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ララとリリーが緑に挑戦するようだ。
リュシーは平気で食べていたから大丈夫だと思いつつも、楓花はじっと見つめてしまう。
「ん…少し変わった味だけど美味しい!」
「うん、そんな苦くはないです。」
「ララさん、本当?」
「うん、ルーシーさんも食べてみてください。」
女子たちが話しながら、食べているけれど、ケントとアーサーはおせんべいに手を伸ばした。
「んっ…堅い…うまい…」
「本当だ、結構堅いな。」
二人がガリガリボリボリと音を立てて食べ始めると、ハナたちもせんべいに手を伸ばした。ハナさんは梅ザラメを食べて目を輝かせている。
ケントさんが、生姜味のおせんべいに手を伸ばして、かなりの堅さに一度口から出して眺めている。見た目より堅いよね。うんわかる。
楓花は眺めながら、ほうじ茶を飲んでいた。
このメンバーに蓬餅は無理そうかなぁ?
あんこ入りの大福ならいけるかな?
まぁ、無理して食べる必要はないけど…案外、なんでもいいわけではなさそうね。
その日一日をかけて緋の華のめしべを集めた。
ケントとアーサー、少年2人は寄って来たピンクオークと角ウサギ、狼を狩っていた。ツリーホーンは2頭しかいなかったようだ。
ピンクオークと狼、ツリーホーンはそれぞれ2頭ずつ丸ごとバケツに入れたようだ。
「ピンクオークは初めてかも…。」
「ピンクオークは美味いよ。普通のオークと違って毛が無いからか臭みも少ない。」
「そうなの!?それは楽しみね。少しもらってもいいかな?」
「少しと言わず好きなだけどうぞ。珍しいピンクオークを10数頭も狩ったんだ。」
「そんなに?」
「ピンクオークとしては多いが、いつもと比べれば少ないな。」
「虹湖のブラックベアーも前ほどは狩れないし、明日清草を採取したら角ウサギでも狩りますか?」
「そうだな…角ウサギか、今ならツリーホーンでもいいかもしれない。」
「ツリーホーンなら角が薬になりますね。」
「そうか、ならツリーホーンにしようか。今なら…ここからリストシアの方向へ行けば狩れるだろう。」
夏の鹿って美味しいのかな?それにお腹が大きいのはまずいよね?
「腹が大きいのは、ガードに近づいても狙わないよ。それをすると、種が途絶える。」
「そうですか?それなら、良かった。」
「もう少しすると、木の実ウサギも脂がのってくるが、少し早い。」
「え…20日後くらいなら狩れますか?」
「そうだな、それぐらいがいいかもしれない。」
それなら、来週は確実に狩りに行きたい。
お腹の甲羅も貴重な薬の材料だし…なんといっても美味しい。タイミングを合わせないとね。
今夜は、ピンクオークを味わう事にしよう。
オークということは、ほぼ豚肉味のはず。
生姜焼きが好きだけど、臭みが少ないならとりあえずは、塩コショウで味をつけて焼肉でいいかな?
「ピンクオークは焼肉でいいですか?」
「もちろんだ。」
ケントとアーサーがいい笑顔を見せた。
「焼き台を出そう。」
アーサーが慣れた手つきでバーベキュー台を取り出した。
楓花は、倉庫でお肉を取り出すとキャビンへ移動する。
ピンクオークの肉は、ピンク色でサシが入っていて美味しそうだ。三枚肉の部位もかなり美味しそう。肉を見る限り限りなく豚肉だった。
大き目の角切りを作り、醤油と酒とみりんを同量と三温糖をスプーンに少しいれた圧力鍋を火に掛ける。
ナイフにモモ肉を焼肉用に3㎜程度の一口大のスライスにしてもらう。
それから、焼き野菜にするナスとピーマン、玉葱を切り椎茸の軸を落とす。
ツリーホーンの肉を、5㎜ほどに切る。
野菜をルーシーさんに渡し、薄切りにした肉にお酒を振りかけ塩コショウをした。お肉は綺麗に並べず、ビニール袋に入れて揉みこみボールに入れてビニール袋の口を引っかけた。
それをルーシーさんへ渡す。
それから、周囲を一度整え、手をよく洗ってからサラダ作りにかかる。作ると言っても、レタスをちぎって洗い、きゅうりを薄くスライスする。
今日のサラダは、既製品のドレッシングではなく紫蘇を用意していた。
紫蘇を千切りにして、醤油と酢を合わせた。
ピンクオークは脂が強そうなので、さっぱりと食べた方がいいだろう。
角煮の圧力鍋に圧が掛かって5分で火を止めた。
そのままコンロへ置いて、みんなの元へ向かう。
「フーカさん、そろそろ焼けるよ。」
「1枚味見ください。」
「ああ、もちろん。どうぞ。」
お皿にお肉を1枚もらう。
どう見ても上質な豚肉だ。
塩コショウだけで1枚食べる。
ジュワッと脂の甘味が口いっぱいに広がった。
豚肉と違うのは、その歯ごたえだった。
薄く切っても、しっかりとした歯ごたえがあった。
「うん、美味しいです。」
「よし!食うぞ~!」
ケントさんの声が響く。
みんながわらわらと集まり、焼けた肉と野菜を持って行く。
サラダも紫蘇ソースをかけて食べてくれていた。
「ん?これ…シーソか?」
「色は違うけど、シーソの味ね。」
ケントさんとルーシーさんの言葉に、楓花は視線を動かした。
「同じ味の野菜があるの?」
「野菜というか、毒消し草だ。」
「毒消しですか。まあ、これも似たような効果はあると思いますが…。」
紫蘇が薬味に使われているのは、食あたり防止だったはずだ。
「シーソは、緑色ではなく、真っ青な葉だが、こう手のひらサイズで回りがギザギザしている。」
「まぁ、ではこれも似た感じですよ。ちょっと待っていて。」
楓花は、キャビンから紫蘇の葉を1枚持ってケントへ見せた。
「おぉ、シーソと色違いだな。」
「今度見つけたら教えてください。」
「ああ、わかった。」
「それにしても懐かしいね。」
「ああ、新人の頃はよく世話になった。」
「そうなの?」
それから、ケントたちから新人の頃の毒ありの獣との話を聞いて過ごした。
寝る前に、圧力鍋の蓋をラップにして冷蔵庫へと入れた。
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