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「脂は、冷やして固めて取り除いているので脂っこさは控え目ね。」
「へぇ…」
楓花は料理の説明をしたが、反応がいまいちなので、話題転換することにした。
「清草も十分に採取出来ましたから、ツリーホーン狩りに移動しますか?木の実ウサギもそろそろでしょうし。」
「いいのか?」
「俺たちは嬉しいが…」
「それなら、移動しましょう。」
ケントを助手席に乗せて、移動をする。
「この辺りなら、癒し草の採取も出来るが…どうする?」
「それなら、その方がいいですが…ツリーホーンは出ますか?」
「ああ、この辺りは、ツリーホーンと木の実ウサギが多いはずだ。」
「それなら、丁度いいですね。」
「木の実ウサギは売らなくてもいいよな?」
「それは、数によるかも?」
前回大量に手に入れて、泉の家の地下食糧庫にも入れてある。
年に一度と言われて大量に手にしたものの、楓花にとっては4カ月に1度であり、思ったほど食べきれていない。
イルルジオーネに来るようになってからは、自宅で食べる肉もほぼオークと木の実ウサギなのにそこまで減らなかった。
それでも、増え過ぎているのなら狩る必要はある。
「ケントさん、私たち相当狩りをしていますが、普段狩りをするのに獲物が減っていて大変だったりしませんか?」
「は?」
「狩りすぎて生態系が崩れてはいませんか?」
「生態系?なんだそりゃ。」
えっとなんていえばいいのだろう。
「動物を狩りすぎると、その場所の動物の数が偏ったりするでしょう?」
「ああ、そういうことか…。」
ケントさんは少し考えていた。
「俺たちが入るのは、一般的な冒険者が入れない場所だ。」
「はい。」
「だから、そもそも頭数は増えがちで増え過ぎると、町を襲ったりするからいい間引きになっていると思う。」
「そうなの?」
「かなり狩っているのは確かだが、こちらから追いかけて狩っている訳じゃない。つまり根こそぎ種を狩っているのではないから、大丈夫だろう。」
「本当?それならいいですが…。あまりにも狩っている気がして…。」
「それはそうだが…虹湖以外の場所は、年に1、2回しか狩っていない。一度で大量でも年中狩っているわけではない。1年経つが様子が変わってはいないだろ?」
「あ…!」
言われて見て、季節が1巡過ぎている事に気が付いた。
確かに薬草を採取するために立ち入っているので、年にすると1回か2回訪れるだけだ。それで、その地域のある種を狩りすぎることはないのかもと納得出来た。
「去年と変わらないなら、それは狩りすぎではないのね?」
「そういうことだ。そして、丁度良く間引いたという事でもある。」
「それならよかったです。」
楓花は少しだけホッとした。
「今夜は、久しぶりに虹湖に行きましょうか?」
「虹湖?いいですよ。サナのところは…次回かな?」
「はい、その予定です。」
「それなら、虹湖のトラウト釣りか。」
「ええ、久しぶりにトラウトを食べましょう。」
「それはいいね。それなら、ここでの採取は、短い。俺たちは狩りに集中するとしよう。範囲は広めに50mでもいいだろうか?」
「もちろん、大丈夫ですよ。」
ガード範囲が広ければ、それだけ周囲の警戒範囲も広くなるが、獲物も増える。
ケントさんとダン、アーサーさんとテンで別れたので2人に本格的な狩りを教えるつもりのようだ。本格的と言っても背後へ気を使わない分楽だけど…だからこそ、マンツーマンで教えたいのだろう。
木の実ウサギが早速やってきて、狩りを始めた音が聞こえてくる。
楓花は、キャビンにいるララとリリーに声をかける。上から降りてきたルーシーとハナとの5人で癒し草の採取を始めた。
癒し草も昨年と変わらず、一面に茂っていた。
ある程度摘んでスペースを作ると、小さなブルーシートを敷いて採取する。
薬師の館では、癒し草を育てていてうまくいっていた。
だけど、それは彼らがポーションを作るための材料だった。
楓花が作るための材料は自分で得なくてはならない。実際問題として、楓花が求めれば敬一郎はいくらでも提供してくれるとは思う。
だけど、それでは甘えすぎである。
敬一郎は、加害者が立てた弁護士であり、今は協力関係であるだけなのだ。
そこまでは頼れない。
それに、泉の家でも薬草は採れているので、あれで出来る範囲でもいいのだ。
ただ、あの薬草を使うと効果が強すぎて、いろいろとよくない気がした。
「フーカさんちょっといいか?ルーシーも!」
ケントさんの声が聞こえて来て、楓花とルーシーは慌てて立ち上がった。
「ララさん、リリーさん、ハナさんは集まっていてね。」
「はい。」
何事かと駆け寄ると、木の実ウサギが大量に押し寄せていた。
彼らの足元には大量に転がっている。
「ごめん、足元も数も…」
「あ~…」
「これは、増えすぎで危険だから、全部倒したい。悪いが手伝ってくれ。」
多すぎる。こんなに繁殖しているのは危険だ。
これが町へ向かったら大変な事になる。
「ナビ!ガードを25mに広げて!」
『かしこまりました。ガードを25mに設定します。』
楓花が大声で叫ぶと、ガードが5m伸びその勢いで木の実ウサギのいくつかは圧死しガードの中へ入る。ガードの外へ弾かれたウサギもダメージを受けているようだが、数が多い。
「この数は、ばらせないよね?私に任せてもらってもいいですか?」
「ああ…もちろんだ。」
「ルーシーさん、木の実ウサギを集めてもらえますか?私は目隠しを配置します。」
「あ…ええ、わかった。」
ルーシーがハナを呼んで、二人で20mの位置に積み重なった木の実ウサギの上にさらに25mの位置までに転がっているウサギを集めてくれる。
楓花は、その周囲に棒を立て、3m四方をブルーシートで覆った。
ある程度集まったところで全面を覆った。
ルーシーたちは、場所を移動してウサギを集め始めた。
楓花は、一度車に戻り、久しぶりに解体ナイフを取り出した。ナイフに指示をして、バケツを置いてシートから外に出た。
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