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アーサーたちもウサギ集めに加わっていたが、山が3か所に作られていた。
それでも時折集団が襲い掛かってきていた。
この辺りには木の実ウサギの巣が地中に4つほどあった。
山に行っていたウサギは戻れなくなっていて、各巣の1/3は壊滅状態だった。増え過ぎていたところに楓花が来たので、強制的に間引きされてしまっていた。地上にいた木の実ウサギは、肉にされ、地下のウサギは深い場所へ押し込められてしまった。
「すいません、ちょっと多すぎて全てを解体するのは厳しそうなので、丸のままバケツに入れてもらえますか?」
「わかった。」
「ララさんたちは、採取を続けてくださいね。」
楓花が大声でお願いすると彼女たちは手を挙げて答えた。
木の実ウサギ丸ごとの札を貼ったバケツを3つ用意した。ひとつのバケツに集めるのも離れていて面倒なのだ。各山積みをそれぞれのバケツに集めてもらう。
楓花がブルーシートに入ると、ほぼ解体が終わり仕分けバケツに収まっていた。ナイフを回収し、地面に置いた札を回収すると、ブルーシートをはがした。
遠目から見ていたルーシーたちは、バケツだけがある状態になんとも言えない表情をする。どうやってあの大量なウサギを解体したのか、聞きたいけれど基本オープンな楓花が隠したのだ。聞ける訳がなかった。
手分けをしてバケツを運び、時間停止の倉庫の下段の棚へと入れた。もちろん、丸ごとウサギ入りのバケツは入り口直ぐの場所に置いた。
「疲れましたね。天龍の皆さんは血塗れね。先にシャワーを浴びてください。落ち着いたら、移動しましょう。」
「ああ、悪いね。先にシャワーをさせてもらうよ。」
それから1時間ほど、彼らのシャワーが終わるのを待った。
待っている間、ララとリリーは採取を続けていた。採取をしながらおしゃべりを楽しんでいるようだ。
彼女たちにしてみれば、3週間ぶりに会っていて話題は尽きない。
しかも、リリーにとっては、3週間ぶりの同い年の少女との会話なのだ。楽しくて仕方なかった。
そして、ララにとってのリリーは、いつでも薬師の館に出入りできる環境にいる友だった。自分が知らない事を教わろうと貪欲だった。
新しい薬を作るときには一緒に学べる2人だったが、日常の環境は違っていた。それぞれが多少思うところがあり、それでもお互いが一番話し合える友人だった。
楓花は、キャビンに戻ると冷蔵庫から木の実ウサギの肉を取り出した。
去年の肉という事になってしまうが、時間停止されているので問題はない。
それよりも、あまりにも大量すぎたので、あれをどうするか天龍と相談する必要があった。
木の実ウサギは大きい。腰ほどの体長があるので、お腹の甲羅を外しても30㎏前後はあった。肉部位は、肝臓や心臓など内臓を合わせると18㎏近くになる。後は骨と毛皮だった。
冷蔵庫から取り出した肉は1口大にしてあった。ローズマリーと塩コショウをして袋ごとボールに入れて保冷バックへ入れた。冷蔵庫の中では冷えたあと時間停止になるので味が染みないのだ。
手を洗い、玉葱をスライスして水にさらし、サラダ用にレタスを2玉ちぎり、きゅうりを輪切りのスライスにしていく。
サラダは、大きなステンレスボールに入れて和える。
もうひとつのボールに、家で茹でてきたじゃがいもの角切りを入れ、きゅうりを角切りにし、オニオンスライスも入れる。たっぷりのマヨネーズを入れて混ぜ合わせた。それから、ハムの角切りとコーンパックを1つ開けて水を切った物も加えてさらに混ぜる。
「これでサラダ2種類は出来たから、アーサーさんに肉を焼いてもらって、焼き野菜は…椎茸とエリンギでいいかな?」
「あとは、主食か…。パンでいいかな?」
ドアがノックされた。
開けると、ケントさんが立っていた。
「シャワー終わったよ。ありがとう。」
「それはよかったです。では、出発しますね。」
「わかった。」
楓花は、外で採取していたララとリリーに声をかけた。キャビンに乗り込むのを待ち、ドアを閉める。
ケントさんが上に上がってドアが閉まるのを待ってから、楓花は車を出した。
「ナビ、虹湖へ空間移動して。」
『かしこまりました。虹湖へ空間移動します。そのままお待ちください。』
すぐに景色が変わり、虹湖の前に到着した。
ガードを20mに広げ、みんなが降りてくる。
「フーカさん、焼き台を出しますか?」
「はい、お願いします。」
アーサーがいつもの事のように聞いてきて、楓花はいつものように返事をした。
いつも通りの作業だ。
長テーブルが出され、椅子も用意される。ついいつもの丸椅子を使っていたが、折り畳みの椅子を用意したので背もたれにした。
「あ、こうか…。なるほど。」
「あ…ごめん、使い方言っていなかったね。」
「いや、わかったから大丈夫だ。こんなに平になるのはいいね。場所を取らなくて済む。」
「そうなの、それでも背もたれがあるからいいかと思って。」
「どれ…うん、座り心地がいいね。」
「ただのパイプ椅子でも背もたれのあるなしは大きいよね。」
「それはそうだけど、そもそも魔の森の中で椅子に座る事自体おかしいからね。」
「それもそうですね。」
そう言いながらも食卓は整っていく。
楓花はキャビンに戻り、エリンギと椎茸、それに木の実ウサギ肉のローズマリー漬けを取り出した。ルーシーが受け取りアーサーの元へと運ぶ。
冷たい麦茶を入れたジャグはケントさんが運んでくれた。
ララとリリーがサラダ2種を運び、皿とグラスとコップを運んでくれる。
いつもと同じ楽しい時間を過ごした。
ララとリリーはキャビンに入り、天龍は外2階の部屋へ入った。
少し寛いでから楓花が、梯子を上ろうと足を掛けると警報音が鳴った。
楓花が慌てて運転席へ向かう。
『魔石残量あと10%』
「え?」
楓花は、慌ててマニュアルを開き魔石の項目を見た。
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