4
ブックマークが186になりました♪
楽しみに思ってくださる方がいて嬉しいです。
楓花の目が覚めた。
天井が見える。
これどこだった?
お布団をきちんとかけていた。
いつもうつ伏せで寝るので、目覚めて天井を見るのは入院中に身体が固定されている時くらいだ。
寝る前を思い出そうとして、思い出せない。
「楓花さん、目が覚めましたね。覚えていますか?」
「え?」
敬一郎さん!?
噓でしょ。若い子にこんなおばさんの寝顔を晒していたの?
やだ、何でここにいる訳?
いつも寝室には入って来ないはず。
あれ?
違う。ここ3階の寝室じゃない。
とりあえず起きよう。
上を向いていたら、肉が下がって不細工度が上がってしまう。
とても身内以外に見せられる顔ではない。
せめて体を起こせば少しはましになるはずだ。
若くないのだから、せめて不快感を与えるのは控えめにしたい。
「起きますか?無理をしないでください。」
起き上がったら上半身を支えてくれ、背中側へクッションを入れてくれた。
なんて気が利く人なのだろう。介護されている気分になってしまう。
「まずはお水を飲みますか?」
敬一郎が水の入ったコップを差ししたので、楓花は受け取り口をつけた。少しだけ飲むつもりだったのが、かなり乾いていたようだ。そのままゴクゴクと飲み干してしまった。
「目が覚めて安心しました。」
敬一郎の心からの言葉に楓花は違和感を覚えた。
「あの…私どのくらい寝ていましたか?」
「3日です。」
楓花は目を見開いた。
それならガードが切れてしまっているはずだ。
魔石を補充して展開しなくてはいけない。
ベッドから降りようとして、敬一郎さんに肩を抱かれ止められた。
「楓花さん、落ち着いて。急に動くのは危険です。」
「離してください。すぐに魔石を補充しないと!」
「ガードは展開したままです。魔石は私が補充した。」
「あ…補充してくれたの?」
「ええ、補充しました。だから問題ありません。それに、深淵は沈黙を続け今朝方、魔石になりました。」
「魔石に?」
「楓花さん、深淵は討伐しました。」
敬一郎が言い直してやっと楓花にも理解出来た。
「討伐出来たから魔石になったのね?」
「そうです。」
「良かった。血を被った方はいますか?すぐに治療を…。」
「血を浴びた者はすぐに血を洗い流し、聖水を飲ませました。目は赤くなっていません。」
「本当に?」
「ええ、本当です。」
「そうですか、良かった。肝心な時に寝ていてごめんなさい。」
「とんでもない。楓花さんが、第2ガードの聖力を強めてくれたおかげで、深淵の動きが止まりました。それで討伐出来たのです。」
「そうでしたか、怪我はありませんか?」
「問題ありません、ポーションや薬で対応出来ています。」
「本当に大丈夫なのですね?」
「楓花さん、貴方がいてくれたお陰で討伐出来たのです。心から感謝をしています。」
安心して、ベッドへ座りなおした。
パジャマを着ていた。誰が着替えさせたのだろう?
まさか…。
「楓花さんの介助のために、リリーを連れてきています。」
「ここに?」
「はい。今連れて来ます。」
敬一郎が離れて数分で戻ってきた。
リリーが駆け寄り、抱き着いてきた。
「フーカさん、よかった~。」
「リリー危険な場所に来させてしまってごめんなさい。」
「フーカさんが目を開けてよかったよ~。」
リリーは少し離れて至近距離で目を合わせて、また抱き着いてきた。
ちょっと見ない間に、かなり大人びてきていた。
グリフォン隊が連れてきてくれたのだろう。怖かっただろうに、私のためにこんなところへ来させてしまった。
「リリーさん、なんだか急に大人っぽくなってきたね。」
「もうっ、目を開けて言うことがそれなの?」
リリーはそう言うと、少しおどけて頬を膨らませた。
「リリーさんは、何をしていたの?」
「今?魔導車の周りの様子を見て来ました。」
「そうだったのね。どうでしたか?」
「怪我人はいるけど、治療出来る範囲でした。あとは、ここのガードもすごいけど、第2ガードが聖力強くてキラキラしているのに驚いちゃった。」
「キラキラしているの?」
「うん、最初来た時よりは落ち着いているけれど、キラキラしている。」
「へぇ…。」
「あとね、第1ガードの外に偉い人たちが集まって、フーカさんに会いたがっていたよ。」
「リリーそれは。」
敬一郎が、リリーにストップをかけた。
偉い人たちは指揮官の事だろう。
彼らが集まって私に用があるというなら、一つしかない。
あの時、総攻撃が始まってしまった切掛けを作ったのは私だ。
私への責任追及だろう。
「ケイさん、必要なら私から謝罪させてもらいます。」
「ん?」
敬一郎が、驚きの声を上げた。
「私の不用意な行動で、みんなが血塗れになってしまいました。一時的には100人規模での離脱、今21人もの主要な戦力を離脱させてしまっています。他に大量の怪我人も出してしまいました。」
「楓花さん、それは違う。楓花さんにはなんの責任もありません。聖水を提供してくれて、高位のポーションも出してくれた。そのどちらかだけでも十分な支援です。楓花さんはそれ以上の事をしてくれている。貴方が謝ることなど何ひとつありません。」
「でも…。」
「楓花さん、貴方はもう少し休んでください。」
翌日には動けるようになったので、シャワーを浴びてから魔石の補充などの手入れも行った。
そういえば、敬一郎さんが補充してくれた魔石は敬一郎さんの私物よね?
後で清算してもらえばいいだろうか。
翌日、リリーをヒシフォートへ送り届けた。
楓花は、敬一郎と一緒に泉の家へと帰った。
敬一郎は21人へ労いの言葉をかけ、リハルド以外をヒシフォートへ連れ帰る事にした。
テントを片付け終えると、リハルドさんを残し、楓花はキャンピングカーを空間移動させた。
敬一郎と20人を連れてヒシフォートに到着する。
彼らを下ろし、ギルバートさんへ預けると、すぐに泉の家へ戻った。
読んでくださりありがとうございます。
リアクションと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。




