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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者: 夢
第20章 深淵とは何か

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10


 敬一郎は、楓花が礼を述べると説明を始めた。


 「ここでは、人族にも種類があります。それはご存じですね。」


 その言い方自体が妙だった。

 以前、ギルバートさんを鑑定した時に人族が複数あることは知っていた。


 「人族には、人間、真人、鬼人がいます。ここまでは、我が騎士団や領にもいます。」

 「ええ…」

 「森人は、書物には登場していて実際にいた記録も残っています。」

 「記録ですか?」

 「はい、彼らは非常に長生きで、現在私が確認している森人は一人だけです。」


 ギルバートさんを指しているのは分かった。


 「400年でしたね。」

 「ええ…」


 以前鑑定した時には、そのように出た。


 「リハルドさんは、これから300年以上生きてしまうかもしれない。」

 「そんなに時間があるのですか?」


 リハルドさんは茫然としている。

 それはそうだろう。

 300年以上というのはあまりにも長すぎる。

 それほど長い時間を生きるには精神力が必要だろう。

 耐えられるものだろうか?


 「それは、時間がありますね。いろいろな事が出来そうだ。」

 「そんな軽い時間じゃないわ。」

 「この先、何代も見守れるということですよね。」

 「!」


 わかっていないと思ったけれど、その意味を分かっているの?

 それをわかっていると言うなら、私はそれ以上言うべき言葉はなかった。



 「リハルド、お前は今日をもって騎士団長から解任する。」

 「御意」

 

 敬一郎の言葉に、楓花は青くなる。

 私に誓いを立ててしまったから、敬一郎さんの元にいれられないの?

 私のせいで、そんなことになってしまうなんて…どうしたら…。


 リハルドは膝をついて、敬一郎の言葉を受けていた。


 「リハルド、我らの至宝である楓花さんの護衛に任ずる。」

 「謹んでお受けいたします。」

 「ただし、お前がついていけない場所がある。ほとんどそちらにいらっしゃるのも事実だ。その間は、騎士団に相談役としているといいだろう。」

 「御…かしこまりました。」


 リハルドが立ち上がった。

 楓花の用意したスエット姿でも、やはり恰好いい。

 背筋が伸びているし体幹がしっかりしているからだろう。

 リハルドは楓花へ向きを変えると、膝をついた。


 「フーカ様、護衛騎士として任に当たらせていただきます。」


 断りたい。

 めちゃくちゃ荷が重い。

 敬一郎さんへ視線を向けると口角を上げた。

 どういう表情?


 「リハルドさんは、ケイさんの騎士でしょう?私になんて…」

 「楓花さん、貴方には今まで通り過ごして欲しいですが、護衛が出来る者が必要です。」

 「それは…天龍の皆さんもいます。」

 「彼らが常時守れる訳ではありません。別の依頼を受けて不在のことだってあります。」

 「それは…そうですが…。」

 「リハルドをお使いください。普段は騎士団に置きます。楓花さんが、こちらにいる時にお使いください。」


 敬一郎さんは真剣だ。

 リハルドさんが、私を見上げていた。


 「リハルドさん、旅に出ることもできますよ?」

 「フーカ様が出るならば、どこにでもお供します。」

 「そうじゃなくて、行きたいところとか見たい場所はないの?」

 「私には時間があるようです。長い先の時間でも出来ることですから。」

 「そうか?ふむ…。」


 敬一郎さんが、何かを考えている。


 「リハルド、俺を鑑定しろ。」


 普段、楓花の前では私といっている敬一郎が「俺」と言った。

 しかも、自分を鑑定させるのだから、リハルドさんは息をのんでいた。


 「よろしいのですか?」

 「構わない。分かっていると思うが、この場以外では話すな。」

 「それはもちろんです。では、失礼します。」


 リハルドは、敬一郎に鑑定レンズを向け、そして絶句していた。


 「大和人と出ています。聞いたことがありません。」

 「そうだろうな。寿命はあと150年くらいだろう。」

 「そんなに!?」

 「寿命だけなら森人には負ける。」



 敬一郎の言葉にいつから競う話になったのか?


 「私も見てみますか?見せていただきましたし…。」

 「よろしいのですか?」

 「それなら、楓花さんも私を鑑定してください。私にも見せて欲しい。」

 「もちろん、どうぞ。」


 楓花は、敬一郎を鑑定した。


===============

 菱沼 敬一郎(ケイ・イチロー・ヒシ) 28歳(49歳) 大和人 独身

 沼田弁護士事務所(所長)

 沼田マテリアル株式会社(相談役、筆頭株主)

 ヒシフォートクラレンス侯爵領領主、元帥

 魔導士(土・火・水・雷・闇の5属性)

 契約獣:グリフォン(マテリアル)etc…

===============


 情報量が多い。

 両方の情報があるからだろうけど、これは私が見て本当に良かったのだろうか?

 

 「ありがとうございます。では、私もどうぞ。」




読んでくださりありがとうございます。

リアクションと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。

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