表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第1章 物語の始まり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/63

17


 しばらくして、ケントさんとアーサーさんが肉や毛皮の入った袋を重そうに持って運んできた。

 そうやって運ぶということは魔法のバックは持っていないようだ。

 車の横に山積にしていた。何往復かして塊肉だけではなく小さく切ったらしい肉の入った袋も来た。


 「フーカ様、町まで送ってくれると聞いたのですが本当にいいのですか?」

 「え…様は辞めてください。さん付けで大丈夫です。」

 「は?いやいや、大魔導士様にさんなんて…」

 「私がいいので、さん付けで呼んでください。」

 「わかりました。ではフーカさんと呼びます。」

 「ありがとうございます。」

 「それで、本当に町まで送ってくれるのですか?」

 「ええ、もちろんです。その変わりルーシーさんに町の案内をお願いしました。」

 「そんなことでいいのなら、いくらでもさせます。」

 「ありがとうございます。」

 「それで、フーカさんブラックベアーの肉をどうぞ。昨日の料理がうまかった。この肉もきっと使えるでしょう。」

 「え…いえ…そんな…」

 「特別な袋まで使わせてもらったので半分はどうぞ」

 「そんなにたくさんはちょっと…」

 「いえ、その権利があります。自分たちだけだったら半分も運べないので」

 「そうですか?」

 「ええ、それに食べきれないなら俺たちと一緒に売りましょう。ブラックベアーの肉は高級肉ですから、結構いい値段で取引されます。」

 「え?美味しいお肉なの?」

 「もちろんです。」

 「それなら少しいただこうかな…」

 「少しと言わず半分使ってください。」

 「いえ、それはさすがに…」

 「では、町に着いたら売りに行くので売ったお金を渡します。」

 「いえ、そこまでは…」

 「俺たちを助けてくれたのに、お礼をしないわけにはいきません。」

 「わかりました。では、いただくことにします。取り敢えず、町の前まで走りますね。」

 


 楓花は、お肉の入った袋を2つ受け取った。残りは2階に運ばれていく。床に置きそうだったので、シャワールームに置くようにお願いした。シャワールームなら血が漏れても洗い流せると思ったのだ。


 楓花は、受け取った袋を冷蔵庫へ入れた。処理したら冷凍庫へ移すつもりだ。

 手を洗い、自分の食事を食べる。ケント達には20分くらいで出発すると言ってある。

 

 「ナビ、行先はアートン。」

 『かしこまりました。アートンは2か所ヒットします。隣国とこの国にあります。』

 

 隣国から来たならそう言うだろう。

 

 「この国のアートン」

 『かしこまりました。シシリー国のアートンを指定します。140㎞先です。』

 「シシリー国のアートンにナビをセット」

 『かしこまりました。表示します。』

 

 ケントから聞いた町の名前をナビに入力すると、140㎞先だという。

 3時間くらいで走れるだろうか?

 道が悪ければ5時間かもしれない。


 ナビに従いキャンピングカーを走らせた。

 

 舗装されていない道は走りにくい。

 振動はかなり吸収されているようだけど、舗装された道しか走っていない楓花にとっては、ハンドルの維持が大変だった。

 結局速度を出せず、途中でお昼休憩をした。


 楓花は、車を停めるとキャビンへ移動した。

 ランチはどうしようかな?

 貰ったばかりのブラックベアーを焼くことにした。

 肉の入った袋を開けてみると、かなり大きな塊肉だった。

 繊維質がはっきりと見えるのは、一度だけ食べたことのある熊肉と同じだった。

 堅そう。

 そう思いつつ、できるだけ薄く切ってお酒で揉んで焼いてみた。

 換気扇の威力のおかげか熊臭がキッチンに残ることはなかった。

 一度焼いてボールに取り、それをもう一度フライパンに戻した。

 焼肉のたれをかけてもう一度軽く火を通した。

 米をお皿に敷き、その上に肉をのせた。

 お客さん用にはちぎったレタスの上に焼いた肉をのせた。

 持ってきたパンはもうないので、クラッカーを添えて出そうか。


 移動で疲れただろうから身体を伸ばした方がいい。

 楓花は、車から降りるように声を掛けた。

 狭い2階ではなく、外にビニールシートを広げてその上で食べてもらった。

 

 「走行中の2階は揺れませんか?」

 「いえ、とても過ごしやすいです。」

 「それに、とっても早く動くから驚く。」

 「皆さんどうやってあの森まで来たのですか?」

 「歩いてだな。」

 「歩いてです。」

 「それだとどのくらいかかりました?」

 

 向かっている場所が合っているのかを確認したかったので聞いてみた。


 「歩きで5日くらいですね。それから森の中にいたので…」

 「なるほど…結構遠いですね。なぜそんな遠くに?」

 「このブラックベアーの毛皮が高く売れるのです。それと肝は薬になります。いくつかの薬草などの素材は乾かして持ち帰るのが仕事なので…。」

 「そうですか…」

 「まさか、肉を全て持って帰られるとは思いませんでした。これはすごいですよ。」

 「そうなの?」

 「ええ」

 

 ケントさんとアーサーさんは興奮していた。

 怪我をしている2人は、さすがに貧血まではすぐに治らないのだろう。顔色が白っぽい。お肉には鉄分も多いだろうから、しっかり食べてもらう。


 夕方、アートンの塀の外側に着いたので車を停めた。



読んでくださりありがとうございます。

アイコンタップと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ