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翌朝、敬一郎はケントとアーサーを連れ、グリフォン4羽でクリトン領と隣国の境の森の入り口に降り立った。
同行したのは、隊長と騎士2名だ。ケントとアーサーは騎士たちと乗ってきた。
「あの辺りです。」
10数時間をかけ、隣国との境の森の入り口へと降りた。
「ここか?」
「はい、この辺りから100m置きくらい…」
ケントの声が小さくなっていく。
彼が案内してくれた川の底一面に草が茂っていた。
「ここに植えたのか?」
「はい…なぜここまで急に…。」
「何かおかしいのか?」
「ここに植えたのは、10株です。10日ほどでここまで増えるなどありえません。」
「元から生えていた可能性は?」
「いえ、それはありません。」
「場所を間違えているのでは?」
「そんなことはないと…。」
「念のために別の川を見よう。」
敬一郎は、その川の様子をスマホで写した。
それから、グリフォンに乗り山から流れ出る川を見て回った。
どの川もそれなりに茂っていた。
細い小さな川に、10株ずつ植えられた場所を見つけた。
「ここか?」
「いえ、このような細い川ではありません。」
ケントの答えを聞いて、また空へ飛びあがった。
「あ…あれは?」
川を辿っているうちに、楓花さんの車を見つけた。
この世界には存在しないキャンピングカーは、自然豊かな土地ではとても目立っていた。
それを目指して降りていく。
ガードギリギリにグリフォンで降り立った
「あら?ケイさん?それにケントさんも?」
楓花さんはいつもと変わらない様子だったが、一人で胴長を着ていた。
「その恰好は?」
「川に入るのにはいいのですよ。」
「それはそうでしょうが、おひとりでは危ないですよ。万が一流されても誰も気が付けない。」
「大丈夫ですよ。」
「大丈夫ではありません。まさか毎日植えているのですか?」
「ええ…まぁ…川に魔が多すぎるようだから…。」
楓花さんは、川岸へ来たので手を出して水から上がるのを手伝う。
どう見てもゴムの胴長だった。なんでこんな物まで用意しているのだろう。
「この清草で調整出来るのですか?」
「はい、これは…魔を吸収して育つようです。」
「どこでその知識を?」
「残された本に書いてあったのを思い出しまして…。それとエルにも…」
「なるほど…」
敬一郎は、楓花の家の書棚を思い出した。
家を相続してから、不要な物として処分しなかったのか。
以前お邪魔した時には、リビングの配置などは少し変わっていたが、大きく変わっていなかったのを思い出した。
「一緒にしますよ?」
「いえ…もう終わりましたので大丈夫です。」
「わかりました。それでは我々は周囲の警戒をしましょう。」
ガードで守られているといっても、獣は寄ってくるはずだ。
敬一郎たちは、グリフォンにシールを貼り付けるとガード内へ入れた。
楓花は上がってくると、胴長を脱いだ。
その動作にドキッとする。
中にはぴったりとしたスキニーパンツを履いている。尻は丸く上がっていて、年齢の割に垂れていないと失礼なことを考えていた。
ケントを見ると、スーッと視線を外した。
隊長と騎士たちは、凝視してしまっている。
この世界にスキニーパンツなどない。
淑女は、足首まで隠れるドレスが一般的だ。
あのぴったりとしたパンツは刺激的だろう。
そう考えると、日常的に足首を出している楓花さんの普段の装いも刺激的かもしれない。
「コホン」
敬一郎が咳払いをすると、騎士たちは後ろを向いた。
「楓花さん、スカートを…。」
いつも長めのスカートを履いてくれているので、この世界への理解はあるだろう。
「あら、失礼しました。でもこれ…スラックスだもの、気にしなくていいのに。」
そう言いつつも、大きな布を取り出して、サッと巻いてボタンで留めた。
巻きスカートのようだ。
途中、数か所のボタンも留めている。
スキニーパンツの上からなのに、なぜか卑猥に見えるから不思議だ。
「お待たせしました。それで、こんなところまでどうしました?」
「偶然お見掛けしたのでね。上から川の確認をしていたのです。」
「そうでしたか…他の川はどうでした?」
「大量の清草が茂っていましたが、何か特別なことを?」
「大量?各川に30本から50本しか植えていませんよ?」
敬一郎は、楓花を車の影へ連れて行った。
ポケットから取り出したスマホを開いて写真を見せた。
「これはどちらですか?清草が沢山生えていますね。」
「ミシーヌ川です。エカサへ流れている大河ですよ。」
「え?そこって…。」
楓花の視線が、一緒に来たケントへと向けられた。
「最初に植えた川だと思うが…岸辺に数本ずつしか植えていなかったはずなのに、何かしたか?」
「いえ、あれだけよ?それだけ魔が流れているの?」
「どういうことですか?」
ケントと楓花の会話に入る。
楓花が敬一郎へ視線を向けた。
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