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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者: 夢
第13章 穏やかな日常

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 「脂は、冷やして固めて取り除いているので脂っこさは控え目ね。」

 「へぇ…」

 

 楓花は料理の説明をしたが、反応がいまいちなので、話題転換することにした。

 

 「清草も十分に採取出来ましたから、ツリーホーン狩りに移動しますか?木の実ウサギもそろそろでしょうし。」

 「いいのか?」

 「俺たちは嬉しいが…」

 「それなら、移動しましょう。」

 

 ケントを助手席に乗せて、移動をする。


 「この辺りなら、癒し草の採取も出来るが…どうする?」

 「それなら、その方がいいですが…ツリーホーンは出ますか?」

 「ああ、この辺りは、ツリーホーンと木の実ウサギが多いはずだ。」

 「それなら、丁度いいですね。」

 「木の実ウサギは売らなくてもいいよな?」

 「それは、数によるかも?」

 

 前回大量に手に入れて、泉の家の地下食糧庫にも入れてある。

 年に一度と言われて大量に手にしたものの、楓花にとっては4カ月に1度であり、思ったほど食べきれていない。

 イルルジオーネに来るようになってからは、自宅で食べる肉もほぼオークと木の実ウサギなのにそこまで減らなかった。

 それでも、増え過ぎているのなら狩る必要はある。


 「ケントさん、私たち相当狩りをしていますが、普段狩りをするのに獲物が減っていて大変だったりしませんか?」

 「は?」

 「狩りすぎて生態系が崩れてはいませんか?」

 「生態系?なんだそりゃ。」

 

 えっとなんていえばいいのだろう。

 

 「動物を狩りすぎると、その場所の動物の数が偏ったりするでしょう?」

 「ああ、そういうことか…。」

 

 ケントさんは少し考えていた。


 「俺たちが入るのは、一般的な冒険者が入れない場所だ。」

 「はい。」

 「だから、そもそも頭数は増えがちで増え過ぎると、町を襲ったりするからいい間引きになっていると思う。」

 「そうなの?」

 「かなり狩っているのは確かだが、こちらから追いかけて狩っている訳じゃない。つまり根こそぎ種を狩っているのではないから、大丈夫だろう。」

 「本当?それならいいですが…。あまりにも狩っている気がして…。」

 「それはそうだが…虹湖以外の場所は、年に1、2回しか狩っていない。一度で大量でも年中狩っているわけではない。1年経つが様子が変わってはいないだろ?」

 「あ…!」


 言われて見て、季節が1巡過ぎている事に気が付いた。

 確かに薬草を採取するために立ち入っているので、年にすると1回か2回訪れるだけだ。それで、その地域のある種を狩りすぎることはないのかもと納得出来た。

 

 「去年と変わらないなら、それは狩りすぎではないのね?」

 「そういうことだ。そして、丁度良く間引いたという事でもある。」

 「それならよかったです。」


 楓花は少しだけホッとした。

 

 「今夜は、久しぶりに虹湖に行きましょうか?」

 「虹湖?いいですよ。サナのところは…次回かな?」

 「はい、その予定です。」

 「それなら、虹湖のトラウト釣りか。」

 「ええ、久しぶりにトラウトを食べましょう。」

 「それはいいね。それなら、ここでの採取は、短い。俺たちは狩りに集中するとしよう。範囲は広めに50mでもいいだろうか?」

 「もちろん、大丈夫ですよ。」


 ガード範囲が広ければ、それだけ周囲の警戒範囲も広くなるが、獲物も増える。

 ケントさんとダン、アーサーさんとテンで別れたので2人に本格的な狩りを教えるつもりのようだ。本格的と言っても背後へ気を使わない分楽だけど…だからこそ、マンツーマンで教えたいのだろう。

 木の実ウサギが早速やってきて、狩りを始めた音が聞こえてくる。

 


 楓花は、キャビンにいるララとリリーに声をかける。上から降りてきたルーシーとハナとの5人で癒し草の採取を始めた。

 癒し草も昨年と変わらず、一面に茂っていた。

 ある程度摘んでスペースを作ると、小さなブルーシートを敷いて採取する。


 薬師の館では、癒し草を育てていてうまくいっていた。

 だけど、それは彼らがポーションを作るための材料だった。

 楓花が作るための材料は自分で得なくてはならない。実際問題として、楓花が求めれば敬一郎はいくらでも提供してくれるとは思う。

 だけど、それでは甘えすぎである。

 敬一郎は、加害者が立てた弁護士であり、今は協力関係であるだけなのだ。

 そこまでは頼れない。

 それに、泉の家でも薬草は採れているので、あれで出来る範囲でもいいのだ。

 ただ、あの薬草を使うと効果が強すぎて、いろいろとよくない気がした。


 「フーカさんちょっといいか?ルーシーも!」


 ケントさんの声が聞こえて来て、楓花とルーシーは慌てて立ち上がった。


 「ララさん、リリーさん、ハナさんは集まっていてね。」

 「はい。」


 何事かと駆け寄ると、木の実ウサギが大量に押し寄せていた。

 彼らの足元には大量に転がっている。


 「ごめん、足元も数も…」

 「あ~…」

 「これは、増えすぎで危険だから、全部倒したい。悪いが手伝ってくれ。」

 

 多すぎる。こんなに繁殖しているのは危険だ。

 これが町へ向かったら大変な事になる。


 「ナビ!ガードを25mに広げて!」

 『かしこまりました。ガードを25mに設定します。』


 楓花が大声で叫ぶと、ガードが5m伸びその勢いで木の実ウサギのいくつかは圧死しガードの中へ入る。ガードの外へ弾かれたウサギもダメージを受けているようだが、数が多い。


 「この数は、ばらせないよね?私に任せてもらってもいいですか?」

 「ああ…もちろんだ。」


 「ルーシーさん、木の実ウサギを集めてもらえますか?私は目隠しを配置します。」

 「あ…ええ、わかった。」


 ルーシーがハナを呼んで、二人で20mの位置に積み重なった木の実ウサギの上にさらに25mの位置までに転がっているウサギを集めてくれる。

 楓花は、その周囲に棒を立て、3m四方をブルーシートで覆った。

 ある程度集まったところで全面を覆った。


 ルーシーたちは、場所を移動してウサギを集め始めた。

 楓花は、一度車に戻り、久しぶりに解体ナイフを取り出した。ナイフに指示をして、バケツを置いてシートから外に出た。



読んでくださりありがとうございます。

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