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「深淵、実行位置に接近!!」
「大杭第一、打ち方用意!」
「打ち込め!!」
大杭が放たれ、深淵の胴体へ杭が刺さった。
「大杭第二、打ち方用意!」
「打ち込め!!」
再び大杭が放たれ、深淵の胴体へと刺さった。
それから、7本の杭を放った。
深淵の胴へ今までより深く8割の深さで刺さっていた。
「攻撃停止。」
「部隊交代せよ。」
それまで周囲で警戒に当たっていた部隊に交代した。
この部隊も9本の杭を打ち込んだ。
もう一度部隊が交代した。
「大杭第一、打ち方用意!」
「打ち込め!!」
杭を打ち込もうとした時、深淵が上体を持ち上げ大きくくねらせた。
長い舌を出し、威嚇している。
「一旦離脱!」
あの威嚇をした後は、上体をくねらせながら前へ進んでくる。
前方の者たちが、離脱し木陰から様子を見ている。
深淵の目は真っ赤に染まっていた。
魔物の中でも強者の証だ。
様子を伺っていると、動きが弱まっていたはずの尾を振り回してきた。大きく反り返ったそれが近くに潜んでいた部隊の一部を薙ぎ払った。
様子を見ながら、木立へ叩きつけられたり、飛ばされたりした者たちを移動させる。
一部の者は首の曲がり方がおかしい。
これはまずい、助けられないかもしれない。
そこに紺色のフードを着たフーカ様が飛び出した。
エリクサーを飲ませているようだ。
これなら、助かるだろう。
リハルドがほっとしたのも束の間だった。
深淵が数メートル進み、怪我人とフーカ様へ近づいた。
フーカ様は後ろを向いたまま、治療に当たっている。
周囲にいた者で動ける者が逃げ出した。
リハルドも敬一郎も声が出なかった。
口を開けているのに、言葉が掠れて出てこない。
深淵の頭が動き、フーカ様に近づいた。
治療をしてもらった兵士は目を見開き、動けないのだろう。
フーカ様が振り向く直前、黒い影が動いた。
深淵の長い二股の舌がボトリと落ちた。
深淵の口からは、黒い血が落ち、フーカ様に掛かった。
深淵の頭が降りてきて、首をかしげているフーカ様へ口を大きく開けた。
「やあああああ!!!!」
ケントとアーサーの剣が振るわれている。
二人も黒い血に染まっているように見えた。
「リハルド、総攻撃だ!」
閣下の言葉にハッとした。
いけない。あまりの事に茫然自失していた。
「総員、剣を構えろ!切りかかれ!」
そこからは、剣での切りかかりになった。
様子を見ながら、水風船を叩きつける。
フーカ様はもちろんだが、ケントとアーサーは、ガードの指輪がある。
深淵の穢血に触れてはいないはずだ。
リハルドは、彼らが魔人になってしまったらと少し嫌な想像をして、首を振った。
深淵へ総員で切りかかる。
そうすると、下で戦っている者たちへ深淵の穢血が落ちてきた。
深淵の正面側で戦っていたのは、ほとんどがヒシフォートの者たちだった。
リハルドたちは、深淵の血液を大量に浴び一部を飲んでしまっていた。
深淵の穢血は、魔を大量に含んでおり口にすると体内に巡り魔物になると言われていた。だから、口に入らぬように注意してきた。
口に布も当てたが、大量の穢血を浴びたため布が穢血を吸ってしまった。慌てて布をとったが今度は直接口に入れてしまった。
次第に、黒い靄が紫煙に見えてきて、聖木が煌めいて見えるようになってきた。
グッと耐えながら、聖水の水風船を投げるよう指示をした。
リハルドも剣を抜き、何度も切りかかっていた。
ヒシフォートの者たちは、穢血にまみれていた。
ああ…これが終わったら、閣下に辛い仕事はさせられない。
私が皆へ引導を渡さなくてはならないと思いながら深淵へ挑んでいた。
深淵の動きが弱まったところで、一部の監視を残し、部隊を撤退させた。
「総員に継ぐ、血液を浴びた者はヒシフォートの駐屯地へ集合せよ。それ以外の者は、聖水をスプレーし、口にもひと吹きせよ。即入口へ戻り清水で体を清めよ。」
閣下の指示により、ヒシフォートの駐屯地には200名ほどの騎士や兵士が集まっていた。
容器に入った清水で口を漱がせられ、頭から清水をかけられた。
清水に触れるだけで震えてくるのは、魔に侵されているからだろう。
逃げ出したい衝動を抑え、耐えねばならない。
騎士や兵士の一部の目が赤く染まっているように見えた。
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私にしては珍しくいろいろと描写したつもりです。
景色の描写とかもっと書き込んだ方がいいのだろうと思いつつ、省略してしまう。




