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敬一郎は、楓花が礼を述べると説明を始めた。
「ここでは、人族にも種類があります。それはご存じですね。」
その言い方自体が妙だった。
以前、ギルバートさんを鑑定した時に人族が複数あることは知っていた。
「人族には、人間、真人、鬼人がいます。ここまでは、我が騎士団や領にもいます。」
「ええ…」
「森人は、書物には登場していて実際にいた記録も残っています。」
「記録ですか?」
「はい、彼らは非常に長生きで、現在私が確認している森人は一人だけです。」
ギルバートさんを指しているのは分かった。
「400年でしたね。」
「ええ…」
以前鑑定した時には、そのように出た。
「リハルドさんは、これから300年以上生きてしまうかもしれない。」
「そんなに時間があるのですか?」
リハルドさんは茫然としている。
それはそうだろう。
300年以上というのはあまりにも長すぎる。
それほど長い時間を生きるには精神力が必要だろう。
耐えられるものだろうか?
「それは、時間がありますね。いろいろな事が出来そうだ。」
「そんな軽い時間じゃないわ。」
「この先、何代も見守れるということですよね。」
「!」
わかっていないと思ったけれど、その意味を分かっているの?
それをわかっていると言うなら、私はそれ以上言うべき言葉はなかった。
「リハルド、お前は今日をもって騎士団長から解任する。」
「御意」
敬一郎の言葉に、楓花は青くなる。
私に誓いを立ててしまったから、敬一郎さんの元にいれられないの?
私のせいで、そんなことになってしまうなんて…どうしたら…。
リハルドは膝をついて、敬一郎の言葉を受けていた。
「リハルド、我らの至宝である楓花さんの護衛に任ずる。」
「謹んでお受けいたします。」
「ただし、お前がついていけない場所がある。ほとんどそちらにいらっしゃるのも事実だ。その間は、騎士団に相談役としているといいだろう。」
「御…かしこまりました。」
リハルドが立ち上がった。
楓花の用意したスエット姿でも、やはり恰好いい。
背筋が伸びているし体幹がしっかりしているからだろう。
リハルドは楓花へ向きを変えると、膝をついた。
「フーカ様、護衛騎士として任に当たらせていただきます。」
断りたい。
めちゃくちゃ荷が重い。
敬一郎さんへ視線を向けると口角を上げた。
どういう表情?
「リハルドさんは、ケイさんの騎士でしょう?私になんて…」
「楓花さん、貴方には今まで通り過ごして欲しいですが、護衛が出来る者が必要です。」
「それは…天龍の皆さんもいます。」
「彼らが常時守れる訳ではありません。別の依頼を受けて不在のことだってあります。」
「それは…そうですが…。」
「リハルドをお使いください。普段は騎士団に置きます。楓花さんが、こちらにいる時にお使いください。」
敬一郎さんは真剣だ。
リハルドさんが、私を見上げていた。
「リハルドさん、旅に出ることもできますよ?」
「フーカ様が出るならば、どこにでもお供します。」
「そうじゃなくて、行きたいところとか見たい場所はないの?」
「私には時間があるようです。長い先の時間でも出来ることですから。」
「そうか?ふむ…。」
敬一郎さんが、何かを考えている。
「リハルド、俺を鑑定しろ。」
普段、楓花の前では私といっている敬一郎が「俺」と言った。
しかも、自分を鑑定させるのだから、リハルドさんは息をのんでいた。
「よろしいのですか?」
「構わない。分かっていると思うが、この場以外では話すな。」
「それはもちろんです。では、失礼します。」
リハルドは、敬一郎に鑑定レンズを向け、そして絶句していた。
「大和人と出ています。聞いたことがありません。」
「そうだろうな。寿命はあと150年くらいだろう。」
「そんなに!?」
「寿命だけなら森人には負ける。」
敬一郎の言葉にいつから競う話になったのか?
「私も見てみますか?見せていただきましたし…。」
「よろしいのですか?」
「それなら、楓花さんも私を鑑定してください。私にも見せて欲しい。」
「もちろん、どうぞ。」
楓花は、敬一郎を鑑定した。
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菱沼 敬一郎 28歳(49歳) 大和人 独身
沼田弁護士事務所(所長)
沼田マテリアル株式会社(相談役、筆頭株主)
ヒシフォートクラレンス侯爵領領主、元帥
魔導士(土・火・水・雷・闇の5属性)
契約獣:グリフォン(マテリアル)etc…
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情報量が多い。
両方の情報があるからだろうけど、これは私が見て本当に良かったのだろうか?
「ありがとうございます。では、私もどうぞ。」
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