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誤字報告ありがとうございます。
誤字は出来るだけなくしたいですが、報告は真剣に読んでいただけていると思いとても嬉しいです。
ブックマークが152になりました♪
読んでくださる皆さまに支えられています。
これからも、よろしくお願いします。
敬一郎は、辺境伯の屋敷を訪ねた。
案内された応接間で、辺境伯と向かい合っていた。
辺境伯と後ろに立つ騎士団長は、突然訪ねた敬一郎の話を聞いて顔色を失っていた。
「先日、フーカ様のご厚意で周辺を清めていただきましたが、隣国との境ですか…。」
「ええ、先日の戦いで森を出た向こう側の一部までは国の所領となりましたが、実際には放置しています。ですが…そこにこの原因となりそうなモノがあるとなると…。」
「国王軍が出てきますか?」
「まずは、私たちで対処してみます。厳しそうなら国王軍を要請します。」
「私たち?」
「私と楓花さん、それに天龍の男2人とグリフォン騎士団団長のリハルドと騎士2人です。」
「我々は何をしましょうか?騎士団も出せます。」
「こちらでは、魔の影響を受けた者はいませんか?」
「受けていないとは言いませんが、あの清めを受けてからはフーカ様のご指示通りに、毎日聖水を口にしています。」
「聖水を?」
「はい、フーカ様から夜寝る前に聖水を入れた水を飲むようにと。」
「なるほど…」
「この屋敷にいる物と騎士団員にはそのようにしています。フーカ様が摩訶不思議な容器に大量の聖水をくださいました。」
辺境伯の案内で執務室へと入った。
通常、執務室は機密が多く他人を入れない。
敬一郎であっても、滅多なことでは他領の領主の執務室に入ることはなかった。
ここに入るのは、2度目か?
「こちらです。」
辺境伯は、ワゴンにかけた布を外した。
厳重に保護されていたのは、いつもの10Lタンクだった。
「これですか…。」
敬一郎がクスリと笑った。
それを見て、辺境伯と騎士団長はやはり知っているのだと思った。
「こちらを、小樽いっぱいの水にコップ1杯分を入れた物を毎夕コップ1杯ずつ飲んでいます。」
「なるほどわかりました。」
敬一郎は声をひそめた。
「魔法を使ってもいいですか?」
敬一郎は、二人が頷くのを待って無音結界を張った。
唐突に、なんの物音も聞こえなくなった。
静寂の中、呼吸音だけがはっきりと聞こえた。
「これが何か鑑定しましたか?」
敬一郎の声が、思いのほか低く響いた。
「はい、妻に鑑定させたところ、癒しの聖女の妖精が汲んだ聖水だと。」
辺境伯の言葉に、敬一郎は動揺した。
聖水ではなく、癒しの聖女の妖精!?
泉の家の妖精のことだろう。
聖水の家に住んでいるのだし、どうやらこの世界では聖女だと理解していたが…「癒しの」だと?
その枕詞は知らない。
鑑定レンズが使用者により、見せる内容が違うとは聞いていたが…。辺境伯の妻は、随分と詳しく見る能力があるようだ。
だが…楓花さんが持ってくるとただのペットボトルの水が「癒し水」に変化するのは知っている。楓花さんが癒しの聖女だからか?
「それについては、他言無用です。」
「はっ!承知しております。聖女様に救われた身、我々は聖女様とお守りしている元帥閣下に忠誠を捧げます。」
辺境伯と騎士団長は最敬礼をしている。
まいったな…協力要請に来ただけなのに、大事になっていく。
だが、これを蹴るのは失礼になる。
「その忠誠は受け入れよう。楓花さんは大仰なことは慣れていないので、彼女にはそっと寄り添ってくれることを期待する。」
「はっ!」
「そこで、まず知ってほしいことを説明しよう。座ってくれ。」
敬一郎は、一帯の川に特別な手法で清草を植えた事、それにより魔水が浄化され清水となって川下へ流れていることを伝えた。
それから、効果が出るまでしばらくかかること。
領民たちへ、川での水浴びを推奨して清めることなども依頼した。
「元帥閣下、我々からもその何かの討伐部隊を出します。」
「今回は、相手がわからない。だがこれほどに魔をばらまく存在でもある。無事で戻れるかはわかりませんよ?」
「はい。それでも、我が領地か国領かなのであれば、我々も出ずにはいられません。ましてや、フーカ様が入るというのであれば、お守りするためにも我々もご一緒したい所存です。」
「わかった。ならば…ミシーヌ川の川上右側を進んできてもらいたい。どこかで合流出来るだろう。」
「かしこまりました。すぐに出立の準備をいたします。」
「どのくらいで来られる?」
「3日…いえ、2日ほどで向かえます。」
「なるほど…。」
今から騎士の選定をし、糧食を揃えるとしても2晩は必要なのだろう。
「では、こちらは進めておく。準備が整ったら合流してくれ。」
「お待ちください。」
腰を上げた敬一郎を辺境伯が呼び止めた。
「こちら僅かですが、お持ちください。」
差し出されたのは、糧食だった。
「フーカ様に教わった作り方の品です。干し肉と栄養ビスコッティです。」
「ビスコッティ?」
「はい、ヨモギ草などの薬草を練りこんだ麦料理です。」
「ありがたく受け取ろう。」
かご一つ分の糧食はおそらく7人で3日分ほどだろう。
敬一郎は、籠を受け取るとグリフォンに乗り、楓花の元へと向かった。
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