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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者: 夢
第13章 穏やかな日常

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 ララとリリーが緑に挑戦するようだ。

 リュシーは平気で食べていたから大丈夫だと思いつつも、楓花はじっと見つめてしまう。


 「ん…少し変わった味だけど美味しい!」

 「うん、そんな苦くはないです。」


 「ララさん、本当?」

 「うん、ルーシーさんも食べてみてください。」

 

 女子たちが話しながら、食べているけれど、ケントとアーサーはおせんべいに手を伸ばした。


 「んっ…堅い…うまい…」

 「本当だ、結構堅いな。」


 二人がガリガリボリボリと音を立てて食べ始めると、ハナたちもせんべいに手を伸ばした。ハナさんは梅ザラメを食べて目を輝かせている。

 ケントさんが、生姜味のおせんべいに手を伸ばして、かなりの堅さに一度口から出して眺めている。見た目より堅いよね。うんわかる。

 楓花は眺めながら、ほうじ茶を飲んでいた。


 このメンバーに蓬餅は無理そうかなぁ?

 あんこ入りの大福ならいけるかな?

 まぁ、無理して食べる必要はないけど…案外、なんでもいいわけではなさそうね。

 

 その日一日をかけて緋の華のめしべを集めた。

 ケントとアーサー、少年2人は寄って来たピンクオークと角ウサギ、狼を狩っていた。ツリーホーンは2頭しかいなかったようだ。

 ピンクオークと狼、ツリーホーンはそれぞれ2頭ずつ丸ごとバケツに入れたようだ。

 

 「ピンクオークは初めてかも…。」

 「ピンクオークは美味いよ。普通のオークと違って毛が無いからか臭みも少ない。」

 「そうなの!?それは楽しみね。少しもらってもいいかな?」

 「少しと言わず好きなだけどうぞ。珍しいピンクオークを10数頭も狩ったんだ。」

 「そんなに?」

 「ピンクオークとしては多いが、いつもと比べれば少ないな。」

 「虹湖のブラックベアーも前ほどは狩れないし、明日清草を採取したら角ウサギでも狩りますか?」

 「そうだな…角ウサギか、今ならツリーホーンでもいいかもしれない。」

 「ツリーホーンなら角が薬になりますね。」

 「そうか、ならツリーホーンにしようか。今なら…ここからリストシアの方向へ行けば狩れるだろう。」

 

 夏の鹿って美味しいのかな?それにお腹が大きいのはまずいよね?


 「腹が大きいのは、ガードに近づいても狙わないよ。それをすると、種が途絶える。」

 「そうですか?それなら、良かった。」

 「もう少しすると、木の実ウサギも脂がのってくるが、少し早い。」

 「え…20日後くらいなら狩れますか?」

 「そうだな、それぐらいがいいかもしれない。」

 

 それなら、来週は確実に狩りに行きたい。

 お腹の甲羅も貴重な薬の材料だし…なんといっても美味しい。タイミングを合わせないとね。


 今夜は、ピンクオークを味わう事にしよう。

 オークということは、ほぼ豚肉味のはず。

 生姜焼きが好きだけど、臭みが少ないならとりあえずは、塩コショウで味をつけて焼肉でいいかな?

 

 「ピンクオークは焼肉でいいですか?」

 「もちろんだ。」

 

 ケントとアーサーがいい笑顔を見せた。

 

 「焼き台を出そう。」


 アーサーが慣れた手つきでバーベキュー台を取り出した。

 楓花は、倉庫でお肉を取り出すとキャビンへ移動する。

 ピンクオークの肉は、ピンク色でサシが入っていて美味しそうだ。三枚肉の部位もかなり美味しそう。肉を見る限り限りなく豚肉だった。

 大き目の角切りを作り、醤油と酒とみりんを同量と三温糖をスプーンに少しいれた圧力鍋を火に掛ける。

 ナイフにモモ肉を焼肉用に3㎜程度の一口大のスライスにしてもらう。

 それから、焼き野菜にするナスとピーマン、玉葱を切り椎茸の軸を落とす。

 ツリーホーンの肉を、5㎜ほどに切る。

 

 野菜をルーシーさんに渡し、薄切りにした肉にお酒を振りかけ塩コショウをした。お肉は綺麗に並べず、ビニール袋に入れて揉みこみボールに入れてビニール袋の口を引っかけた。

 それをルーシーさんへ渡す。

 それから、周囲を一度整え、手をよく洗ってからサラダ作りにかかる。作ると言っても、レタスをちぎって洗い、きゅうりを薄くスライスする。

 今日のサラダは、既製品のドレッシングではなく紫蘇を用意していた。

 紫蘇を千切りにして、醤油と酢を合わせた。

 ピンクオークは脂が強そうなので、さっぱりと食べた方がいいだろう。


 角煮の圧力鍋に圧が掛かって5分で火を止めた。

 そのままコンロへ置いて、みんなの元へ向かう。


 「フーカさん、そろそろ焼けるよ。」

 「1枚味見ください。」

 「ああ、もちろん。どうぞ。」


 お皿にお肉を1枚もらう。

 どう見ても上質な豚肉だ。

 塩コショウだけで1枚食べる。

 

 ジュワッと脂の甘味が口いっぱいに広がった。

 豚肉と違うのは、その歯ごたえだった。

 薄く切っても、しっかりとした歯ごたえがあった。


 「うん、美味しいです。」

 「よし!食うぞ~!」

 

 ケントさんの声が響く。

 みんながわらわらと集まり、焼けた肉と野菜を持って行く。

 サラダも紫蘇ソースをかけて食べてくれていた。


 「ん?これ…シーソか?」

 「色は違うけど、シーソの味ね。」


 ケントさんとルーシーさんの言葉に、楓花は視線を動かした。

 

 「同じ味の野菜があるの?」

 「野菜というか、毒消し草だ。」

 「毒消しですか。まあ、これも似たような効果はあると思いますが…。」


 紫蘇が薬味に使われているのは、食あたり防止だったはずだ。

 

 「シーソは、緑色ではなく、真っ青な葉だが、こう手のひらサイズで回りがギザギザしている。」

 「まぁ、ではこれも似た感じですよ。ちょっと待っていて。」


 楓花は、キャビンから紫蘇の葉を1枚持ってケントへ見せた。


 「おぉ、シーソと色違いだな。」

 「今度見つけたら教えてください。」

 「ああ、わかった。」

 「それにしても懐かしいね。」

 「ああ、新人の頃はよく世話になった。」

 「そうなの?」

 

 それから、ケントたちから新人の頃の毒ありの獣との話を聞いて過ごした。

 寝る前に、圧力鍋の蓋をラップにして冷蔵庫へと入れた。




読んでくださりありがとうございます。

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