最初の時は魔石近くにガードが展開されて水が満ちていたけれど、今回は檻の広さにガードが展開されていた。たっぷりの水に浸かった魔石は美しく透明な色に変わった。
大勢の白い服の人たちが入って来て、魔石を取り囲むと魔石が浸かっていた水が流れ落ちた。
その瞬間、数人が消えて真っ黒な魔石が落ちた。
「!?」
楓花とリハルドは、身を乗り出し目を瞠った。
「今のもう一度よろしいですか?」
「ええ、どうぞ。」
敬一郎からリモコンを受け取り、何度も戻して再生した。
「この白い人たちは何者ですか?」
「聖神殿の教皇と神官たちです。」
「では、この立派な法衣の方が教皇?」
「そうでした。」
「他の神官も金糸が入った法衣ですね…。」
「ええ、聖神殿の聖職者・聖騎士の上位の者たちが魔石になりました。」
聖職者が魔石に!?
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