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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者: 夢
第14章 タイトル未定

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4

短めです。


 「清草は地下茎を伸ばすらしいの。本の作者によれば、魔が満ちているところに清草を植えると、地下茎を伸ばして繁殖するらしいわ。聖水でも育つから不思議ですけどね…。」

 「地下茎?」

 「はい、つまり筍のような物です。水場に限るようですけど…。」

 「ほぉ…それで、なぜ株ごと持っていたのですか?」

 「これは…前回、天龍の皆さんと清草の採取に行った時に、間引きしてきたのよ。地下茎で増えるなら、群生地で間引いてもすぐに元通りになると思って…。」

 「ほぉ…」

 「隣国との境はなんだか黒くもやもやしているから…。試しに植えてみたの。」

 「もやもやですか?」

 「はい、だから…家の川で育てている株も持ってきたの。」


 家の川で育てている?

 家?

 それってあの泉の家のことだろう。

 

 「あ!」


 騎士の一人が声を上げた。

 隊長が川へ駆け寄る。

 それを見て、私たちも川へ向かった。


 目の前の川の中で、唐突に10㎝置きほどに小さな緑色の草が出て来た。そして見ている間に葉が伸びていく。


 「まぁ!これは…清草の川と同じ状態ね。こんなに早く伸びるなんてすごい。」


 楓花さんが、なぜか喜んでいる。

 

 「ここまで早く伸びるなんてどこにも書いていなかったのに。」


 嬉しそうにはしゃいでいるが、ケントは唖然としている。

 何度も目を瞬かせると、川に近づいて岸から3つ目ほどに手を伸ばして草を刈り取った。


 「鑑定をしてもらえますか?」


 リハルドが鑑定レンズを取り出し、草を見ていた。


 「清草(優)です。」 

 「これで、清草の採取場所は増えましたね。」


 楓花さんが弾んだ声で話している。


 「フーカさん、これはありえませんよ。」


 それまで黙っていたアーサーが呆れたように声を出した。


 「清草は、1年をかけてゆっくりと30㎝ほどまで伸びる。月に2~3㎝です。だから、あの採取場所も1度しか行かない。それが、大河を含めてこの辺り一帯の川に清草が群生していて、あっという間に伸びるなんて…。」

 「いいじゃない?清草があればそれだけポーションを作れる。」

 「それはそうですが…。」

 「ここは、普通に来るには遠すぎるけど…冒険者たちの狩場としては、あの山より安全そうよ?あとは…この水が安全なものになっているといいけど…。」

 

 敬一郎が隊長へ視線を向けた。

 隊長はそれに応じて、水の鑑定を始める。


 「申し上げます。清草より上部の水は…魔水です。」

 

 数人しかいないのに、ざわりとした。

 

 「魔水だと!?」

 「はっ。」


 敬一郎は、近づいてレンズを見る。

 確かに魔水だった。


 魔が満ちた場所を通ると、水に含むことはある。

 それを飲み、体に魔が満ちた者は魔物になってしまう。とんでもない危険な話だった。下流域にいる住民全員が魔物になっていても不思議ではない。

 見た目が水なだけに恐ろしい事実だ。


 清草を植えた先の水を見た。

 通常の水になっていればいいのだが…。


 「ここは、清水か…清草が魔を吸収したようだな…。」

 「よかった。それなら、すぐには無理だけど、水を飲んでいるうちに少しずつ清められますね。」

 「この一帯は清めたのでは?」

 「はい、清めましたが…飲んでいる水が汚染されていたら、また時間の問題だったのでは?」

 「そうですね…。この清草より上は入らないように勧告を出しましょう。」


 敬一郎は、川を鑑定していくとレンズを隊長のリハルドへ戻した。


 「ここから下は採取してもいいが、上はしないようにとの勧告も付け加えましょう。」

 「そうですね。川上だとまだ汚染しているでしょうし、いいと思います。」


 楓花さんが笑って同意してくれたが、問題はそこではなかった。

 自然と、皆の視線が山へと向かった。


 「川は、あと2本あります。そこに草を植えたら、大本を探ったほうがいいかもしれませんね。」

 

 楓花さんが呟いたのを受けて、その場にいる全員が頷いた。


 「そうすると…、やはり植える手伝いをしていただけますか?」

 「もちろんだ。私は、クリトン伯に話をしてくる。リハルドと騎士たちは残って楓花さんの手伝いをしてくれ。」


 敬一郎は、自分のグリフォンに乗り、辺境伯の元へ向かった。



読んでくださりありがとうございます。

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